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つみたてNISAでインデックス投信「売り時」って結局いつなのか

LIMO / 2022年2月27日 18時50分

つみたてNISAでインデックス投信「売り時」って結局いつなのか

つみたてNISAでインデックス投信「売り時」って結局いつなのか

もうすぐ新年度。新しいことをはじめようと、話題のつみたてNISAが気になっている方もいるでしょう。

つみたてNISAで資産運用を始めたものの、いつ資産を売却したら良いのか、売り時が分からない方は多いようです。「利益が出たら、すぐ売るべき?」「損が出たら、損切りすべき?」と心配になってしまう方もいるかもしれませんが、もともとつみたてNISAは長期運用を目的として作られた制度なので、頻繁に売買を繰り返すものではありません。

今回は投資初心者の方でも見定められるようになる、資産の売り時のポイントについて解説します。

つみたてNISAで頻繁に売買するのがNGな理由

資産運用では「安いときに商品を買って、高いときに売る」ことで利益を得ることができます。特に、毎日、頻繁に売買を繰り返すことでお金を増やしているような方々は、デイトレーダーと呼ばれています。彼らの多くは、株価や経済のニュース、会社の業績発表などを細かくチェックし、日々買い時や売り時を見定めることに注力しています。

一方、つみたてNISAは長期運用を行い、将来のためにお金をコツコツ増やしていくための制度です。つみたてNISAの対象商品は206本(2022年2月10日時点)。内訳は「インデックス投資信託(178本)・アクティブ運用投資信託等(21本)・上場株式投資信託(ETF)(7本)」。

中でもインデックス投信に投資する人が多いでしょう。インデックス投信とは、日本株式なら東証株価指数(TOPIX)や日経225、米国株式ならNYダウやS&P500、世界株式ならMSCI指数などのベンチマーク(指標)に連動する運用成績を目指すもの。商品の仕組みが分かりやすいので初心者の方に人気です。

つみたてNISAにおいて、デイトレーダーのような売買のやり方が向いていないのには、以下の通り2つの理由があります。

1.非課税枠がなくなる

つみたてNISAは年間40万円まで、20年間、投資で得た利益が全て非課税となる制度です(非課税投資枠は20年間で最大800万円)。40万円の非課税枠は一度買ったら使い切りです。つみたてNISAの預かりを売却したとしても、その年の非課税枠は増えません。

つみたてNISAでは、デイトレーダーのように売り買いを繰り返しているとすぐに非課税枠を使い切ってしまうので、短期売買には向いていないと言われています。

2.価格の乱高下が大きい商品は少ない

つみたてNISAにラインナップされている商品は、もともと金融庁が定めた「長期・積立・分散」に適した投資信託に限定されています。短期間で価格の乱高下を繰り返し、大きな利益をあげられるような商品は少ないため、短期売買には向いていません。

つみたてNISAの売り時!ポイントは2つ

では、つみたてNISAでの売り時を見極めるポイントを2つご紹介します。覚えておきたい売り時ポイントは、以下の2点です。

1.お金が必要になったとき

「仕事で働けなくなった時、医療費が必要な時、家の修繕が必要な時、マイホームの購入時、子供の学費が足らなくなった時」など、お金が必要になった場合はつみたてNISAの預かりを売却しましょう。

「せっかくここまで運用したのだから、売るのがもったいない」と思う方もいるかもしれませんが、つみたてNISAはもともと人生でお金が必要な時のために運用していたお金です。ここぞという時は売却して、お金を活用しましょう。

たとえば急にお金が必要になり、消費者金融のような金融機関から高い利率でお金を借りてしまうと本末転倒です。いくらつみたてNISAで資産運用をしていても、消費者金融の高い金利がかさみ、資産をトータルで見ると大きな損をしてしまう場合があります。

借金をしてしまうくらいなら、今ある資産を活用することで借金の総額を減らし、無駄な金利の支払いをしない方が賢明でしょう。お金が必要になった時は、「借金をせずに使える資産=つみたてNISAの預かり」を利用することを検討しましょう。

2.利益を確定させたいとき

「もうこれ以上値段が上がらないはず」「どうしても利益を確定させておきたい」と強く考える場合は、売却を検討しましょう。

もちろん、長期運用では今後もさらにゆっくりと値段が上がる可能性があるので、短期で売却することが必ずしも利益が最大化できるとは限りません。ただし、投資なので「必ずもうかる」という保証がないのも事実です。

「儲かっているうちに一回利益を確定させて安心したい」という気持ちが強く、売らずにこのまま持ち続けることの方がストレスが大きい方は、相場をみながら売却をすることも検討してみましょう。

「損切り」はしない方が賢明

「損が出たら、損切りすべき?」という疑問を持つ方もいるかもしれませんが、つみたてNISAの場合、そのまま持ち続けておく方が賢明だと考えられます。つみたてNISAにラインナップされているようなインデックス投信の場合、今は価格が下がっていても、将来的にはまた上がる可能性が十分にあります。

また、つみたてNISAで注意しておきたいのは「損益通算」と「損失の3年間の繰越控除」です。つみたてNISAで損をしていても、つみたてNISAの損失と一般口座(課税口座)の利益の損益通算はできません。また、一般口座では損失が出た年から3年間、その後発生した利益と損益通算をして税金を減らすことができますが、つみたてNISAはもともと非課税のため3年間の損失の繰越控除はありません。

つみたてNISAでは「損益通算」と「損失の3年間の繰越控除」が使えないため、損切をするメリットは多くありません。逆に、つみたてNISAでは今後さらに長期投資を続けるうちに、価格が上がり、利益を増やせる可能性もあります。

じっくり待つという意識を

基本的に、つみたてNISAでは証券会社の自動買付サービスを利用し、お任せで運用しておくのがおすすめです。たとえば、1年に1回くらいどのくらい儲かっているのかをチェックするくらいの方が、ストレスなく長期投資を続けることができます。本当にお金が必要になるまで、基本的には手を付けずに運用していきましょう。

なお、20年間の非課税期間が終了した場合は「つみたてNISAの残高を売却をするか、課税口座に預かりを移すか、つみたてNISAの残高を現金化してそれを元手に新しく積立投資を始めるか」が選べます。20年後の相場や運用成績を見て、預かりをどうするかを検討しましょう。

特に投資初心者の方は、毎日の値動きが気になって「売り時に悩んでしまう」という人もいるかもしれません。しかし、つみたてNISAは20年間の長期マラソンです。すぐに息切れしないために、お金が必要になるその時までじっくりゆっくり待つように心がけましょう。

参考資料

金融庁 つみたてNISA(https://www.fsa.go.jp/policy/nisa2/about/tsumitate/index.html)

金融庁 つみたてNISAの対象商品(https://www.fsa.go.jp/policy/nisa2/about/tsumitate/target/index.html)

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