1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 経済
  4. 経済

世帯収入1000万円以上世帯が半数!「私立中学」には年収いくらあれば子どもを通わせられるのか

LIMO / 2022年4月1日 14時50分

世帯収入1000万円以上世帯が半数!「私立中学」には年収いくらあれば子どもを通わせられるのか

世帯収入1000万円以上世帯が半数!「私立中学」には年収いくらあれば子どもを通わせられるのか

コロナ禍でむしろ面倒見の良さが際立った私立校。「できるだけいい教育を受けさせたい」と考える保護者にとって、中高一貫校は魅力的な教育環境だといえるでしょう。

筆者は3月上旬に今年度の入試速報説明会に参加しましたが、平日の昼間にもかかわらず、会場は満席。母親が多いかと思いきや、夫婦や父親だけの参加も多数あり、私立中学への関心の高さを改めて実感しました。

とはいえ、中学受験には高額な塾費用がかかり、私立中学に通わせるとなると学費などの金銭的負担が大きいという現実があります。

そこで、文部科学省の「平成30年度 子供の学習費調査」から中学生の子どもにかかる学習費はいくらなのか、また実際に私立中学に子どもを通わせている家庭の世帯収入はどのくらいなのかなど、私立と公立の違いと合わせて見ていきましょう。

公立と私立でかかる費用は3年間で275万円の差

まず、1年間でかかる学習費総額では公立中学48万8397円に対して、私立中学140万6433円と、公立中学の3倍近くの費用となっています。

3年間では私立中学が421.9万円、公立中学が146.5万円ですから、その差は275.4万円。

公立中学では高校受験を踏まえて学校外教育費が多くを占めていますが、私立中学でも通塾費用はかかっているようです。

【公立中学の学習費総額】48万8397円

学校教育費…13万8961円

学校給食費…4万2945円

学校外教育費…30万6491円

【私立中学の学習費総額】140万6433円

学校教育費…107万1438円

学校給食費…3731円

学校外教育費…33万1264円

学校教育費の構成比を見てみると、私立中学では授業料42万8574円(40.0%)と学校納付金等30万5130円(28.5%)で、学校教育費の7割近くを占めています。

出典:文部科学省の「平成30年度 子供の学習費調査」を元に筆者作成

一方の公立中学では、教科外活動費2万9308円(21.1%)と通学関係費3万7666円(27.1%)で、学校教育費の半分ほどになっています。

修学旅行や課外授業で公私の差は大きい

学校教育費のうち、「修学旅行・遠足・見学費」では公立中学2万6217円に対し、私立中学8万2578円と約4倍に。「教科外活動費」では公立中学2万9308円に対し、私立中学5万5796円と2倍以上も金額に差があります。

私立中学の魅力の1つは、公立中学にはない多様なカリキュラムが挙げられるでしょう。

授業で身に着けた英語力を発揮する場として、またグローバルな感覚を養う機会として修学旅行が海外という学校も少なくありません。

さらに体験型学習の一環で、課外授業や校外学習を積極的に取り入れている学校も多数あります。

そのため、特に修学旅行や遠足などといった課外授業にかかるお金で、公立と私立で大きな違いがあります。

私立中学に通う子どもの世帯収入「1000万円以上」が半数以上

公立中学と私立中学のそれぞれに子どもが通っている世帯の年収額では、私立中学の場合、最も多かった世帯収入層は「1200万円以上」で35.5%でした。

出典:文部科学省の「平成30年度 子供の学習費調査」を元に筆者作成

次いで「800万円~999万円」が19.8%、「1000万円~1199万円」と「600万円~799万円」は同率16.8%でした。

世帯収入1000万円以上の世帯の割合は半数を超え、私立中学に通う世帯の約9割は世帯収入600万円以上となっています。

国税庁の「令和2年分民間給与実態統計調査」によると、男性の平均給与は「40~44歳」で571万円、「45~49歳」で621万円。

ちなみに、給与所得者のうち、年収1000万円以上の給与がある人の割合は4.6%しかいません。

世帯収入とはいえ、私立中学に子どもを通わせている家庭は、やはり経済的にゆとりがあると家庭が多いことが分かります。

公私に関係なく、年収が高い層では塾などの教育費は高い傾向に

公立・私立の中学に子どもが通う世帯の年収ごとに、学習費全体にかける金額を見ていきましょう。

「世帯年収1200万円以上」では、公立中学で69.7万円、私立中学で154.5万円。

一方、「400万円未満」では公立中学で38.8万円、私立中学で110.3万円。

公立中学では30.9万円、私立中学では44.2万円も教育費に差があることが分かります。

どちらの場合も、年収で学校教育費は変わりませんから、金額の差はそのまま塾などの学校外教育費だと考えられます。公立中学に進学するとしても、高学年から高校受験を目指して進学塾に通う子も珍しくありません。

中学受験か高校受験か、どこに照準を合わせるかは家庭によって異なりますが、どちらにしても年収が上がるにつれて、教育費も高くなっています。

夫婦で教育方針を話し合おう

コロナ禍であっても、私立中学の人気は衰え知らず。決して安くはない学費ではありますが、それに見合うだけの価値が私立中学にはあると考える保護者が増えているということなのでしょう。

ただ、私立中学に通う子どもの世帯収入は、半数以上が1000万円以上。そのくらいの収入があってはじめて、私立中学を考えられる年収ラインともいえ、周りに流されることなく、判断する冷静さは大切だといえます。

そして、夫婦であっても、子どもの教育方針が必ずしも一致しているとも限りません。子どもの受験をきっかけに、夫婦喧嘩や離婚に発展することもあります。

中学受験をするしないに関係なく、日頃から夫婦間で子どもの教育方針をしっかり話し合っておくことも、大事なのではないでしょうか。

参考資料

文部科学省の「平成30年度 子供の学習費調査」(https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?page=1&toukei=00400201&tstat=000001012023)

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください