平均年収が30年前から400万円台のまま変わらない日本。年収400万円の割合はどれぐらいか
LIMO / 2022年4月20日 5時20分
平均年収が30年前から400万円台のまま変わらない日本。年収400万円の割合はどれぐらいか
年収が変わらずも値上げラッシュが続く
「週休3日制」と聞くと、皆さんはどう思われますか。
日本でも近年、「週休3日制」を導入する企業が増えてきています。
「働き方改革」や「ワークライフバランス」などが重視されるようになったことも踏まえ、「休みを1日増やす」という選択肢に舵を切った企業もでてきているようです。
働く側からすると、これまで以上に趣味や休息に充てられる時間が増え、非常に喜ばしいことのようにも思われます。
ただ、その一方でもちろん週休3日制によるデメリットも存在します。
その中でも、最も頭を悩ませるであろう問題が「給与の減少」ではないでしょうか。
休みが増え、給料も変わらないといったいいとこ取りはなかなか難しいのが現状です。
日本の平均年収はおよそ400万円だといわれており、週休3日制を導入することで、生活がこれまで以上に逼迫してしまう恐れもあります。
実は、この平均年収は30年前から変わっていないという事実をご存知でしょうか。
今回は、そんな平均年収400万円台の人にスポットをあててみたいと思います。
給与所得者の平均給与は433万円
国税庁の「令和2年分 民間給与実態調査統計」によると、日本の給与所得者の平均年収(平均給与・手当+平均賞与)は、433万1000円となっています。
10年前の平成22年は412万円、30年前の平成2年は425万円となっています。
つまり、ここ30年間で日本の平均給与は400万円代前半を推移していることになります。
昨年誕生した岸田政権下では、「賃金アップ」が一つのテーマとして掲げられていますが、ここ30年間を考えると、実現に向けては非常に高いハードルがあるようにもみえます。
平均年収400万円台の給与所得者は何パーセントか
さて、ここまで日本の平均年収についてみてきました。
しかし、平均年収だけでは給与所得者の実態は掴むことはできません。
平均値は一部の極端に大きな値に引っ張られてしまうからです。
そこで次は、給与所得者を年収の区分ごとにみてみましょう。
同じく国税庁の資料から、「給与階級別給与所得者数・構成比」から、年収400万円超500万円以下の層を確認してみましょう。
令和2年度の給与所得者は全体で5244万6000人います。
このうち、年収400万円超500万円以下の給与所得者は、764万3000人います。
つまり、全体のうち、14.6%が「年収400万円超500万円以下」の区分に入っているということになります。
また、給与所得者のボリューム層は、年収300万円超400万円以下の17.4%となっており、さらに「年収500万円以下」に範囲を広げると、全体の69.7%を占めていることが分かります。
日本の給与所得者のうち、約7割が年収500万円以下というデータがみてとれます。
値上げラッシュも、年収が変わらない日本
ここまで、平均年収400万円台の占める割合などについてみてきました。
ここ30年で平均年収が変わっていないことをお伝えしましたが、実は給与が変わっていなくても、生活は少しずつ厳しくなっています。
最近でも話題になりましたが、モノの値段が徐々に上がっていることをご存知でしょうか。
食品や日用品など、生活に欠かせないモノの値段が上がっている一方で、平均収入は上がっていないとなると、平均年収は変わっていなくても、「400万円の価値」は目減りしていることになります。
まとめにかえて
今後もモノの値段が上がっていくと、今のお金の価値は将来にかけてどんどん下がっていくことになります。
単にお金を抱えているだけでは、時代の流れに置いていかれてしまうかもしれません。
もちろん有事に備えて、一定の預貯金を保有しておくことは重要なことです。
ですが、お金を「守る」だけではなく、「働かせる」ということに注視していかなければいけない時代になってきています。
今年の4月から、高校の教育課程に「資産運用」という項目が追加されます。
「自分の資産は自分で守れるようになろう」という一つのメッセージではないでしょうか。
世の中には数多の金融商品が溢れています。
どの商品が合うかは、その人次第です。
情報を集め、自分の資産を守るべく、一歩行動してみることが大切だといえるでしょう。
参考資料
国税庁「令和2年分 民間給与実態調査統計」(https://www.nta.go.jp/publication/statistics/kokuzeicho/minkan2020/minkan.htm)
国税庁「平成9年分 民間給与実態調査統計」(https://www.nta.go.jp/publication/statistics/kokuzeicho/minkan1997/menu/03.htm)
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