1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 経済
  4. 経済

定年退職の春。リタイヤした65歳以上の貯蓄額平均はいくらぐらいか

LIMO / 2022年3月12日 17時50分

定年退職の春。リタイヤした65歳以上の貯蓄額平均はいくらぐらいか

定年退職の春。リタイヤした65歳以上の貯蓄額平均はいくらぐらいか

3月末を定年退職とする企業もあります。また公務員では一斉に3月末に退職を迎えることから、第2の人生に向けて舵を切る方が多い季節です。

働き盛りの方たちは、定年後の生活についていろいろなイメージを持たれていると思います。

できるだけ仕事を続けたいと思う方や、ペースを落としつつ働きたいと思う方、完全にリタイヤして趣味を謳歌したい方などさまざまでしょう。

そこで今回は、65歳以上の貯蓄額平均について見ていきたいと思います。

他人の貯蓄事情を見ても貯蓄は増えませんが、長期のマネープランを立てる上では参考になるポイントがあるかも知れません。

さっそく見ていきましょう。

65歳以上「リタイヤ組」みんなの貯蓄額はいくらか

まずは総務省統計局の「家計調査報告(貯蓄・負債編)-2020年(令和2年)平均結果-(二人以上の世帯)」から、65歳以上・無職世帯の貯蓄額について見ていきます。

65歳以上・無職世帯(二人以上世帯)の現在貯蓄高

平均値:2324万円

中央値:1555万円

後述しますが、老後には2000万円が必要と言われることがあります。

平均では2000万円をクリアしていますが、中央値では下回っていますね。どちらを参考にすればいいのでしょうか。

一般的に、貯蓄額などの平均をとると「一部の大きな値に引っ張られる」という傾向があります。

中央値は値を小さい順に並び替えたとき中央に来る数字を指すため、より実態に近い数字とされています。

つまり、65歳以上の無職世帯では、貯蓄額は1555万円というのが事態に近い金額となります。

より具体的にわかるよう、保有額ごとの人数分布も確認しましょう。

世帯主が65歳以上の世帯の貯蓄現在高階級別世帯分布
(二人以上の世帯)

100万円未満:7.9%

100万~200万円:4.0%

200万~300万円:3.5%

300万~400万円:3.7%

400万~500万円:3.3%

500万~600万円:3.8%

600万~700万円:3.4%

700万~800万円:3.2%

800万~900万円:2.9%

900万~1000万円:2.5%

1000万~1200万円:5.7%

1200万~1400万円:4.5%

1400万~1600万円:4.5%

1600万~1800万円:3.1%

1800万~2000万円:3.3%

2000万~2500万円:8.3%

2500万~3000万円:6.4%

3000万~4000万円:8.7%

4000万円以上:17.3%

分散されてはいるものの、一番多いのは4000万円以上の17.3%、次いで多いのが3000万~4000万円の8.7%です。

このことから、65歳以上世帯では2000万円をクリアする世帯が多いことがうかがえます

「老後資金は2000万円」の真偽

ここで老後は2000万円が必要になると言われることになった、「老後2000万円問題」についておさらいしましょう。

出所:金融審議会「市場ワーキング・グループ」

根拠となった金融審議会の「市場ワーキング・グループ」では、2000万円の内訳は下記のとおりとなっています。

高齢夫婦の無職世帯

実収入は20万9198円

実支出は26万3718円

老後を30年続くと想定

この結果、月々の赤字が30年続くことで、約2000万円が必要になるとされたのです。

この計算根拠をみて、どのような印象を持たれるでしょうか。

老後の生活費に26万円もかからないと思った方や、年金で20万円ももらえないと感じた方など、様々だと思います。

またこちらの支出には2017年の家計調査が使われていますが、内訳を確認すると住居費用が1万円台になっています。

実際に賃貸に住んでいる方で、家賃が1万円台の方はほとんどいないでしょう。

調査対象に持ち家の方が含まれるため、平均値が0円に引っ張られたと考えられます。

今後も賃貸に住む方は、家賃分を上乗せして考える必要があります。また介護状態になったときを想定して、介護費用も上乗せできればさらに安心です。

生命保険文化センターによると、月々の介護費用は月額平均8.3万円。また介護期間の平均は5年1カ月となっています。

介護の始まりにかかるとされる一時金74万円も足し合わせると、単純計算で約580万円にものぼります。

夫婦2人なると1000万円を超えるということに。

全員が同じ介護プランで過ごすわけではないので、実際には個人差が出るでしょう。しかし、今後の長寿社会を考えると介護費用を見過ごすわけにはいきません。

老後資金はどう準備する?

仮に先ほどの2000万円に加えて、家賃と介護費用を上乗せするとします。

家賃が6万円としても、家賃だけで2160万円。夫婦2人分の介護費用を1000万円と見込めば、合計で5160万円になってしまいます。

気の遠くなるような金額に感じますよね。

これらは退職金だけでまかなうことができないため、現役時代からコツコツ貯める必要があります。

まずは目標額を明確に

貯めるにはモチベーション維持が重要なので、月々にいくら積み立てるかシミュレーションし、短期的な目標に落とし込みましょう。

実際に必要となる資金は個々で異なります。また収入源である年金の目安額は、ねんきんネットで確認することもできます。

月にいくら貯める必要がわかれば、次のステップとして資金の準備方法を検討しましょう。

資金の準備方法を選ぶ

すでにリタイヤを迎えた65歳以上の方は、銀行に預けておくだけでお金が増えるという時代に貯蓄を進めてきました。

しかし現在は、低金利時代。預けるだけではお金を増やすことができません。

またインフレが進むことにより、貯めたお金の価値が下がるリスクもあります。

こうしたリスクを分散させるためにも、一定の割合を資産運用に回すという視点も必要となります。

もちろん資産運用には、銀行預金にない「元本割れ」というリスクがあります。

そのため資産を資産運用に全振りすることはおすすめできません。とれるリスクの範囲をしっかり見極めた上で、お金を守りながら育てることを考えましょう。

さらに介護保険について触れましたが、今は民間の介護保険も販売されています。

預貯金だけで数千万円を貯めるのは難しいため、こうした資産運用・保険なども取り入れながら、しっかり準備を進めておきたいですね。

まとめにかえて

65歳以上の貯蓄平均は2324万円、中央値は1555万円でした。

また4000万円以上を保有する割合が一番多く、17.3%も占めています。

65歳以上は完全にリタイヤしなくとも、収入減となる可能性がとても高いです。定年に向けて、少しずつ準備を始めていきたいですね。

参考資料

金融審議会 市場ワーキング・グループ報告書「高齢社会における資産形成・管理」(https://www.fsa.go.jp/singi/singi_kinyu/tosin/20190603/01.pdf)

総務省統計局「家計調査報告(貯蓄・負債編)-2020年(令和2年)平均結果-(二人以上の世帯)」「Ⅲ世帯属性別にみた貯蓄・負債の状況」(https://www.stat.go.jp/data/sav/sokuhou/nen/pdf/2020_gai4.pdf)

生命保険文化センター「介護にはどれくらいの費用・期間がかかる?」(https://www.jili.or.jp/lifeplan/lifesecurity/1116.html)

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください