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【労働基準法】労働時間の規制や三六協定を解説!時間外労働の賃金請求2つの方法とは

LIMO / 2022年3月29日 19時35分

【労働基準法】労働時間の規制や三六協定を解説!時間外労働の賃金請求2つの方法とは

【労働基準法】労働時間の規制や三六協定を解説!時間外労働の賃金請求2つの方法とは

労働基準法は、多くの働く人にとって重要ではあるものの、意外とその中身をしっかり理解している人は少ないのではないでしょうか。

そこで今回は、労働基準法の中でも特に重要な労働時間の規制について解説していきます。また、割増賃金や時間外労働に対する賃金請求の2つの方法についても紹介します。

労働基準法とは

労働基準法とは、労働者と使用者との間の最低限の労働条件を定めるものです。最低限の労働条件を定めるものであるため、労働基準法が定める労働条件に達しない労働条件を労使間で定めても無効となり、労働基準法が定める労働条件が適用されることとなります(労働基準法第13条)。

1週間40時間・1日8時間の原則

多くの労働者にとって非常に関りが深い労働基準法上の規定の一つに、労働時間規制(労働基準法第32条~第41条)があります。

使用者は、原則、労働者に、1週間に40時間を超えて働かせてはならず、また、1日については8時間を超えて働かせてはいけないこととなっています(労働基準法第32条1項・2項)。

【1週間40時間・1日8時間の原則】例外となるケースとは

ここからは、1週間40時間・1日8時間の原則の例外のケースを紹介していきます。

⑴ 管理監督者への労働時間規制の適用除外

「事業の種類にかかわらず監督若しくは管理の地位にある者」(管理監督者)は、労働時間規制の適用が除外されることとなります(労働基準法第41条第2号)。ただし、管理監督者と認定される要件は裁判例上厳格に解されており、多くの事業場において管理監督者と認定されるべきでない労働者が1週間40時間・1日8時間との労働時間規制を超えて働かされている場合があります。

⑵ 月又は年単位の変形労働制

1週間40時間・1日8時間の原則に対し、月又は年単位の変形労働時間制という例外規定が置かれています(労働基準法第32条の2、第32条の4)。

変形労働時間制につき有効な定めが置かれている事業場においては、月又は年単位で平均して1週間当たりの労働時間が40時間を超えていなければ、ある特定の週において40時間を超えて、又はある特定の日において8時間を超えて労働させても労働基準法第32条1項・2項に違反しないこととなります。
  
ただし、変形労働時間制には、使用者の恣意的な運用を許さないよう、有効とされるための手続きには厳しい要件が裁判例上課されています。多くの事業場において無効な変形労働時間制が適用されている場合があります。

⑶ フレックスタイム制

また、変形労働時間制のもう一つの類型としてフレックスタイム制(労働基準法第32条の3)があります。

フレックスタイム制は、労働者に始業時刻・終業時刻を決定させ、一定の期間について平均して1週間当たりの労働時間が40時間を超えていなければ、ある特定の週において40時間を超えて、又はある特定の日において8時間を超えて労働させても労働基準法第32条1項・2項に違反しないというものです。

ただし、フレックスタイム制においても、有効とされるための手続要件がありますので、事業場においては無効なフレックスタイム制が適用されている場合があり得ます。

⑷ 裁量労働制

また、労働基準法第32条1項・2項の例外として、専門業務型・企画業務型裁量労働制(労働基準法第38条の3、第38条の4)があります。厚生労働大臣が指定する特定の業務(専門業務)や企画、立案、調査及び分析の業務で労働者の裁量に委ねる必要性がある業務(企画業務)において、実際の労働時間が1週間40時間・1日8時間を超えていたとしても、あらかじめ定められた一定時間労働したものとみなされる制度です。

ただし、かかる裁量労働制は、対象業務が限られており、また、手続要件も厳格なものとなっているため、事業場においては無効な裁量労働制が適用されている場合があり得ます。

三六協定

1週間40時間・1日8時間の原則が適用されつつ、延長して労働させることができる(残業させることができる)制度として、労働者の過半数で組織する労働組合(それがない場合は労働者の過半数を代表する者)との間で締結し行政官庁に届け出る三六協定(労働基準法第36条)があります。

三六協定により、使用者は、労働者に対し原則月45時間・年360時間を限度(労働基準法第36条4項)として、残業を命じることができることとなります。

1週間40時間・1日8時間を超える場合の割増賃金はいくらか

 ⑴ 原則

使用者が労働者に対し、1週間40時間・1日8時間を超える労働をさせた場合、通常の賃金を支払わなければならないことはもちろん、その2割5分以上の割増賃金を支払う必要があります(労働基準法第37条1項)。

また、かかる時間外労働が深夜(午後10時~翌午前5時)にわたる場合は、深夜に働かせた時間についてはさらに2割5分が上乗せされ、5割の割増賃金を支払う必要があります(労働基準法37条4項)。

⑵ 例外

上述した管理監督者や月又は年単位の変形労働制、フレックスタイム制、裁量労働制が有効に適用されている場合は割増賃金は発生しません。もっとも、各制度には厳格な有効要件が定められており、有効要件を欠いたまま支払うべき割増賃金が支払われていない場合がありますので、注意が必要です。

時間外労働に対する賃金請求の2つの方法

 ⑴ 労働基準監督署への相談

労働基準監督署は、使用者が労働基準法を遵守するよう監督し、使用者による労働基準法違反の疑いがある場合は、調査を実施。労働基準法違反が認められる場合は、使用者に対し労働基準法に従った対応をするよう是正勧告することが可能な行政機関となります。

そのため、時間外労働に対する賃金が支払われていないことが疑われる場合は、労働基準監督署への相談を検討すると良いでしょう。

 ⑵ 弁護士への相談

労働基準監督署は、時間外労働賃金の未払を是正するよう勧告はしてくれても、具体的な残業代請求までしてくれるわけではないので、使用者が適正な金額を支払うとは限りません。

是正勧告を受けた手前いくらかの金額は支払っても、十分な金額とは言えない場合があります。時間労働賃金は2年(令和2年4月1日以降は3年)の時効にかかってしまうこともあるため、時間外労働賃金の請求をしたいと考えている場合は、早急に弁護士に相談し、具体的な時間外労働賃金の請求を検討するのがいいでしょう。

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