1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 経済
  4. 経済

国家公務員の育休が最大2回に。育休のハードルや不安の乗り越え方3選

LIMO / 2022年4月11日 17時50分

国家公務員の育休が最大2回に。育休のハードルや不安の乗り越え方3選

国家公務員の育休が最大2回に。育休のハードルや不安の乗り越え方3選

2022年4月6日、国家公務員が取得できる育児休業の回数を、原則2回に増やす法案が可決されました。

これまでは1回だけの取得が認められていましたが、今回の改正により柔軟に取得できるようになります。

育休制度自体は浸透しつつありますが、それでも「取りにくい」「周囲に気を使う」「育休明けが憂鬱」という声もあがります。

制度の内容をおさらいするとともに、育休のハードルや乗り越え方について考えてみたいと思います。

「国家公務員の育休が2回」ってどういうこと?

6日の参院本会議にて全会一致で可決・成立した、国家公務員が育児休業を取得しやすくする「改正関連法」。

これにより、原則1回であった育休を2回まで取得できるようになります。

また男性職員は「子どもの出生後8週間以内」に1回休めていましたが、こちらも2回まで拡充されます。

民間の企業でも男性が育休をとれるような体制が動き出していますが、それに先駆けた取り組みです。

内閣府によると男性職員の育児に伴う休暇・休業の取得は着実に増加しており、2020年度第1四半期に子供が生まれた男性職員のほぼ全員(99.0%)が育休等を取得しました。

男性国家公務員の育児に伴う休暇・休業の取得等の状況

出典:内閣府「男性職員による育児に伴う休暇・休業の取得促進」

配偶者出産休暇(2日)又は育児参加のための休暇(5日)を5日以上使用した職員の割合も84.9%と過去最高を記録しています。

子どもが3歳になるまで育休をとれるという国家公務員の場合、その制度は元から恵まれた制度であったように思えます。

しかし育休が2回に拡充されるには、これまで表に出にくかった育休の不具合もあったことがうかがえます。

育休制度の落とし穴

そもそも育休とは育児休業のことで、国が定めた休業制度です。子どもが原則1歳になるまで取得でき、その間は「育児給付金」が支給されます。

保育園に入所できないなどの理由があれば延長が認められ、また「パパ・ママ育休プラス」を利用すれば1歳2ヵ月まで取得することもできます。

似た言葉として「育児休暇」がありますが、こちらは会社独自の制度です。育児休業を取得することを基本として、事業主が独自に設置できます。

出産後も働き続けたい人にとってありがたい制度ですが、一方で課題があったことも事実です。

例えば保育所に入所できないために、育休を延長しなければいけないケースがあります。しかし母親の仕事の都合でどうしても1歳2ヵ月のタイミングで一定期間復職しなければいけなかったとき、折り合いがつかず退職せざるを得ないこともあるのです。

ここで2回の分割取得が可能であれば、「1歳2ヵ月のタイミングで母親が復職し父親が育休、そして1歳半のタイミングで再び育休を交代する」というように柔軟に対応できます。

出所:厚生労働省「育児・介護休業法 改正ポイントのご案内」

実情では父親の育休といっても「出産後の数日だけ」というように、有給休暇とほとんど変わらないケースも多々あります。

そうではなく母親と同じように長期で育休がとれるようになれば、上記のような2回分割のメリットも受けやすくなります。

「育休の不安」軽減するには?

育休をとるということは、職場に穴をあけるという感覚から「申し訳ない」と思えてしまう人も多いです。

しかし「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」等により、労働者の権利は守られています。

ハラスメントの防止はもちろん、制度の周知徹底も事業主に求められているのです。

そうはいっても「育休明けが不安」という方もいますよね。不安の中身は人それぞれですが、大きくは「職場の人間関係」「育児との両立」「お金の心配」に分けられます。

職場の人間関係が不安なら

人間関係の不安をあげる方も多いですが、実は育休が明けてみれば「みんな優しかったので助かった」という声もめずらしくありません。

理解も進み、肩透かしに合うことが多いのです。また周囲に助けてもらったことがある方は、「この分を次の世代にお返ししたい」と考えるもの。

自分も次の世代を助けることにより、少しずつ社内が居心地良くなっていくのが理想ですね。

また保育所によって慣らし保育期間や平日行事の数が全く異なります。「Aさんは全然休まないのにBさんだけ休む」ということも、残念ながら起こってしまうケースがあります。

それを避けるためにも、保育所の年間行事の把握は必須です。復帰前に上司と面談をする機会がありますが、保育所のスケジュールや不安な気持ちをしっかり共有することがポイントです。

育児との両立が不安なら

最初は育児と仕事の両立に慣れるのに時間がかかるかもしれません。保育所デビューで子どもも頑張っています。家族で乗り越えるために、時短家電や家事外注なども積極的に利用したいところですね。

また会社の時短制度やテレワーク制度なども日々変わるケースがあります。しっかり確認することで、両立するためのシミュレーションをしてみましょう。

病児保育や両親の手伝いなど、いざという時のお助けポイントを知っておくことも重要です。

お金が心配なら

育休中はどうしても収入が減ります。具体的には半年間が収入の67%、それ以降は50%となります。パパの育休取得や2回の分割取得は心強い一方で、収入減は不安ですよね。

ただし育児休業給付金は非課税です。社会保険料と税金の天引きはないので、手取りベースでは約8割相当の収入が確保できます。

また重要な視点として、「育休中はライフプランの中でも貯金が貯まらない時期」と割り切るのも大切です。長期のライフプランやキャッシュフローで見通しを立てれば、漠然とした不安はある程度払拭できます。

さらに育休明けに時短勤務をする場合は、「育児休業等終了時報酬月額変更届」を提出することも考えてみましょう。

社会保険料が安くなるため、結果的に手取り額をあげることができます。ただし傷病手当金などに響くこともあるので、必ず会社の窓口で確認しましょう。

まとめにかえて

国家公務員の育休が2回とれることとなりました。「公務員はうらやましい」と思うかもしれませんが、2022年10月には民間の会社でも2回まで分割して取得ができるように改正されます。

制度が整えば、あとはうまく利用できるかどうかです。「必要ない」と考えるのもありですが、子育ては「まさか」の連続であることも事実です。

育休中や育休明けの不安を払拭するためにも、制度についてはしっかり知っておきましょう。

参考資料

内閣府「男性職員による育児に伴う休暇・休業の取得促進」(https://www.cas.go.jp/jp/gaiyou/jimu/jinjikyoku/male_childcare/index.html)

内閣官房内閣人事局「男性国家公務員の育児に伴う休暇・休業の取得促進に係るフォローアップ」(https://www.cas.go.jp/jp/gaiyou/jimu/jinjikyoku/pdf/210827_followup.pdf)

厚生労働省「育児・介護休業法 改正ポイントのご案内」(https://www.mhlw.go.jp/content/11900000/000789715.pdf)

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください