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【2022年版】自転車保険義務化に追加された地域はどこ?高額賠償の実例も紹介

LIMO / 2022年3月3日 17時50分

【2022年版】自転車保険義務化に追加された地域はどこ?高額賠償の実例も紹介

【2022年版】自転車保険義務化に追加された地域はどこ?高額賠償の実例も紹介

自転車保険の加入義務化の動きが広がっています。2021年4月1日には秋田県が加入義務、佐賀県が努力義務の条例を制定しました。

しかし、依然として自転車側の危機意識の低さが多くの事故を招いています。

警察庁が公表している「令和2年における交通事故の発生状況等について」によると、対自動車事故における出会い頭衝突事故では、自転車にも約8割の法令違反が認められるそうです。

本記事では、自転車保険義務化の地域や事故の現状・高額賠償の例について紹介します。加入義務ではない地域の方でも、これを機に自転車保険を検討してみましょう。

自転車保険義務化・努力義務化された自治体一覧

自転車保険が義務化・努力義務化されている自治体は以下のとおりです。

義務

宮城県・秋田県・山形県・群馬県・埼玉県・東京都・神奈川県・山梨県・長野県・静岡県・愛知県・三重県・滋賀県・京都府・大阪府・兵庫県・奈良県・愛媛県・福岡県・熊本県・大分県・宮崎県・鹿児島県(政令指定都市:千葉市・岡山市)

努力義務

北海道・青森県・茨城県・千葉県・富山県・和歌山県・鳥取県・徳島県・香川県・高知県・佐賀県

出所:国土交通省「自転車損害賠償責任保険等への加入促進について」

義務化と努力義務化を含めて全34都道府県です。全国的に自転車事故に対する危機意識が高まっているのが分かります。

また千葉市や岡山市でも独自に条例を定めています。近い将来千葉県と岡山県全体で加入義務が課されるかもしれません。

自転車加害事故の割合

一般社団法人日本損害保険協会が公表した「知っていますか?自転車の事故~安全な乗り方と事故への備え~」によると、自転車による加害事故は1万3982件で、自転車事故全体に占める割合は20.7%に及びます。

このうち「安全運転義務違反」による加害事故は58.3%と、最も高い割合で発生しています。

【安全運転義務違反の具体例】

ハンドル操作不適:片手運転など、他人に危害を及ぼすような運転をした場合。

ブレーキ操作不適:ブレーキのかけ方が甘いなど、他人に危害を及ぼすような運転をした場合。

前方不注意:ぼんやりしながら「漫然運転」したり、他の事物に気を取られて「脇見運転」したりして前方への注意を怠り、他人に危害を及ぼすような危険な運転をした場合。

動静不注視:いわゆる「だろう運転」のように、車や歩行者など相手の存在を認識しているにもかかわらず、危険はないだろうと判断して相手の動静に対する注視を怠るような運転をした場合。

安全不確認:前方や後方、左右の安全確認が不十分だったことにより、相手の存在を見落としたりして発見が遅れたりすることをいい、交差点で他の自動車に気を取られ、歩行者を見落としてしまうようなケース。

その他:歩道における徐行など、その場の状況に応じた安全な速度や方法で運転しない場合など。

自転車保険義務化の自治体が増える背景には、こうした自転車事故による被害に対し、加害者側に高額賠償を命じるケースが増えていることが挙げられます。

なかには、小学生や高校生が1億円近い賠償を命じられたケースもあります。歩行者に対する事故の場合、運転手の年齢は考慮されません。

次の項目では、より詳しい高額賠償の実例を見ていきましょう。

【約1億円のケースも】自転車事故で起きた高額賠償の実例

ここからは、判決文で支払いが命じられた賠償容認額とその実例をご紹介します。

9521万円:神戸地方裁判所  2013年7月4日判決

男子小学生(11歳)が夜間、帰宅途中に自転車で走行中、歩道と車道の区別のない道路において歩行中の女性(62歳)と正面衝突。女性は頭蓋骨骨折等の傷害を負い、意識が戻らない状態となった。

9330万円:高松高等裁判所  2020年7月22日判決

男子高校生が、夜間、イヤホンで音楽を聞きながら無灯火で自転車を運転中に、パトカーの追跡を受けて逃走し、職務質問中の警察官(25歳)と衝突。警察官は、頭蓋骨骨折等で約2か月後に死亡した。

9266万円:東京地方裁判所  2008年6月5日判決

男子高校生が昼間、自転車横断帯のかなり手前の歩道から車道を斜めに横断し、対向車線を自転車で直進してきた男性会社員(24歳)と衝突。男性会社員に重大な障害(言語機能の喪失等)が残った。

6779万円:東京地方裁判所  2003年9月30日判決

男性が夕方、ペットボトルを片手に下り坂をスピードを落とさず走行し交差点に進入、横断歩道を横断中の女性(38歳)と衝突。女性は脳挫傷等で3日後に死亡した。

5438万円:東京地方裁判所  2007年4月11日判決

男性が昼間、信号表示を無視して高速度で交差点に進入、青信号で横断歩道を横断中の女性(55歳)と衝突。女性は頭蓋内損傷等で11日後に死亡した。

上記金額は概算額で、その後の上告等で金額が変更になった可能性もあります。

自転車事故での高額賠償は誰にでもあり得る

高額賠償の実例は決して他人事ではありません。一瞬の油断や不注意などで容易に加害者となり得るのです。

自動車のように自動的に自賠責保険に加入とならないからこそ、自転車事故に備えて保険に加入しておきましょう。

ただし、既に加入している傷害保険などで自転車による事故がカバーされているかもしれません。一度保険内容をチェックし、自治体の条例に適応しているか保険会社に問い合わせてみて下さい。

参考資料

警察庁「令和2年における交通事故の発生状況等について」(https://www.npa.go.jp/publications/statistics/koutsuu/jiko/R02bunseki.pdf)

国土交通省「自転車損害賠償責任保険等への加入促進について」(https://www.mlit.go.jp/road/bicycleuse/promotion/index.html)

一般社団法人日本損害保険協会「知っていますか?自転車の事故~安全な乗り方と事故への備え~」(https://www.sonpo.or.jp/report/publish/bousai/ctuevu00000053ot-att/book_bicycle.pdf)

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