ワーママの9割が「時間に追われる…」育児中の女性が働き始める前に浮かび上がるいくつもの課題とは
LIMO / 2022年3月15日 14時50分
ワーママの9割が「時間に追われる…」育児中の女性が働き始める前に浮かび上がるいくつもの課題とは
この春から職場復帰をしたり、新たに仕事をはじめる育児中の女性もいるでしょう。復帰前に心配なのが「仕事と育児・家事の両立」。共働きが主流の現代でも、仕事と家庭の両立は女性の悩みの一つです。
少し前の調査になりますが、『女の転職type』が2021年5月14日~5月27日に女の転職type会員666名(ワーママ26.4%・ワーママ以外73.6%)に行った「第27回 ワーママってどう? 」によれば、ワーママの大変なこととして約9割が「時間に追われる」と答えています(2021年6月23日公表)。
新年度がはじまる今、ワーママのリアルな悩みと復帰前の課題を見ていきましょう。
「ワーママが時間に追われる」は女性共通の認識
同調査より、「ワーママって大変(大変そう)と思うことは?」に対するワーママとワーママ以外の回答を確認します。
9割のワーママが最も大変と答えたのが「時間に追われる」ことでした。ワーママ以外も8割が「時間に追われる」を挙げており、ワーママの時間がないことは女性共通の認識だと分かります。
朝は家事や自分の身支度のほかに、子どもにご飯をあげて登園準備をし、時には「行きたくない」と泣く子を連れてなんとか園へ送迎。
仕事が終われば子どもを迎えに行き、夕食の準備に片付け、お風呂、明日の準備、寝かしつけと終わりのない家事・育児。周囲の協力体制にもよりますが、自分の時間が取れないワーママが多いでしょう。
2位は「周囲に気を遣わせる」で56.3%でした。子どもは急に熱を出しますし、一度熱を出せば何日間も看病が必要です。園や小学校の行事は平日に行なわれることもあり、勤怠が乱れることに罪悪感を感じる女性は多いでしょう。
また、「給料が上がりにくい」と感じるワーママは48.9%とおよそ半分でした。産休や育休明けに昇進や出世コースから外れる「マミートラック」に悩むことも珍しくないでしょう。
ワーママになる前に浮かび上がる「いくつもの課題」
仕事をすることは当たり前のようですが、育児中の女性にとってはまだ当たり前とは言い切れないでしょう。
子育て家庭で男性が働く場合、「解決しなければならない課題」は基本的に少ないですが、女性が働き始める場合にはさまざまな課題があります。
たとえば、子どもをどこに預けるか。預けるためにはいくらかかるのか。送迎や行事への参加はどうするか。仕事をする分、家事・育児はどうするのか。また、多くの方が悩むのが、子どもが熱を出した場合に誰が看病するのかです。
この春働き始める方は、既にこれらの課題に対して対策をとられていると思いますが、急な看病に対しては対策を取りにくいものです。仕事と育児の両立のハードルが高く、諦めてしまう方もいるでしょう。
一方で、同調査によればワーママの34.7%、ワーママ以外の18.3%が現在の仕事について満足だと答えています。ワーママ以外と比べると、ワーママの方が約2倍仕事に満足しているのですね。
産後の女性には専業主婦やワーママ(フルタイムやパートなど)とさまざまな選択肢があり、「専業主婦になりたい」と思う人もいれば、「好きな仕事を続けたい」という女性もいます。どの選択肢も問題なく選べるようになるといいですね。
子育て家庭を支えてくれる「幼保無償化」
子育て家庭を支えてくれる一つの制度として、幼保無償化があります。
幼保無償化では、「満3歳になった後の4月1日~(※)小学校入学前までの3年間」(※幼稚園は入園できる時期に合わせて満3歳から)、保育料が原則無料になります(子ども・子育て支援新制度の対象とならない幼稚園は月額2.57万円まで。また通園送迎費、食材料費、行事費などは保護者負担など諸条件あり)。
3~5歳クラスの「幼稚園の預かり保育」についても、「保育の必要性の認定」を受ければ、最大月額1.13万円まで無料になります。
筆者には子どもが3人いますが、1人目は幼保無償化前だったため、育児中の女性が仕事をするには毎月まとまったお金がかかることに疑問を感じたこともありました。幼保無償化に支えられる子育て世帯は多いでしょう。
一方で2022年3月8日、参院予算委員会が2022年度予算案に関して有識者から意見を聞く中央公聴会を開き、その中で慶応大の中室牧子教授が幼児教育無償化について「財政状況が極めて厳しい中、高所得世帯ほど手厚い再分配となっている」とし、必要な人に必要な分だけの助成を届ける「プッシュ型支援」の実現を訴えたと各種メディアで報じられました。
これを受けて、幼保無償化に所得制限が導入される流れになるのではと一時SNSで話題に。今後の見通しはまだ分かりませんが、所得制限が導入されれば働くことをためらう女性がでるとも考えられます。
ワーママは大変ですが、先ほど見たように仕事に満足しているワーママも多いと分かります。今後、幼保無償化がどうなるか分かりませんが、子育て家庭あっても性差なく働きやすい環境が整えられていくと良いですね。
参考資料
内閣府「幼児教育・保育の無償化について」(https://www8.cao.go.jp/shoushi/shinseido/musyouka/about/index.html)
PRTIMES「ワーママの9割が「時間に追われる」ことが大変と回答!ワーママ以外の約4割がワーママの「時短勤務」がうらやましいと回答/ワーママとワーママ以外の意識調査『女の転職type』」(https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000306.000012506.html)
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
「女性の転職」家事育児で頑張った経験がビジネススキルに評価! 面接で訴えるコツは?/リクルート・熊本優子さん
J-CASTニュース / 2024年11月29日 19時27分
-
こども家庭庁 企業主導型ベビーシッター支援制度の利用実態~現代の働き方や子育てニーズへの対応を求める声~〈キッズライン調査レポート〉
PR TIMES / 2024年11月27日 16時45分
-
【勤労感謝の日特集】仕事と家事・育児の両立に限界を感じている母親が72% Antway調査
PR TIMES / 2024年11月8日 14時6分
-
女性の「無償労働」は、なぜ減らない? 共働き家庭が増えても夫の「5倍」家事をこなす妻たち
オールアバウト / 2024年11月5日 22時5分
-
1歳から10歳までの5男2女の大家族支えるユーチューバーママに密着 FODで新たな家族奮闘記が配信
ORICON NEWS / 2024年11月1日 18時0分
ランキング
-
1《総フォロワー500万人のインフルエンサー》なな茶がイベント“ファンの大量ドタキャン”に怒りの告白「すべて出禁にさせていただく」「“グラビアなんかしてるから”と心無いコメントも」
NEWSポストセブン / 2024年11月30日 11時15分
-
2ついに「スタバ離れ」がはじまった…カスタマイズするほど長くなる注文の"意外な落とし穴"
プレジデントオンライン / 2024年11月30日 9時15分
-
3路上ライブは「グレーな文化」として容認すべきか 「迷惑行為」「アーティストとしての表現」境界線
東洋経済オンライン / 2024年11月30日 8時51分
-
4【独自】政府、子育て支援贈与税制廃止へ 1千万円非課税、利用低調
共同通信 / 2024年11月30日 17時7分
-
5【独自】セブン専門店の事業分離案 非中核の雑貨やベビー用品
共同通信 / 2024年11月30日 22時15分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください