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高年収でも注意!食育にこだわり過ぎると食費が家計を圧迫。突然跳ね上がる教育費に備えて

LIMO / 2022年4月21日 17時50分

高年収でも注意!食育にこだわり過ぎると食費が家計を圧迫。突然跳ね上がる教育費に備えて

高年収でも注意!食育にこだわり過ぎると食費が家計を圧迫。突然跳ね上がる教育費に備えて

エンゲル係数と年収の関係性を考える

食育という言葉もすっかり定着し、保育所といった子どもを預かる施設のなかには食育に力を入れているところもあります。子どもの頃から栄養バランスを考えた食事をとることは成長に直接かかわるためとても大切です。

ただし、あまりにも食育にこだわり過ぎると食費が膨れ上がることも忘れてはいけません。子育てをする上で「どの時期にお金がかかるのか」を把握し、食育の在り方も考える必要があります。

食育基本法設立から15年以上が経過

食育という言葉を耳にすると「各家庭での取り組み」というイメージがありますが、実は2005年に食育基本法が成立し、翌年には食育推進基本計画が制定されました。農林水産省を中心に国を上げて食育運動が進められてすでに15年以上が経過しているのです。

出所:文部科学省「食育って何?」

文部科学省も学校教育や授業を通じて栄養バランスのよい食事はもちろんのこと、偏った食事や朝ご飯抜きの危険性などを伝えています。

また、ここ数年で全国的に広がりをみせている「子ども食堂」も食育の観点で孤食防止や子どもの居場所作りに貢献しています。

このように公的機関の推進もあって、子育てをしていると「食育」と接する機会はかなり多いです。元気な子に育って欲しいという願いをこめて、食材にこだわった離乳食や料理を作る方も珍しくありません。

原産国はもちろんのこと、減農薬栽培といった栽培方法を気にすることもあります。一般的な商品とは違う特別な製法で作られた野菜や果物、穀物はどうしても値段が張るため、こうした食材ばかりを購入してしまうと食費はかさむ一方になります。

食育はとても大切ですが、食費が家計を圧迫するのも避けたいところです。総務省の統計局の家計調査によると、世帯構成や子どもの年齢により食費が家計に占める割合、いわゆるエンゲル係数が変化していることが分かりました。

エンゲル係数と年収の関係性

エンゲル係数は家計の消費支出に占める食費の割合です。総務省統計局のデータでは食費と外食費を分けています。一般的にエンゲル係数の値が低いと所得が高いとされています。

総務省統計局が2021年2月に発表した「2019年全国家計構造調査 家計収支に関する結果の概要」内の、勤労者世帯の世帯年収を5階級に分け各階級の支出の割合(月平均)を換算したデータでは、食費と外食の数値は以下の通りになりました。

第Ⅰ階級(462万円未満):食費24.0%、外食費4.5%

第Ⅱ階級(462万円~600万円未満):食費22.1%、外食費5.2%

第Ⅲ階級(600万円~749万円未満):食費21.3%、外食費5.4%

第Ⅳ階級(749万円~944万円未満):食費20.5%、外食費5.7%

第Ⅴ階級(944万円以上):食費18.4%、外食費6.1%

数値を見てみるとやはり年収の低い世帯のエンゲル係数は高くなっています。第Ⅰ階級と第Ⅴ階級の年収の違いは480万円以上ありますが、5階級の支出のうち食費と外食費を合わせた数値は24.5%から28.5%で推移しており、極端な開きはないといえるでしょう。

食費と教育費のバランスを考えよう

子どもが誕生すると食育を考える機会が増えていきますし、成長に伴い食べる量も増加。家族が増えれば1回の外食の支出額も当然ながら増えます。

同じ調査では勤労者世帯の家族構成による家計支出のデータも掲載されています。

夫婦と子どもが2人の世帯(長子が未就学児):食費20.5%、外食6.1%

夫婦と子供が2人の世帯(長子が小・中学生):食費21.7%、外食7.4%

夫婦と子供が2人の世帯(長子が大学生等):食費17.6%、外食4.2%

最もエンゲル係数が小さいのは「夫婦と子供が2人の世帯(長子が大学生等)」でしたが、このモデル世帯では教育費が26.4%と他の世帯に比べて突出したものになっています。つまり、月の支出の4分の1以上が教育費になっているのです。

ちなみに、世帯支出の教育費は長子が未就学児の頃から発生し4.5%、「長子が小・中学生」で6.6%と増加。そして長子が大学生等で大幅に増加しています。このことから、高所得であっても大学進学に備えることは必須です。

大学進学に備えて食費や外食を見直したい

とくに大都市圏では中学受験のため小学生の頃から通塾し、まとまった教育費の支出が続きます。食材にもこだわっていると家計で食費と教育費の占める割合が増えてしまうため、子どもの小さい頃から無駄な出費を心がける必要があります。

食育は「こだわった食材でのみ実現できる」というわけではありません。コロナ禍を契機にベランダで簡単に野菜を育てられる栽培キットなどの商品が充実しています。実際に子どもと育て、季節を感じつつ和洋中の料理に使ってみるのも立派な食育です。

上手に食費を浮かしつつ、食育もして教育費の準備をしていきたいですね。

参考資料

法令検索「食育基本法」(https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=417AC1000000063)

総務省「食育基本法の体系」(https://www.soumu.go.jp/main_content/000326163.pdf)

文部科学省「食育って何?」(https://www.mext.go.jp/syokuiku/what/index.html)

総務省統計局 「2019年 年間収入五分位等級(エクセル)」(https://www.stat.go.jp/data/kakei/kyokai.html)

総務省統計局 「2019年 全国家計構造調査 家計収支に関する結果の概要」(https://www.stat.go.jp/data/zenkokukakei/2019/pdf/gaiyou0305.pdf)

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