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世帯年収1000万円でも貯金ができない?「高所得貧乏」にありがちな2つの習慣

LIMO / 2022年4月9日 5時20分

世帯年収1000万円でも貯金ができない?「高所得貧乏」にありがちな2つの習慣

世帯年収1000万円でも貯金ができない?「高所得貧乏」にありがちな2つの習慣

「高所得」と「貧乏」。

この正反対の特性がセットになることはあり得ないように思いますよね。

ところが、年収1000万円でも貯金ができない「高所得貧乏」におちいる人がいます。

金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査(二人以上世帯調査)令和2年調査結果」によると、年収1000万円~1200万円世帯のうち6%が貯蓄100万円未満となっているようです。

年収が高い分しっかりお金が貯まる人と貯まらない人。なにが両者を分ける要因になっているのでしょうか。

この記事では、高所得貧乏さんの代表的な習慣を紹介していきます。

高所得貧乏の特徴1.「もっと良いものを」という物欲

高所得貧乏さんは、収入にあわせて生活水準をどんどん上げてしまう習慣があります。

この「もっともっと」という気持ちは、あっという間に家計を膨れ上がらせてしまいます。

たとえば、住居費・食費・教養費・娯楽費など、日常でかかるお金は意識しなければ青天井で上がってしまうでしょう。

もともとの収入が低ければ「節約をしないと貯金ができない」「いまの生活でもカツカツだ」という思いから、自然とお金の使い道の優先順位が生まれます。

しかし、世帯年収1000万円といえば一般よりも高い所得水準ですから、生活費がかさんでも赤字とまではいかない事が落とし穴になります。

あれもこれもとワンランク上のものを取り入れてしまい「実は貯金はほとんどない」という状況におちいってしまうのです。

かさみがちなお金の使い道の例

背伸びをした家賃の高い家にすむ、新築戸建ての家を購入する → 住居費が増加

ワンランク上の食事や持ち物にこだわる → 食費、雑費が増加

収入が上がった分、ジムや英会話スクールなど趣味を増やす → 娯楽、教養費が増加

見栄で子どもを小学校から私学に通わせ、習い事をいくつもさせる → 教育費増加

頻繁な旅行や、高級車を短期間で買い換える → 娯楽費増加

もちろん、自分が本当にこだわりたい物まで我慢をする必要はありません。

とはいえ身の回りのもの全てを少しずつグレードアップさせてしまうと、総額では大きな出費になるのは当然です。

年収1000万円という自己顕示欲も手伝って、見栄をはってしまう人は特に注意しましょう。

気づけば生活費全体が膨らみ、「収入はあるのに貯金ができない」「それでも今の生活水準は下げられない」という沼にハマるとなかなか抜け出すことができません。

高所得貧乏の特徴2.「貯金はしようと思えばいつでもできる」と思っている

つづいて、高所得貧乏さんは家計をしっかり把握していないことがほとんどです。

とくに節約を意識することもなく、月によって「偶然お金があまれば貯金」というケースが目立ちます。

一般的に高年収だといわれることで稼ぐ力に自信も持っている方も多く「お金は使い切ってしまっても、また稼げばいい」と思っている節があります。

そのため「これだけ収入があるのだから、本気で貯金をしようと思えばできるはず」となかなか改めて貯金を始めるきっかけがないのでしょう。

しっかりお金を貯めるには、あまったら貯金ではなく、「先取り貯金」がキホンです。

先取り貯金を成功させるには、「一度貯金に回したお金は引き出さないこと」が鍵になります。

給与受取や固定費の引き落としなどに設定している銀行口座にあまったお金も入れっぱなしにしていると、自分が月にいくらの収入を得て、いくら使っているかがハッキリしません。

貯金が苦手な方は、お金が出入りする口座とは別にただただ増えていくだけの貯金用口座をつくるのがおすすめです。

高所得貧乏は老後こそ苦労する

高所得貧乏さんの暮らしは、「来月も同じだけの収入が入ってくる」ことに支えられています。

ところが、老後をむかえて年金暮らしとなればそのままの生活水準を維持するのはむずかしいのではないかと思います。

その理由は、所得代替率にあります。

所得代替率とは、「年金受給開始時点(現行65歳)の年金額が、現役中の手取り年収とくらべてどのくらいの割合になるか」をあらわしたものです。

この所得代替え率は、公的年金を試算する上でのモデル世帯を基準として考えると、モデル世帯より収入の低い人の方が代替率が高く、収入が高い人ほど低くなる仕組みになっているのです。

(※モデル世帯:40年間厚生年金に加入する平均年収の世帯主と20歳~60歳まで専業主婦で国民年金のみ加入の妻)

収入の多い人は公的保障だけでなく自分で民間の保険への加入や貯蓄に回す余裕がありますが、そうではない人は年金頼みの生活となってしまうことからこのような仕組みとなっているのでしょう。

もちろん高所得者は現役中に支払っている保険料も高いため、年収が高い人ほど受け取れる年金額が多いことには変わりありません。

「現役中の収入を年金だけでどれだけカバーできるか」という視点では高所得者のほうが厳しい懐事情となってしまうのです。

高所得貧乏のまま年金生活が始まれば、生活水準はそのままに収入だけが大きく減ることになってしまいますからそれまでに家計の見直しや貯金をする習慣をつけておきたいですね。

参考資料

金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査(二人以上世帯調査)令和2年調査結果」(https://www.shiruporuto.jp/public/document/container/yoron/futari/2020/)

厚生労働省「いっしょに検証!公的年金(https://www.mhlw.go.jp/nenkinkenshou/verification/index.html)」

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