大学に入学したらかかる「リアルな4年間の在学費用」みんなの教育費の捻出方法は?
LIMO / 2022年3月22日 14時50分
大学に入学したらかかる「リアルな4年間の在学費用」みんなの教育費の捻出方法は?
もうすぐ大学の入学式。無事にお子さんの進学する大学が決まり、ホッとされた方も多いでしょう。
一方で、親として気になるのは大学の学費です。教育費の中でも最も大金となることが多い大学費用の支払いがスタートしますね。
実際に大学費用は平均でどれくらいかかるものなのでしょうか。今回は2021年12月20日に公表された日本政策金融公庫の「令和3年度 教育費負担の実態調査結果」より、大学4年間の学費を国公立と私立(文系・理系)に分けて確認します。
受験~入学までの子ども1人あたりの平均費用は?
日本政策金融公庫の調査より、まずは国公立と私立に分けて、入学の際にかかる費用を確認しましょう。
国公立大学
学校納付金:28万6000円
受験費用:27万7000円
入学しなかった学校への入学納付金:10万8000円
合計:67万2000円
私立大学(文系)
学校納付金:40万6000円
受験費用:31万3000円
入学しなかった学校への入学納付金:9万9000円
合計:81万8000万円
私立大学(理系)
学校納付金:46万6000円
受験費用:32万2000円
入学しなかった学校への入学納付金:10万円
合計:88万8000万円
※「受験費用」とは、受験したすべての学校・学部にかかるもの。受験料や受験のための交通費・宿泊費。
※「学校納付金」とは、入学金、寄付金、学校債など、入学時に学校に支払った費用
入学費用は国公立で67.2万円、私立大学で80万円台という結果になりました。
上記には入学しなかった学校への入学納付金等も含まれていますので、ご家庭によってはさらにかかる場合もあるでしょう。
これ以外にもかかるのが、自宅外通学の場合は引っ越し代金やアパートの初期費用、家具・家電の購入費用です。
同調査によると、自宅外通学を始めるための費用(アパートの敷金や家財道具の購入費など)は、入学者1人当たり平均38.7万円でした。
自宅外通学の場合は、入学の際に100万円以上かかります。
大学4年間の在学費用はいくらか
それでは次に、4年間の在学費用を確認しましょう。
国公立大学
学校教育費:96万6000円
家庭教育費:6万9000円
合計:103万5000円
4年間:414万円
私立大学(文系)
学校教育費:145万2000円
家庭教育費:6万8000円
合計:152万円
4年間:608万円
私立大学(理系)
学校教育費:172万4000円
家庭教育費:10万7000円
合計:183万2000円
4年間:732万8000円
※「学校教育費」とは、授業料、通学費(通学定期代、通学用の自動車の燃料費や維持費など)、その他の学校教育費(教科書・教材費、学用品の購入費、施設設備費など)。
※「家庭教育費」とは、補習教育費(学習塾・家庭教師の月謝、通信教育費、参考書・問題集の購入費など)と、おけいこごとにかかる費用。
国公立でも4年間で414万円、私立文系では608万円、私立文系では約732万円にもなりました。
入学~4年間の在学費総額は以下の通り。
入学費用+4年間の学費
国公立:67.2万円+414万円=481.2万円
私立文系:81.8万円+608万円=689.8万円
私立理系:88.8万円+732.8万円=821.6万円
これに加えて、自宅外通学者へ仕送りするを場合、年間平均は95万8000円(月額7万9000円)です。仕送り費用だけでも4年間で383万2000円と、およそ400万円の上乗せになります。
上記は子ども1人の金額なので、きょうだいがいれば2倍、3倍となるでしょう。
気になるみんなの教育費の捻出方法は?
大学費用は確認してきた通り大金なため、お子さんが小さな頃から学資保険や貯金などでコツコツと準備される方が多いと思います。
ただ、同調査では新型コロナウイルス感染症の拡大によって、子どもの進路などに影響があったと答えた方は89.2%。
具体的には「自宅以外からの通学をやめて自宅から通学することとなった」(22.3%)「学校を変更した」(21.5%)「海外留学をあきらめた(または、海外留学中であったが学校を退学・休学した)」(17.7%)「進学をあきらめた(または、在学中の学校を退学・休学した)」(12.0%)といった影響が出ています。
今回のコロナ禍のように、さまざまなトラブルにより進学へ影響が出る方もいるでしょう。
同調査より、みんなの教育費の捻出方法を確認します。
節約や子どものアルバイト、共働きや働く時間を増やすといったほか、奨学金や国の教育ローンなどを利用しているご家庭もあるようですね。また、旅行・レジャー費や外食費などを節約されているご家庭も多いようです。
お子さんの希望と将来のためにも、さまざまな方法で大学費用を捻出したいと思う方は多いでしょう。今は奨学金や教育ローン、また大学無償化制度もあります。
早いうちから教育費に備えつつ、有事の際には情報収集をしたり、実際に相談に行ったりして、使える制度がないか確かめましょう。
参考資料
日本政策金融公庫「令和3年度教育費負担の実態調査結果」(https://www.jfc.go.jp/n/findings/pdf/kyouikuhi_chousa_k_r03.pdf)
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