優待株のサイゼリヤ、株価の目先の目標とは。コロナ禍でも過去最高並みの売上狙える「本当のワケ」とは
LIMO / 2022年3月1日 19時35分
優待株のサイゼリヤ、株価の目先の目標とは。コロナ禍でも過去最高並みの売上狙える「本当のワケ」とは
コロナ禍の中でも根強い人気のあるサイゼリヤは、今期過去最高に近い売上高1,500億円を目指しています。
また業績を先取りするかのように、昨年のサイゼリヤの株価は堅調な推移を見せました。
ただし気付けば利益は既に海外中心構成となっています。
日本発の格安イタリアンとして根強い人気があるサイゼリヤの今期の業績及び株価の行方が注目されます。
客足が戻りつつあるサイゼリヤ
コロナ禍により多くの外食企業の業績が悪化しました。
ただしマクドナルド(日本マクドナルドホールディングス(2702))やケンタッキーフライドチキン(日本KFCホールディングス(9873))のようにコロナ禍の中で業績を伸ばす外食企業も中にはあります。
その中でサイゼリヤ(7581)の客足が戻りつつあります。
昨年11月から来客数が対前年同月比での増加を続けており、1月は121.3%となりました。
ただしコロナ感染第6波のため1月に多くの都道府県でまん延防止等重点措置が適応され、1~2月は客足が落ちると予想されます。
それでも2月後半に入り感染はピークアウトしており、3月から再び客足が回復する可能性が高い状態にあります。
今期は過去最高の利益を目指しているサイゼリヤ
海外の事例からも2022年はアフターコロナに向かうと予想されますが、今期のサイゼリヤは過去最高に近い売上高を目指しています。
同社の直近5年の業績推移及び今期予定は下記となります。
2017年8月期 売上高1,483億円、経常利益119億円、当期純利益75億円
2018年8月期 売上高1,541億円、経常利益89億円、当期純利益51億円
2019年8月期 売上高1,565億円、経常利益97億円、当期純利益50億円
2020年8月期 売上高1,268億円、経常利益▲21億円、当期純利益▲35億円
2021年8月期 売上高1,265億円、経常利益35億円、当期純利益18億円
2022年8月期(予想) 売上高1,500億円、経常利益130億円、当期純利益86億円
今期は時短協力金が計上されるため経常利益を130億円としており、過去最高益となった2017年8月期の119億円を超える予想です。
また売上高1,500億円は過去最高を記録した2019年8月期の1,565億円に迫る数字であり、協力金がなくとも今期は大幅な業績回復を見込んでいます。
海外部門の好調がサイゼリヤ復活の背景
サイゼリヤは日本発の格安イタリアンの店として知られていますが、ここ数年は海外展開に注力しており、中国中心に海外で464店舗を展開しています。
2021年8月期末時点の国内店舗1,089店舗であり、海外店は国内店の約4割の規模です。
2022年8月期の地域別の売上及び利益予想は下記です。
また参考までに2017年8月期の数字も記しました。
国内 売上高1,000億円、営業利益10億円(2017年8月期 売上高1,173億円、セグメント利益71億円)
海外 売上高500億円、営業利益60億円(同 売上高355億円、セグメント利益35億円)
今期は海外の利益に加え、国内は時短協力金により経常利益(上記の国内利益に協力金の利益は未計上)は過去最高益の達成が見込まれています。
ただし過去最高に近い売上高1,500億円を予想する点に今期計画の特徴があります。
国内売上は2017年8月期に近い1,000億円で、海外売上は2017年8月期に比べ約4割増の予想であり、国内の売上回復とともに海外の伸びが予想されています。
2021年は上昇が続いたサイゼリヤの株価、3,000円を超えられるか
今期の業績回復を先取りするかのように、サイゼリヤの株価は昨年堅調な推移を見せました。
昨年は年間を通じて株価が上昇しています。
昨年の株価は1,904円でスタートしましたが、最終的に3,005円で取引を終えました。
月足で見ると陰線を形成したのは8月と11月のみであり、順調な上昇がうかがえます。
ただし2022年1月は陰線でスタートし、昨年10月から天井となりつつある3,000円で跳ね返された状態です。
サイゼリヤの株価は、業績の伸長に後押しされて3,000円をブレイクするのか、それとも節目価格の3,000円は超えられず反落するのか注目されます。
国内の人気は健在、更に海外事業の拡大で成長するサイゼリヤ
サイゼリヤは定期的にツイッター上でバズるネタを提供しています。
先日は、初デートでのサイゼリヤは「あり orなし」か、でツイッターは大いに賑わいました。
愛されキャラともいえるサイゼリヤはコロナ禍をへても人気は変わりません。
またコロナ禍の中で海外中心に利益を上げる構造に転じています。
業績の回復を果たし、株価も昨年同様に上昇を続けることができるのか、今後のサイゼリヤの業績及び株価の行方が注目されます。
参考資料
株式会社サイゼリヤ 投資家の皆さまへ(https://www.saizeriya.co.jp/corporate/investor/ir/)
株式会社サイゼリヤ「2019年8月期 決算短信〔日本基準〕(連結)」(https://www.saizeriya.co.jp/PDF/irpdf000670.pdf)
株式会社サイゼリヤ「2021年8月期 決算説明会」(https://www.saizeriya.co.jp/PDF/irpdf001084.pdf)
株式会社サイゼリヤ「月次報告(2022年8月期)」(https://www.saizeriya.co.jp/PDF/irpdf001158.pdf)
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