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国会図書館が「猫まみれ」のイベント開催へ!その驚きのワケとは

LIMO / 2022年3月6日 19時15分

国会図書館が「猫まみれ」のイベント開催へ!その驚きのワケとは

国会図書館が「猫まみれ」のイベント開催へ!その驚きのワケとは

国立国会図書館・関西館が2022年 2月17日(木) ~3月15日(火)(日曜・祝日を除く)の間、「結構毛だらけネコ本だらけ」と題した展示を行います。

国立国会図書館関西館所蔵の文献を活用して、「科学・生物学、ネコと人との文化・社会的な関わり、表現・創作物のモチーフといった観点」から猫のいろいろな姿に迫っていく内容です。

国会図書館が猫というような、一般にも親しみやすいモチーフを使った展示を行うのは比較的珍しいのですが、その理由について考察していきます。

国会図書館の入館方法は最も独特

Billion Photos/shutterstock.com

まず、国会図書館の基本的な利用方法が一般の図書館と比べてもハードルが高めです。

筆者が利用したことがある東京本館を例にとって説明すると、入館の段階からいくつかハードルがあります。

まず、最近は新型コロナウイルス対策のために、東京本館のみ、入館数制限があります。

抽選予約制のため、いきなり行っても利用できないので、注意しましょう。

国会図書館の東京本館に行きたい場合は、予定を抑えたうえで抽選予約を申し込みます。

関西館は予約不要で入館できます。

東京本館・関西館共に利用の際には入館登録が必要です。本人確認書類が必要になるので、必ず携帯しましょう。

既に登録利用者である場合は予約なしで入れる時間帯(土曜日を含む開館日の9時30分から11時までの時間帯と、土曜日を除く開館日の16時以降。

2022年2月23日時点)がありますので、2回目以降はこの時間帯を目指して行くと良いでしょう。

入館登録ができても油断してはいけません。

「館内に持ち込めるもの」が厳しく制限されているためです。

また、持ち込めるものは「透明なビニール袋」に納める必要があります。

持ち込めないもの

B5判以上の不透明な袋物(かばん・紙袋・封筒等)

コピー機・カメラ・ビデオ録画機・スキャナー等

刃物等危険物(カッター、かみそりの刃を含みます。)

傘(折り畳み傘も含みます。)

動植物

その他、資料の保全、館内の安全、良好な利用環境の維持等のため国立国会図書館が持込みを不適当と判断したもの。

例外的にパソコンは持ち込み可能ですが、取手付きのパソコンケースでの持ち込みは禁じられており、取手がないパソコンケースの貸出は対応してもらえます。

しかし、退館時にはケースの中身を必ず確認されるので、持ち込み不可の物を持ち込まないよう注意しましょう。

資料の貸し出し・セルフコピーは一切対応していない!

Elena Skripchenko/shutterstock.com

なぜ国会図書館の入館時にここまで厳重な対応が求められるのかというと、「資料の持ち出しを防ぐため」です。

この段階で大半の方は首をかしげるかもしれません。

国会図書館以外の図書館は1人当たりの冊数制限はあるにしろ、資料を館外へ貸し出してくれるものだからです。

しかし、国会図書館は資料の館外持ち出しが一切できないばかりか、「自分で本を探して持ってくる」ことすらできません。

館内で資料を閲覧するときは、「閲覧したい本の名前」などを指定して依頼し、カウンターで資料を受け取る形になります。

どうしても一部を外に持ち出したい場合は、複写サービスを利用することになります。

自分でコピーを取ることも禁じられているので、「この本」の「このページの範囲」を取りたい、と具体的に範囲を指定して申し込む必要があります。

範囲によっては「著作権法上の許容範囲」を超えることがあるので断られるケースもあります。

できるだけ必要最低限の範囲で申し込みましょう。

ちなみに、複写サービスもそれなりに待ち時間があるので、時間に余裕をもって申し込むのがおすすめです。

メリットとしては、プロがしっかりきれいに複写してくれるので、自分でコピーするよりもクオリティが高いことです。

なお、ここまで厳密に「利用者に蔵書をできる限り触らせず、持ち出させない」対応をする理由は、国会図書館の蔵書量と、その蔵書の希少性によります。

地方紙の過去分や、マイナーな論文誌など「国会図書館にしかない資料」が非常に多くあり、そうそう気軽に持ち出されると困るのでしょう。

実際、持ち出しを許可している地方自治体の図書館の公式サイトには「汚損時の弁償基準」というようなページが必ずありますし、図書館に行くとたまに「ギリギリ読める状態の本」にも出合うことがあります。

これらは「持ち出しできる」メリットの裏返しでもあるのです。

国会図書館がなぜ人を呼ぶイベントを行うのか

最後に、冒頭の国会図書館が「猫イベント」を行う理由に立ち返りたいと思います。

猫イベントを行っていたのは国会図書館の「関西館」ですが、国会図書館は東京本館・関西館合わせると「最も蔵書数が多い図書館」です。

蔵書数は4560万9602点(国内・国外合わせて)となっており、他の追随を許しません。

一方、日当たりの来館者数は、東京本館:695人・関西館:249人となっており、1200名/日の入館制限をしている東京本館も平均としては1200名を超えていないことがわかります。

特に、関西館は東京本館の半分以下なので、何かの形で集客を検討したいと考えるのも自然です。

そして、猫モチーフといえば、学内広報誌『淡青』の特集が公表のため単行本化した『猫と東大。』という前例もあります。

「猫に関する研究・教育、猫を愛する構成員、猫にまつわる学内の美術品まで取り揃えて紹介」しており、文系から理系まで幅広い読み物が楽しめます。

前例があるテーマで集客が見込めるのであれば実行するしかない!となるのも自然ではないでしょうか。

ただ、猫はどんな形でもかわいいので、展示を楽しむときは下衆の勘繰り抜きで、ありのままに楽しみたいものですね。

参考資料

国立国会図書館「第29回 関西館資料展示「結構毛だらけネコ本だらけ」」(https://www.ndl.go.jp/jp/event/exhibitions/kansai_202202.html)

国立国会図書館「東京本館における抽選予約制による入館制限のお知らせ(申込フォーム)」(https://form.ndl.go.jp/form/pub/ndl6/news_reservation_jp)

国立国会図書館「東京本館利用の流れ」(https://www.ndl.go.jp/jp/tokyo/flow/index.html)

国立国会図書館「2022年2月16日 東京本館の入館制限について(2/19から)」(https://www.ndl.go.jp/jp/news/fy2021/220216_03.html)

港区立図書館「図書館から借りた資料を無くした、汚した場合」(https://www.lib.city.minato.tokyo.jp/j/guide2-8.html)

国立国会図書館「統計」(https://www.ndl.go.jp/jp/aboutus/outline/numerically.html)

『猫と東大。:猫を愛し、猫に学ぶ』(https://www.amazon.co.jp/%E7%8C%AB%E3%81%A8%E6%9D%B1%E5%A4%A7%E3%80%82-%E7%8C%AB%E3%82%92%E6%84%9B%E3%81%97%E3%80%81%E7%8C%AB%E3%81%AB%E5%AD%A6%E3%81%B6-%E6%9D%B1%E4%BA%AC%E5%A4%A7%E5%AD%A6%E5%BA%83%E5%A0%B1%E5%AE%A4/dp/4623089312)

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