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中学受験は課金ゲーム?私立中に通う生徒の52.3%が年収1000万円世帯

LIMO / 2022年3月16日 17時50分

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中学受験は課金ゲーム?私立中に通う生徒の52.3%が年収1000万円世帯

一般的に世帯年収が1000万円以上ないと、中学受験は難しいと考えられています。

私立中学だと授業料があり公立よりお金がかかるから、というだけではありません。そもそも、私立中学を筆頭に試験を突破する必要があります。

合格するために小学3年生や4年生から塾通いを始めるので、毎月まとまった金額の教育費捻出が必須です。

さらに受験学年になると季節講習会の日数も増え、毎週のように模試を受けます。そうなると必然的に塾代は増えるので、家計に余裕がないと中学受験に参加することも難しくなります。

そうした経済的負担に耐えられそうな年収として「1000万円」が大きくクローズアップされています。

それでは、本当に世帯年収1000万円以上なければ中学受験は無理なのでしょうか。

課金ゲームと揶揄される中学受験

文部科学省の「平成30年度子供の学習費調査」の「世帯の年間収入段階別、項目別経費の構成比」によると、私立中学校に通う生徒の世帯年収の割合は以下の通りになります。

400万円未満:3.9%

400万円~599万円:7.2%

600万円~799万円:16.8%

800万円~999万円:19.8%

1000万円~1199万円:16.8%

1200万円以上:35.5%

つまり1000万円以上の世帯は全体の52.3%と過半数を占めていることになります。一方、公立中学校では以下のような数値となっています。

400万円未満:14.2%

400万円~599万円:26.1%

600万円~799万円:25.4%

800万円~999万円:18.7%

1000万円~1199万円:10.1%

1200万円以上:5.4%

公立中学に通う生徒のうち、世帯年収1000万円以上の割合は15.5%。その差は歴然です。

世間で「中学受験は課金ゲーム」と揶揄される通り、私立中学に通わせるには高所得世帯の方が圧倒的に有利なのはデータからも明らかです。

通塾費用、入学後の経費などを考えれば当然のことですが、一方で600万未満の家庭の子も11.1%おり「絶対に無理」とはいえないです。

中学受験で教育費を節約することは可能か

600万円未満世帯の子が皆無ではないものの、やはり金銭面でも私立中への道は平坦ではありません。

私立中学の場合、入学金を始めとする初年度の納付金額は学校によって異なります。東京都が昨年12月に発表した「令和4年度 都内私立中学校の学費の状況」をみると、東京の私立中学の初年度納付金(総額)平均額は97万8420円です。

出所:東京都「令和4年度 都内私立中学校の学費の状況」

ただし、最高額は189万6500円(玉川学園中等部IBクラス)そして一番安いのは54万8000円(八王子実践中)と幅が広いです。

公表されている金額から言えることは、「東京の私立中学」を目指すのであれば初年度に最低でも約55万円が必要だということです。

通塾費だけではなく晴れて合格し、いざ通うとなると学校に納付するお金はかなりの金額になります。世帯年収600万円未満ではやはり厳しいものがあります。

それでは、塾代を節約するために塾に全く通わず自宅で1人で黙々と受験勉強に励めば済むのかと言われれば、それも難しいです。

塾では人気のある中学や難関中はその学校に特化したクラスが編成され、ライバルと切磋琢磨しながら志望校の入試対策が行われます。

完全に独学ノー塾で中学受験に挑戦し合格を掴み取るのは至難の業。日頃から節約を心がけ志望校の授業料や経費などを詳しくチェックし、場合によっては志望校を変更する。こうした対策をしていかないと、「私立中に行きたい」を実現することが叶いません。

周囲に流されず現実を見る

中学受験が盛んな地域に住んでいると、周囲の子が中学受験のため塾通いをしているのも珍しくありません。それまで受験を考えていなくても流されて「うちも挑戦させてみようかしら」と軽い気持ちで足を踏み入れてしまうのは避けましょう。

言葉は良くないものの、中学受験が「課金ゲーム」と呼ばれるのは教育費をしっかりコントロールしなければ湯水のように出ていってしまうからです。

文部科学省の調査からも、私立中に通う生徒の過半数が1000万円以上の世帯であるという事実と向き合い、塾代や合格後の納付金をしっかり調べることが肝要です。

受験を考えているけれど家計的に厳しい時は通塾を小学5年と6年の2年間のみにする。その場合は家庭で計画を立て小学4年生まで基礎学力や応用力を身につけておくなど対策の徹底が求められます。

先には大学進学が待ち受けており、さらに教育費もかかってきます。目の前の中学受験だけではなく「この先10年の教育費」を考慮していきましょう。

参考資料

文部科学省「平成30年度子供の学習費調査」「世帯の年間収入段階別、項目別経費の構成比」(https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?page=1&layout=dataset&toukei=00400201&tstat=000001012023&cycle=0&tclass1=000001135827&tclass2=000001135828&tclass3=000001135833&stat_infid=000031894274&tclass4val=0)

東京都「令和4年度 都内私立中学校の学費の状況」(https://www.metro.tokyo.lg.jp/tosei/hodohappyo/press/2021/12/08/08.html)

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