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大学生の仕送り額「1994年から3万8700円減」という厳しい事実

LIMO / 2022年4月25日 17時50分

大学生の仕送り額「1994年から3万8700円減」という厳しい事実

大学生の仕送り額「1994年から3万8700円減」という厳しい事実

1日の生活費はわずか650円…家賃も確認

この春、多くの学生が大学に入学しました。進学した先輩たちの後に続けるよう、受験勉強に励む高校生も多いですね。

受験生を精神的・経済的に支えている親にとって、気になるのが大学生のお金事情。入学金や学費も悩ましいものですが、一人暮らしをするとなると「毎月の仕送り額はいくら必要なのか」不安になりますよね。

そこで今回は、2022年4月6に公表されたばかりの東京私大教連「2021年度私立大学新入生の家計負担調査」から、最新の大学生のお金事情を紐解いていきます。

大学生が「東京で1人暮らし」生活費はいくらかかる?

大学生が一人暮らしするとなると、その生活費は居住地によって異なることが予想されます。

今回は東京私大教連「2021年度私立大学新入生の家計負担調査」から、1都3県の私立大学に通う保護者への調査でわかった生活費をまとめていきます。

毎月の仕送り額は8万6200円

一人暮らしを始めるとき、初期費用として多めの金額がかさばるものです。必要な家電や家具の購入も落ち着く頃、6月以降の平均に絞ると仕送り額は8万6200円が平均となりました。

実は1994年の平均は12万4900円。なんと27年前より3万8700円、31%も減少しているのです。

出所:東京私大教連「2021年度私立大学新入生の家計負担調査」

物価が上昇するにつれ生活費は上がっているように思えますが、イマドキ大学生のお金事情は当時よりも厳しいものになっているのです。

それでも過去最低だった2020年に比べると3800円増加しており、今後は上昇傾向になるのか注目ポイントです。

過去に比べて大学生の家賃は上がっている

仕送り額が減少しているということは、一人暮らしでの家賃は下がっているのでしょうか。同資料から、家賃の推移も確認します。

出所:東京私大教連「2021年度私立大学新入生の家計負担調査」

1995年は5万5300円、2000年は5万9600円。2010年には6万円を突破し、2021年の平均は6万6700円と過去最高でした。

つまり家賃は増加傾向にあるものの、仕送り額は減少傾向にあるということに。そのため「仕送り額」から「家賃」を引いた「生活費」は年々厳しいものとなっているのです。

最新である2021年の場合、仕送り額8万6200円-家賃6万6700円=1万9500円。これを単純に30日で割ると、1日の生活費はたった650円ということになります。

毎日650円で生活するのは難しいでしょう。アルバイトをしながら生活費を稼ぐ大学生が多いことが推察されます。

東京近郊の大学で1人暮らしをするということは、地方から状況している大学生も多いということです。

日本では首都圏と地方での賃金格差があるため、地方から上京させる家庭にとって「東京の物価に合わせた仕送り」は痛い出費になることも。

今後も大学生への出費は、低い水準で続くことが予想されます。

約9割の家庭は「入学費用の負担が重い」

1994年よりも大学生への仕送り額が大幅に減っている日本。実はここ30年ほど、平均年収はほとんど変わっていません。

にもかかわらず、消費税をはじめとする税負担は高まり、社会保険料も増加しています。物価も上がっているため、相対的に生活が苦しくなっている家庭は多いです。

そのような中、大学の学費でも増加傾向が見られます。文部科学省の「国公私立大学の授業料等の推移」によると、国立・公立・私立すべての大学で授業料が大幅にアップしているのです。

30年前の同じ年収世帯とでは、負担感がまるで違うことがわかります。

こうした状況を受け、89.6%の家庭では「入学費用の負担が重い」と感じているようです。また自宅外通学者に限定すると、「負担が思い」と回答した家庭は91%にのぼりました。

実際に貯蓄から捻出することができず、借り入れを行っている家庭も13.8%と多いです。こうした家庭の借入額は平均で177万2000円。自宅外通学者に限定すると平均は212万1000円にまで膨らみます。

200万円以上の借り入れが発生することを考えると、教育費には慎重になるべきだと考えられるでしょう。

希望の進路を叶えるために

イマドキ大学生の厳しいお金事情を見ていきました。

1日の生活費はわずか650円です。こうした背景には、伸び悩む平均年収や上昇し続ける税・社会保険料負担などがあります。

大学入学に向けて200万円以上の借り入れをしている家庭もあることから、進路の決定には「経済的な側面」も踏まえて慎重に行う必要があると言えます。

できるだけ本人の希望を叶えてあげたいものですが、あとから子どもにしわ寄せがいくのは避けてあげたいですよね。

特に奨学金では、本人に返済義務が発生します。

2022年4月からは高校の家庭科でも資産形成の授業が始まりましたが、こうした授業を通して「教育費の総額」などを子どもは学んできます。

お金の話はタブー視する風潮にありましたが、徐々に緩和されるということです。ざっくばらんに話をし、経済面も含めた進路決定をしていきたいですね。

参考資料

東京私大教連「2021年度私立大学新入生の家計負担調査」(http://tfpu.or.jp/wp-content/uploads/2022/04/2021kakeifutan20220406.pdf)

文部科学省「国公私立大学の授業料等の推移」(https://www.mext.go.jp/content/20191225-mxt_sigakujo-000003337_5.pdf)

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