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年収400万円「ふつうの世帯」本当の貯蓄はいくらか。平均と中央値の金額とは

LIMO / 2022年3月16日 5時20分

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年収400万円「ふつうの世帯」本当の貯蓄はいくらか。平均と中央値の金額とは

年収400万円というとみなさんどんなイメージがありますか。自分より多い・少ない人それぞれだと思います。少し前の調査になりますが、厚生労働省の「2019年国民生活基礎調査」によると、日本の世帯の所得の中央値は437万円だそうです。世帯での年収400万円台というのが日本の「ふつうの世帯」といえますね。

世帯年収400万円といっても、独身・既婚・子育て中など状況はひとそれぞれ。貯蓄の状況も変わってきます。今日はそんな日本の「ふつうの世帯」の貯蓄事情を眺めていきます。

年収400万円台の世帯、みんなの貯蓄・負債は?

それでは、総務省統計局の「家計調査報告(貯蓄・負債編)-2020年(令和2年)」から、年収400万円台前半と後半のお財布事情をみていきます。

年収400万円台前半(400~450万円)

平均年収:423万円

世帯人員:3.23人(うち18歳未満人員0.87人)

世帯主の年齢:50.6歳

女性の有業率:39.4%

平均貯蓄額:911万円

平均負債額:555万円(うち「住宅・土地のための負債」508万円)

純貯蓄額:911万円(貯蓄)-555万円(負債)=356万円

年収400万円台後半(450万~500万円)

平均年収:474万円

世帯人員:3.05人(うち18歳未満人員0.81人)

世帯主の年齢:50.1歳

女性の有業率:49.5%

平均貯蓄額:813万円

平均負債額:601万円(うち「住宅・土地のための負債」560万円)

純貯蓄額:813万円(貯蓄)-601万円(負債)=212万円

年収400万円台世帯の貯蓄は813~911万円、年収の約2倍の貯蓄ができています。世帯主の年齢は平均50歳で、18歳未満の世帯人員がいるという世帯が多く、まだこれから大学などの学費がかかってきそうですね。

女性の有業率は400万円台前半から後半になるにつれ、約4割から約5割に増えています。世帯年収のアップには女性の有業率も関わっています。

負債のほとんどは住宅ローンになっています。世帯主の年齢が50歳ということから、多くの方が老後として考える65歳まであと15年ほどです。現状の貯蓄が教育費のためという場合は、老後に向けての貯蓄も必要になってきそうですね。

「ふつうの世帯」のリアルな貯蓄額「中央値」はいくら?

年収400万円世帯の平均貯蓄が年収の倍、800~900万円という結果をながめてきました。自分と比べ、貯蓄が多いと思った方もいらっしゃるでしょう。

平均額は一部の大きな金額に引っ張られる傾向があります。ここからは、より実態に近い中央値をみていきましょう。

金融広報中央委員会の「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査] 令和2年(2020年)調査結果」から、年収300~500万円未満世帯の貯蓄を確認していきましょう。
※この結果には、年収300万円台世帯も含まれますが、平均とともに中央値も載っているので参考までに確認しましょう。

【年収300~500万円未満世帯】(金融資産非保有世帯を含む)

貯蓄平均1079万円・中央値420万円

金融資産非保有:17.9%

100万円未満:8.4%

100万円~200万円未満:7.3%

200万円~300万円未満:7.8%

300万円~400万円未満:4.9% 

400万円~500万円未満:5.5% 

500万円~700万円未満:7.4%

700万円~1000万円未満:6.4% 

1000万円~1500万円未満:8.8%

1500万円~2000万円未満:6.5% 

2000万円~3000万円未満:8.5% 

3000万円以上:8.4%

無回答:2.3%

平均は先ほどの貯蓄平均800~900万円と近い約1000万円ですが、中央値は420万円まで下がりました。より実態に近い貯蓄は400万円くらいということがわかりました。貯蓄額の分布で最も多いボリュームゾーンは金融資産ゼロ世帯の17.9%でした。

それとほぼ同じ、16.9%いるのは貯蓄2000万円以上の世帯。同じ年収間でも貯蓄が二極化している現状がわかりました。

「ふつうの世帯」が貯蓄を増やす方法は?

おなじ年収間でも貯蓄の格差がうまれていますね。もちろん家族構成なども大きな要因になっていますが、どんな方法で貯蓄をしているのかによっても変わってきます。

例えば、毎月2万円を20年間積立てした場合、利回りの違いによってどれくらい差が生まれてくるのかみてみましょう。メガバンクの普通預金が0.001%となりますので、貯金をした場合と、資産運用をして年5%の利回りで運用できた場合を比較してみます。(金融庁資産運用シミュレーションにて試算)

毎月2万円を20年間

想定利回り0.001%:480万478円

想定利回り5%:822万673円

期間をさらに伸ばすと金額の差はさらに大きくなってきます

毎月2万円を30年間

想定利回り0.001%:720万1077円

想定利回り5%:1664万5173円

資産運用には高いリターンが期待できる反面、元本保証がないなどのリスクもあります。メリット・デメリットを理解して始めるといいでしょう。つみたてNISAやiDeCoなど国が後押しをしている資産運用の制度もあります。まずは情報収集から始めてみましょう。「ふつうの世帯」もお金にはたらいてもらうことで、貯蓄を増やしていけるかもしれませんよ。

参考資料

厚生労働省「2019年 国民生活基礎調査の概況」(https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/k-tyosa/k-tyosa19/index.html)

総務省統計局「家計調査(貯蓄・負債編)詳細結果表(2020年(令和2年))」(https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?page=1&layout=datalist&toukei=00200561&tstat=000000330001&cycle=7&year=20200&month=0&tclass1=000000330007&tclass2=000000330008&tclass3=000000330009&stat_infid=000032087774&result_back=1&tclass4val=0)

金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査] 令和2年(2020年)調査結果」(https://www.shiruporuto.jp/public/document/container/yoron/futari/2020/)

金融庁「資産運用シミュレーション」(https://www.fsa.go.jp/policy/nisa2/moneyplan_sim/index.html)

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