一括投資と積立投資はどちらがおすすめ?投資初心者向けにメリット・デメリットや適性も解説
LIMO / 2022年3月19日 12時0分
一括投資と積立投資はどちらがおすすめ?投資初心者向けにメリット・デメリットや適性も解説
一括投資と積み立て投資はどちらがおすすめか。
これは、年間約300回、資産運用に関するオンラインセミナーで講師を務める筆者に多く寄せられる質問のひとつです。
そこで今回は、一括投資と積み立て投資のポイントについて解説していきます。
リーマンショックのときに起こったこと
2008年のリーマンショックの時期、私は証券会社に勤めていました。担当していたお客様の中で、急激な相場の下落に精神的に耐えられず、投資をやめてしまった方を多く見てきました。
当時の日経平均株価を見ると、リーマンショック直前の2008年6月には1万4000円を超えていた株価が、みるみるうちに下がっていき、2009年3月には約半分の7000円ほどになっています。自らの金融資産がどんどん減っていき、どこまで下がるかわからない、最終的には半分の価値になってしまうという状況は、多くの投資家にとって耐えがたいものでした。
こうした経験から、資産運用セミナーで講師を務める際には、どうすればお客様が長期投資を続けられるかを考えています。
長く続けるほど、得られるリターンは高くなる
「資産運用を始めたいと思っているのですが、手元の資金を一度にすべて入金するのと、分割して毎月少しずつ積み立てるのと、どちらがよいでしょうか?」。これはセミナーの中で、最もよく頂く質問です。この質問にはいつも、「迷ったら積立投資がお勧めです」とお応えしています。
相場の変動を正確に見通すことは難しく、これからも、金融危機はいつやってくるかわかりません。しかし、たとえ金融危機が起こっても、過去のリーマンショックやコロナショックの経験からもわかるように、相場が永遠に下がり続けるということはまずありません。社会で経済活動が行われている限り、待っていれば回復し、いずれは元の水準に戻るでしょう。
長く続ければ相場は中長期的に上がっていく可能性が高い。世界経済が成長を続けるという前提に立てば、金融資産はできるだけ長く保有し続けたほうが、得られるリターンは高くなる――。
そのことを頭では理解していたとしても、資産運用を始めたばかりの頃は、日々の株価の上下や、一時的なマイナスのリターンにストレスを感じることもあるのではないでしょうか。
100万円が50万円になったときどう感じる?
たとえば100万円を一括で投資に回したとして、直後にリーマンショックのような金融危機が起こったとしましょう。1か月後に半分の50万円になっている状況を想像してみてください。
とても耐えられない、その時点で投資はすぐに止めたいと思うようであれば、一括投資はお勧めできません。最初に入金する額は抑えて、分割して少しずつ入金していく積立投資のスタイルのほうが、短期的な相場の上下が与える心理的なストレスを減らすことができます。
反対に、短期的に資金が半分になっても特に何も感じない、(むしろ買い増しのチャンスなので、追加資金を投入する)という方がいらっしゃれば、その方は一括投資に向いているといえます。
重視すべきなのは、長く続けられそうかどうか
私の経験から、一括か積立か、どちらにするか迷っているという方は、一括で投資した際の短期的な値下がりリスクを心配されている場合が多いといえます。その際にアドバイスしているのは、精神的なストレスを抱えずに続けられそうなほうを選びましょう、ということです。
毎日の株価の上下が気になって仕方がない、大きく下がると夜も眠れなくなるという方もいらっしゃるかもしれませんが、そのような方には積立投資をお勧めしています。感情の揺れをできるだけ小さくしたほうが、長期投資は成功する可能性が高まるのです。
最も重要なことは、一括投資と積立投資ではどちらが無理なく、長く続けられそうか、自分に合っているかを考えることです。前述の通り、世界経済が成長を続ける限り、金融資産はできるだけ長く保有し続けたほうが、得られるリターンは高くなります。せっかく長く続けるつもりで始めた資産運用を、一時の感情によって挫折するのはもったいないことです。積立によって感情も含めたリスクをうまくコントロールしながら、長期的なリターンを目指しましょう。
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