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もしメッシやネイマールが日本の部活動でサッカーをしていたらうまくなっていたのか

LIMO / 2022年4月1日 20時25分

もしメッシやネイマールが日本の部活動でサッカーをしていたらうまくなっていたのか

もしメッシやネイマールが日本の部活動でサッカーをしていたらうまくなっていたのか

朝練なんて百害あって一利なし

「1日に10kmとか20kmも走る高校サッカー部がいまだにある」と聞くと皆さんはどう思うでしょうか。

それをほぼ毎日やっている学校もあり、おまけに試合に負ければ罰走。勝ってもプレーの内容が悪ければまた罰走。

そして100人をはるかに超える部員がいて、彼らの多くが3年間で一度も公式戦に出場できない。

それどころか誰が誰だかさえわからないということで、子供らは練習着の前と後ろに、たとえば「MF ●●」という具合にポジションと名前を極太マジックで書いているというようなことも。

これを強いている監督さんは子どもたちが、はたからどのように見られているかわからないのでしょう。

超名門と呼ばれる高校でも早朝からの練習

これまた超名門校と言われている高校では、なんと朝の4時半から練習をやっている。

それだけでなく、中学を卒業したばかりの新入部員にまで過酷な走り込みと筋トレを課し、匍匐(ほふく)前進までさせているようなことも。

せっかく伸びようとしている体を強烈に圧迫し続けているわけです。ここまでくると、とても正気の沙汰とは思えません。

メッシやネイマールが部活動に参加していたらどうなっていたかという思考実験

考えてもみてください。

〝早朝からの練習、午後から夜暗くなるまでの練習、走り込みと筋トレを毎日〟のみならず、挨拶だ、後片付けだ、規律だ、とかいう人間教育〟と称する抑圧。

これにメッシが従うと思いますか? 

こんなトレーニングを少年時代のネイマールがやっていたと思いますか? 

こうした無意味(非科学的)な過酷メニューを課している監督さんたちに問うてみたいと心の底から思います。

「子供たちの体を壊したら、その責任は当然のことながら監督さん、あなたが取るんですよね?」「その覚悟はあるのですか?」と。

サッカーが上手くなるのに必要なトレーニングとは

そしてこうも考えてみましょう。では一体なぜメッシやネイマールたちは若い頃に過酷なトレーニングをやらなかったのか。これまた答えは簡単です。

一言、「そんなのサッカーが上手くなるのにまったく必要ないから」。

必要ないどころか、むしろ逆。朝練&筋トレ&走り込みなんてことをやっていたらネイマール少年は今のネイマールになれなかったでしょう。

負けた試合を反省するのは監督の仕事

とにかく、朝練なんていう愚かな習慣は今すぐ全廃されなければならない。百害あって一利もないからです。体を壊してからでは遅いのです。

罰走もそう。負けた責任を取るべきは監督です。選手を走らせるくらいなら監督が走ればいい。「敗軍の将は兵を語らず」これが世の常なのですから。

負けたからといって(または「内容が悪い」からといって)試合後に罰として走らせる監督は、文字通り無責任と無能の極み。そんな監督のもとで3年間もの時を過ごすなんて、どう考えたって理に反します。

スポーツを教えるのに暴力は不要

ましてやそこに暴力が加わるなんてもってのほかです。言葉の暴力もそう。絶対にあってはならない。それは犯罪だからです。

そもそもなぜスポーツを教えるのに暴力が必要なのか、連日のように日本から届く「体罰」のニュースを目にしながら考え続けていますが、私にはまったく理解できません。

ここイタリアに暮らして24年以上、仕事としてグラウンドへ足を運ぶだけでなく、我が子のサッカーも見続けてきましたが、それこそゲンコツの一発すら目にしたことがありません。ただの一度も。

当たり前です。もしもそんなことをする監督がいれば速攻で警察にしょっぴかれるからです。「犯罪者」として名も顔もニュースで晒され、二度と指導の現場に戻ることはできません。

さっきのメッシやネイマールの話と同じように、想像してみてください。

もしも監督が、態度が気に入らないからといってズラタン・イブラヒモビッチにビンタを喰らわせたらどうなるか。学生を殴っている監督さん、あなたにイブラヒモビッチをぶん殴る度胸はありますか?

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