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60代「住宅ローン残高500万円以上」が約半数。定年後のローンを見据えた生活設計を

LIMO / 2022年4月12日 6時50分

60代「住宅ローン残高500万円以上」が約半数。定年後のローンを見据えた生活設計を

60代「住宅ローン残高500万円以上」が約半数。定年後のローンを見据えた生活設計を

新年度がはじまったこの時期は、家計のマネープランを見直すのに良い機会です。

厚生労働省の「令和2年(2020)人口動態統計月報年計(概数)の概況」によると、平均初婚年齢は夫31.0歳で、妻は29.4歳。

晩婚化が進む現代においては、定年を迎えても住宅ローンが残っているご家庭もあるでしょう。

少し前の調査にはなりますが、独立行政法人労働政策研究・研修機構が60~69歳5000人に行った「調査シリーズNo.199『60代の雇用・生活調査』(2020年3月公表)」より、60代の貯蓄や住宅ローン残高等を確認していきます。

60代のお金事情を見ながら、マネープランを考えましょう。

【注目記事】【投資FIRE】不労所得「月30万円」を作るおすすめの方法4つを元証券会社員が解説!(https://limo.media/articles/-/28048)

60代「貯蓄や借入金」はどれくらい?


まずは同調査より、60代の貯蓄と借入金を見ていきましょう。

出典:独立行政法人労働政策研究・研修機構「調査シリーズNo.199『60代の雇用・生活調査』(2020年3月公表)」

60代の貯蓄

ある:60.6%

ない:26.3%

無回答:13.1%

60代で貯蓄がないと答えた方は4人に1人でした。

60代の貯蓄額

30万円以下:1.1%

31万円以上50万円以下:0.9%

51万円以上100万円以下:4.4%

101万円以上300万円以下:13.2%

301万円以上300万円以下:12.9%

501万円以上1000万円以下:18.1%

1001万円以上2000万円以下:17.3%

2001万円以上:14.4%

無回答:17.7%

貯蓄額をみると、2019年に話題となった「老後2000万円」をクリアしているのは14.4%。

貯蓄を1000万円以上保有しているのは約3割でした。

あわせて借入金も確認します。

出典:独立行政法人労働政策研究・研修機構「調査シリーズNo.199『60代の雇用・生活調査』(2020年3月公表)」

60代の借入金

ある:22.5%

ない:73.9%

無回答:3.6%

借入金があるのは約2割。

60代の借入金額

30万円以下:2.6%

31万円以上50万円以下:4.2%

51万円以上100万円以下:10.1%

101万円以上300万円以下:18.4%

301万円以上300万円以下:9.5%

501万円以上1000万円以下:15.9%

1001万円以上2000万円以下:11.0%

2001万円以上:6.3%

無回答:22.0%

借入金の金額を見ると、500万円以上が32.3%でした。

60代の住宅ローン残高は500万円以上が48.9%

借入金があると回答した人の中で、住宅ローン返済の有無について聞いたところ、「ある」が 52.3%、「ない」が 44.6%でした。

出典:独立行政法人労働政策研究・研修機構「調査シリーズNo.199『60代の雇用・生活調査』(2020年3月公表)」

返済金額ごとの割合も確認しましょう。

出典:独立行政法人労働政策研究・研修機構「調査シリーズNo.199『60代の雇用・生活調査』(2020年3月公表)」

30万円以下:7.7%

31万円以上50万円以下:0.2%

51万円以上100万円以下:4.6%

101万円以上300万円以下:14.9%

301万円以上500万円以下:11.3%

501万円以上1000万円以下:24.5%

1001万円以上2000万円以下:17.0%

2001万円以上:7.4%

無回答:12.4%

およそ半数が住宅ローンが500万円以上残っているとわかりました。

事前に60代からの生活設計を考えておく

60代の住宅ローン残高は500万円以上という方も珍しくないことが分かりました。

住宅ローンの完済年齢は覚えていても、残高がいくらあるかは把握しきれていないというご家庭も多いでしょう。

厚生労働省の「令和2年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、国民年金の平均月額は5万6252円、厚生年金は14万4366円。

リタイアして年金生活になりながら、住宅ローンを返済していくのは負担も大きいですよね。

住宅ローンを完済する年齢にあわせて、60歳になったときの住宅ローン残高や、ご自身の働き方についても事前に考えておくことをおすすめします。

現代では、定年後も働き続ける方が増えています。

同調査によると、回答者全員のうち60代での現在(2019年6月1日時点)の仕事の有無をみると、「仕事をした」が 59.0%でした。

出典:独立行政法人労働政策研究・研修機構「調査シリーズNo.199『60代の雇用・生活調査』(2020年3月公表)」

就業している人の従業上の地位・形態別の構成は以下の通り。

「会社、団体などに雇われて仕事をしていた」(雇用者) 65.0%

「商店、工場、農家などの自家営業や自由業 であった」(自営業主) 11.9%

「会社、団体などの役員であった」(会社経営・役員) 11.5%

「家業(自家営業)の手伝いをしていた」5.5%

60歳以降も住宅ローンを返済する必要がある場合、定年後の働き口について早いうちから考えておくと安心です。

また、定年後は現役時代とは月々の収入とともに支出も変わります。定年後に向けて、定年前から段々と生活水準を調整していくことも考えましょう。

ご自身で働くだけでなく、資産運用をとりいれて「お金に働いてもらう」方法を家計に取り入れるのもおすすめします。

運用にリスクはありますが、いつまで働けるかはわからないからこそ、お金に働いてもらう選択肢についても考えてみましょう。

今回の統計を参考に、この春、ご自身のライフプランやマネープランについて見直してみてくださいね。

参考資料

厚生労働省の「令和2年(2020)人口動態統計月報年計(概数)の概況」(https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jinkou/geppo/nengai20/index.html)

独立行政法人労働政策研究・研修機構「調査シリーズNo.199『60代の雇用・生活調査』(2020年3月公表)」(https://www.jil.go.jp/institute/research/2020/documents/0199.pdf)

厚生労働省「令和2年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」(2021年12月)(https://www.mhlw.go.jp/content/000925808.pdf)

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