年収400万円「日本の標準世帯」の実態とは。年金や退職金だけで老後が不安なら
LIMO / 2022年2月28日 5時20分
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年収400万円「日本の標準世帯」の実態とは。年金や退職金だけで老後が不安なら
年収400万円「ふつうの世帯」みんなの貯蓄の平均と中央値を大解剖!
新型コロナウイルスのオミクロン株の感染拡大を受け、一部の地域では蔓延(まんえん)防止等重点措置が延長されました。
引き続き、家で過ごす時間が増えそうだと感じている方も多いかもしれませんね。逆手にとれば、普段はなかなか手を付けられないようなことにチャレンジする絶好の機会と言えるかもしれません。
私は以前、生命保険会社に勤務し、数多くのお客さまから老後のお金の相談を受けてきました。そこで今回は、わかっていてもなかなか向き合うことが難しい「お金」について、日本の標準世帯「年収400万円世帯」の貯蓄額・お財布事情を紐解きながら、老後のお金の備え方についてお話ししていきたいと思います。
年収400万円台世帯の貯蓄平均は?
厚生労働省「2019年 国民生活基礎調査の概況」によると、世帯の所得の中央値は437万円とのこと。
所得の中央値は?
![](https://limo.ismcdn.jp/mwimgs/d/f/-/img_dfd93da3b5268c02058c6fb16c14e79d70417.png)
【出典】厚生労働省「2019年 国民生活基礎調査の概況」
それをふまえ、総務省の「家計調査報告(貯蓄・負債編)-2020年(令和2年)平均結果-(二人以上の世帯)」を参考にして、年収400万円台「勤労世帯」の平均貯蓄額を確認していきましょう。
400万円~450万円世帯と450万~500万円世帯に分けて見ていきます。
年収400万~450万円世帯
平均年収:423万円
平均貯蓄額:911万円
貯蓄の内訳
金融機関:893万円
通貨性預貯金:290万円
定期性預貯金:286万円
生命保険など:228万円
有価証券:88万円
金融機関外:18万円
平均貯蓄額は911万円、そのうち6割以上は預貯金という結果となっています。
次は年収450万~500万円世帯を見てみましょう。
年収450万~500万円世帯
平均年収:474万円
平均貯蓄額:813万円
貯蓄の内訳
金融機関:805万円
通貨性預貯金:264万円
定期性預貯金:252万円
生命保険など:212万円
有価証券:77万円
金融機関外:8万円
貯蓄額の平均はさきほどより少し下がり813万円。やはり6割以上が預貯金で備えていることがわかりました。
年収が多いと貯蓄額が多くなるわけではないようです。お子様がいらっしゃる家庭では教育費、また住宅を購入された方は頭金に活用するなど、思うように貯蓄が進まないという世帯も多いかもしれませんね。
年収400万円台世帯の負債額と純貯蓄額
実際には住宅ローンなどの負債を抱えている家庭も多いのではないでしょうか。同じ資料から負債額も確認していきましょう。
負債額を差し引くことで、本当の貯蓄額(純貯蓄額)が見えてきます。
年収400万~450万円世帯の平均負債額
平均負債額:555万円
うち「住宅・土地のための負債」508万円
純貯蓄額:356万円(貯蓄911万円-負債555万円)
年収450万~500万円世帯の平均負債額
平均負債額:601万円
うち「住宅・土地のための負債」:560万円
純貯蓄額:212万円(貯蓄813万円-負債601万円)
負債のほとんどが「住宅・土地のための負債」、つまり住宅ローンなど家関連の負債だということがわかりました。年収があがると購入物件価格もあがる傾向にあるため、負債額は年収450~500万円世帯の方が若干多い結果になりました。
また、純貯蓄額も貯蓄額と同じで年収400万円台前半の方が高く、年収と貯蓄が比例しないことがわかる結果となりました。
「年収が上がる=貯蓄も増える」というわけには、簡単にはいかないと言えるのかもしれませんね。
リタイヤ後の「暮らしとお金」を今からイメージしてみる
ここまで、年収400万円台世帯の貯蓄事情を紐解いてきました。
住宅ローンや教育費など、避けては通れない支出を工面しながら貯蓄をしている世帯もある、ということが見えたのではないでしょうか。
早い方では30代ぐらいから将来のお金(老後)のことも気になるという方も多いかもしれません。年収400万円世帯の貯蓄の6割以上が預貯金であることもわかりましたが、残念ながら現在では預貯金で老後に向けてお金を効率的に増やすことが難しい時代です。
そこで、お金の一部を「現在(いま)から」「老後」へシフトしてみることを検討してみてはいかがでしょうか。つまり、資産運用を活用しながら効率よくお金を増やしていくことです。
老後の生活に必要な資金に決まりはありません。思い描く理想のセカンドライフも人それぞれです。ぜひこの機会に、定年退職後の生活をイメージして必要な資金を計算してみるとよいかもしれませんね。
公的年金や退職金で足りないことが分かれば、いまから老後資金を積み立てていくことで、その不足分をある程度カバーできる可能性もあります。
おうち時間を充実させるためにも、一度「資産の整理」をしてみませんか。
参考資料
厚生労働省「2019年 国民生活基礎調査の概況」(https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/k-tyosa/k-tyosa19/index.html)
総務省統計局「家計調査(貯蓄・負債編)詳細結果表(2020年(令和2年))」(https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?page=1&layout=datalist&toukei=00200561&tstat=000000330001&cycle=7&year=20200&month=0&tclass1=000000330007&tclass2=000000330008&tclass3=000000330009&stat_infid=000032087774&result_back=1&tclass4val=0)
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