日本で「年収1000万円」と「年収2000万円」は何%?手取りの違いも検証
LIMO / 2022年3月8日 14時50分
日本で「年収1000万円」と「年収2000万円」は何%?手取りの違いも検証
もうすぐ新しい年度となり、新入社員や中途社員が入社してくる時期ですね。この時期、ご自身の仕事内容や年収について考える方もいるでしょう。
多くの方が夢見るのが「年収1000万円」です。しかし国税庁の「令和2年分 民間給与実態調査統計」によれば、日本で年収1000万円以上の方は4.6%しかいません。
最近では年収1000万円を超えても税金が高いことや児童手当の所得制限に引っかかるなどあり、思ったより余裕はないなんて声も挙がっています。
実際に年収1000万円、そしてその倍の2000万円の人は日本でどれくらいいるのでしょうか。手取り額などもあわせてみていきましょう。
男女別「年収1000万円」と「年収2000万円」は何パーセントか
先ほどの国税庁の調査より、まずは給与階級別の給与所得者数をみていきましょう。
日本の平均年収は同調査によれば433万円です。年収1000万円となるとその2倍、2000万円では4倍にもなりますね。
年収「1000万円超 1500万円以下」の人をみると全体で3.4%(男性5.2%・女性0.7%)。1000万円以上でみても全体で4.6%(男性7.1%・女性1.1%)という少なさ。全体で年収1000万円を超える人はおよそ20人に1人ですね。
年収2000万円以上で見ると、「2000万円超 2500万円以下」は0.2%(男性0.4%・女性0.1%)。2000万円以上は全体で0.5%(男性0.8%・女性0.2%)でした。
年収1000万円・2000万円ともに到達するのがどれほど難しいことなのかが分かります。
業種別の平均給与、トップは「電気・ガス・熱供給・水道業」
年収1000万円といっても、収入は地域や業種、年齢などによっても異なるものです。どの業種だと年収が高いのか、同調査より業種別の平均給与を見てみましょう。
平均給与が500万円を超える職種は以下の通り。
電気・ガス・熱供給・水道業:715万円
金融業・保険業:630万円
情報通信業:611万円
建設業:509万円
学術研究・専門・技術サービス業、教育・学習支援業:503万円
製造業:501万円
業種別の給与階級別・構成割合をみると、最も平均給与が高い「電気・ガス・熱供給・水道業」は「年収800万円超」の人が全体の33.7%。他の業種に比べて、圧倒的に年収800万円を超える人が多いと言えます。
次に年収800万円超の割合が多いのは「金融業、保険業」(25.0%)、「情報通信業」(20.8%)、「学術研究・専門・技術サービス業、教育・学習支援業」(16.2%)、「建設業」(13.0%)、「製造業」(12.8%)。
上記のような職種に年収1000万円・2000万円の人が比較的いると考えられるでしょう。
「年収1000万円」と「年収2000万円」の手取りは?
年収だけ見るのでは、なかなか実感が湧きにくいもの。国税庁「令和2年分民間給与実態統計調査」の「第3表 給与階級別の総括表」を参考にしながら、月の手取り額を確認しましょう。
年収1000万円の手取り額
平均給料・手当:938万5000円
平均賞与:245万2000円
平均年齢:51.6歳
勤続年数:21.5歳
給与所得者数:175万3060人
平均給与(年収):1183万7000円
平均給料・手当は約938万円なので、月の額面給与にすると約78万円。社会保険料や税金を引いた手取り額は、個人差がありますが約57万円程度と考えられます。月の手取りが50万円以上あれば、ゆとりのある生活をしながらまとまった貯蓄もできるでしょう。
年収2000万円の手取り額
平均給料・手当:2017万5000円
平均賞与:239万3000円
平均年齢:57.3歳
勤続年数:20.6歳
給与所得者数:175万3060人
平均給与(年収):2256万8000円
年収2000万円の平均給料・手当は約2017万円なので、月の額面給与にすると約168万円。手取り額は個人差ありますが約125万円程度でしょう。
年収1000万円と2000万円では、手取り額がおよそ倍ほど違いました。年収2000万円になれば月の手取りも100万円を超えますが、日本では0.5%です。
年収が高いから生活が楽とは言い切れない
年収1000万円と2000万円の手取りを見ると、余裕のある暮らしができそうな印象を抱きます。
ただはじめに述べたように、年収1000万円を超えると児童手当や高校無償化などの所得制限の対象となる場合が多くなります。児童手当は2022年10月分より、年収1200万円(子ども2人+年収103万円以内の配偶者がいる場合)を超えると支給の対象外になります。
住んでいる地域や住宅費用、またお子さんにかける教育費によっても、想像以上にお金を使ってしまう場合もあります。また、年収が高いと激務な場合もあり、それゆえに使ってしまうお金もあるでしょう。年収が高くても、きちんとマネープランを立てることは重要でしょう。
参考資料
国税庁 「令和2年分 民間給与実態統計調査」(https://www.nta.go.jp/publication/statistics/kokuzeicho/minkan2020/minkan.htm)
内閣府「児童手当制度のご案内」(https://www8.cao.go.jp/shoushi/jidouteate/annai.html)
文部科学省「高校生等への修学支援」(https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/mushouka/1342674.htm)
内閣府「子ども・子育て支援法及び児童手当法の一部を改正する法律案の概要」(https://www.cao.go.jp/houan/pdf/204/204_2gaiyou.pdf)
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