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20~30代が殺到する「つみたてNISA」元証券会社社員が「iDeCo」と比べたメリット・デメリットを解説

LIMO / 2022年4月12日 18時50分

20~30代が殺到する「つみたてNISA」元証券会社社員が「iDeCo」と比べたメリット・デメリットを解説

20~30代が殺到する「つみたてNISA」元証券会社社員が「iDeCo」と比べたメリット・デメリットを解説

少し前までは投資に縁遠いと思われていた20~30代。今では積立投資を中心に投資をはじめる若者が増えています。

金融庁の「『NISA・ジュニアNISA口座の利用状況に関する調査結果(令和3年6月末時点)』の訂正について」によれば、つみたてNISA買付額の年代別比率で最も多いのは「30歳代・27.8%」、次に「40歳代・26.9%」。

出典:金融庁「『NISA・ジュニアNISA口座の利用状況に関する調査結果(令和3年6月末時点)』の訂正について」

2021年3月末からの増加率をみると、最も伸びたのは「20歳代・26.0%」、次に「30歳代・21.1%」でした。

将来の老後資金に危機感を感じ、積立投資をはじめる若者が殺到する現代。一方で、「気になってはいるけれどはじめられない」「iDeCoと悩む」方もいるでしょう。

投資とは長い付き合いになるだろうからこそ、よく考えてはじめたいところ。今回は以前、証券会社に勤めていた筆者が、20~30代向けにつみたてNISAとiDeCoの特徴をくわしく解説します。

つみたてNISAとiDeCoの魅力

つみたてNISAとiDeCoは、自分で金融商品を選んで毎月一定額を投資するもので、運用益が非課税になる制度です。

「投資=リスクがあって怖い」という印象をもつ方は多いですよね。

積立投資にもリスクはありますが、価格が高いときには少なく・価格が安いときには多く口数を買い付けるため、平均的な購入単価を抑えることができます。

出典:金融庁「つみたてNISA早わかりガイドブック」

初心者の方や将来に向けて運用を取り入れながら貯蓄したい方にとって、はじめやすい投資方法でしょう。

ただこの2つの制度は、非課税枠や積立期間などに違いがあります。特にiDeCoは私的年金制度なので、一般的な資産運用とは違った面もあります。

非課税枠と非課税期間の違いをチェック

つみたてNISAの非課税期間は年間40万円まで、最長20年間です。非課税投資枠は20年間で最大800万円と定められています。

一方で、iDeCoは拠出限度額が下記のように人によって異なります。

自営業者(第1号被保険者)

月額6.8万円(年額81.6万円 ※国民年金基金、または国民年金付加保険料と合算)

会社員・公務員など(第2号被保険者)

会社に企業年金がない会社員:月額2.3万円(年額27.6万円)

企業型DCに加入している会社員:月額2万円(年額24.0万円)

DBと企業型DCに加入している会社員:月額1.2万円(年額14.4万円)

DBのみ加入している会社員:月額1.2万円(年額14.4万円)

専業主婦(夫)(第3号被保険者)

月額2.3万円(年額27.6万円)

非課税になる金額は個人差がありますが、iDeCoに加入できるのは現時点で20歳以上、60歳まで。

2022年5月からは、60歳以上で国民年金の第2号被保険者、または国民年金の任意加入被保険者であれば、65歳まで加入できるようになります。

つまり、iDeCoは現行の制度では最長で40年間(5月からは45年間)非課税になります。

つみたてNISAは非課税期間内(20年間)で売却するか、非課税期間終了後は課税口座で引き続き運用を続けるかになります。課税口座になれば運用益の約2割は課税されることになります。

こういった違いを頭に入れて考えましょう。

長い目で見た税制メリットも視野に入れる

つみたてNISAもiDeCoも、運用益に通常20.315%かかる税金が非課税となります。

iDeCoの場合はそのほかに、掛け金が全額所得控除されたり、受け取り時には退職所得控除などが受けられるというメリットがあります。

20~30代であれば、今後30~40年と働き続ける方も多いでしょう。

そのあいだ節税できると考えると大きいですよね。

どの年代でも税制メリットは頭に入れたいですが、特に若い方ほど長期間節税できるメリットは意識しておきたいところです。

必ず考えたい「途中で引き出すリスク」

つみたてNISAかiDeCoかで迷ったときに考えたいのが、「途中で引き出す可能性があるか」どうかです。

つみたてNISAはいつでも引き出せますが、iDeCoは年金制度であり、原則60歳まで引き出すことができません。

iDeCoには税金や60歳まで運用できるメリットがありますが、途中で引き出せないのは一つのリスクです。20~30代の場合、60歳までに社会情勢がどうなるか、自身の状況(リストラや離婚など)がどうなるかは不透明ですよね。

「つみたてNISAは60歳までに引き出す可能性がある資産」「iDeCoは老後資金」と目的を分けて運用することをおすすめします。

はじめやすいのはつみたてNISA

両方ともメリット・デメリットがあるので、どちらからはじめるかは悩ましいところですよね。

20~30代の場合、結婚や育児といったライフイベントにより、収入や働き方が変わる可能性も高いでしょう。その点を考えると、まずはつみたてNISAの方がはじめやすいと言えます。

つみたてNISAは最低100円からはじめられますし、途中で引き出せることを考えても安心度があるでしょう。

毎月ある程度の金額を投資にまわせる、ライフプランが見えてきたなどであれば、iDeCoとの併用も良いでしょう。

ただ、積立投資は基本的に長期間保有することで利益を期待するものです。

投資対象によってパフォーマンスが異なるので、リスクや商品の中身についてしっかりと調べ、長い間投資しても良いと思える先を選んでくださいね。

参考資料

金融庁「『NISA・ジュニアNISA口座の利用状況に関する調査結果(令和3年6月末時点)』の訂正について」(https://www.fsa.go.jp/policy/nisa/20211012.html)

金融庁「つみたてNISA早わかりガイドブック」(https://www.fsa.go.jp/policy/nisa2/about/tsumitate/guide/index.html)

iDeCo公式サイト「iDeCo(イデコ)をはじめるまでの5つのステップ」(https://www.ideco-koushiki.jp/start/)

厚生労働省「2020年の制度改正」(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/nenkin/nenkin/kyoshutsu/2020kaisei.html#20220501)

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