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日本は平均年収が30年以上変わっていない?年収400万円は全体のうち何パーセントか

LIMO / 2022年3月21日 5時20分

日本は平均年収が30年以上変わっていない?年収400万円は全体のうち何パーセントか

日本は平均年収が30年以上変わっていない?年収400万円は全体のうち何パーセントか

OECDのデータから紐解く世界と日本との賃金差

経済協力開発機構(OECD)が公表する世界の平均賃金データによると、日本の平均年収は35カ国中22位となっています。

これは、主要7か国(アメリカ・イギリス・フランス・ドイツ・イタリア・日本・カナダ)において下から2番目に位置します。

一時は「ジャパン・アズ・ナンバーワン(世界の頂点にいるも同然の日本)」とまで言われた日本の、低迷した年収事情について考えてみましょう。

「THE・平均年収」年収400万円は何割いる?

まずは、日本の平均年収を確認しておきましょう。
国税庁の民間給与実態調査統計では、令和2年の平均年収は433万円となっています。

この平均年収は正規雇用が496万円・非正規雇用が176万円と働き方による差はありますが、ここでは全体の平均として年収400万円超500万円以下の割合を出していきます。

年収400万円超500万円以下の割合

給与所得者の総数5245万人のうち、年収400万円超500万円以下に該当するのは764万3000人。割合にして14.6%です。

もっとも割合が多いのは年収300万円超400万円以下の913万人(17.4%)です。
このボリュームゾーンを含む年収400万円以下の人の割合は55.1%と半数以上にのぼります。

通常、国が衰退しないためには経済の成長が不可欠であり、経済成長にあわせて物価や賃金も上昇していくのが自然な成り行きです。

ところが過去30年間、平均年収が400万円から変わっていない。
これが日本の現状です。

世界の平均年収は?日本とどのくらいの差があるのか

日本とは対象的に、世界経済は成長をつづけています。

さきほどのOECDが調査する平均賃金のデータから、世界との年収格差をみてみましょう。

【図表】日本と世界で賃金を比較

【出典】OECD「平均賃金」

2020年の平均賃金トップはアメリカで、6万9392ドルです。
1ドル110円で日本円に換算した場合、約760万円の平均年収だと計算できます。

2位からはアイルランド・ルクセンブルグ・スイスなど北欧諸国が名を連ねており、この3カ国も6万ドル(約660万円)を超す平均年収のようです。

一方、日本は22位の3万8515ドルで、韓国の4万1960ドルとくらべても3445ドル(約38万円)低い年収水準となります。

日本は世界第3位の経済大国だといえば聞こえはいいですが、これから先も国民にとって「日本は豊かな国だ」といえるかは疑問が残りますね。

失われた30年はまだ終わっていない

終戦後、復興期の日本は世界も目をみはるスピードで高度成長を遂げました。

終身雇用・年功序列といった日本企業特有の雇用システムで、みんなが豊かな生活・豊かな老後を夢見て仕事に邁進していた時代でしょう。

ところが、1990年のバブル崩壊から、ついに日本は「失われた30年」をむかえました。

日本で生まれ育っていると年収400万円は一般的で、目に見えて貧しくなった実感はないかもしれません。

しかし、このまま現状を維持するだけでは年収400万円の価値はますます下がり、失われた40年を迎えても不思議ではありません。

年収400万円の暮らし。これからもできるのか

私がFPとしてお客様からお金の相談を受けていた頃、「銀行に振り込まれる金額は分かるんですけど、税金が引かれる前の年収はみてません」とおっしゃる方が多くいました。

税金・年金保険料・健康保険料などの名目で、給与から約20%程度が天引きされています。

既婚か独身かにもよりますが、年収400万円の手取り額はざっくり320万円程度と思ってよいでしょう。

320万円を単純に12カ月で割ると月26.6万円ほど収入がある計算になります。

この普段気に留めていない約20%の天引きですが、少子高齢化や非正規雇用の増加などで社会保障の財源が確保できなくなれば国民負担が増えるのは避けられません。

税率の引き上げ、各種保険料の引き上げなどで給与からの天引きが約25%になれば手取りは300万円に減少します。

さらに天引きが約30%になれば自由に使えるお金は約280万円(月23.3万円)にまで下がる可能性もあります。

手取りで280万円を逆算して現在の約20%天引きにあてはめると、年収350万円の人と同程度の水準ということになります。

『見た目は同じ「年収400万円」なのに生活が貧しくなる』という未来は、現実的に起こりうるものです。

また、自由に使えるお金から物を買ったり食事を楽しんだりするわけですが、そこにも消費税増税が待ち受けていると考えておく方が無難でしょう。

いまからでも出来るお金の使い道や、資産を守る方法について、一度真剣に考えておいたほうが良いかもしれません。

参考資料

OECD主要統計「平均賃金」(https://www.oecd.org/tokyo/statistics/)

国税庁「令和2年分 民間給与実態調査統計」(https://www.nta.go.jp/publication/statistics/kokuzeicho/minkan2020/minkan.htm)

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