【補助金・節税】「ZEH(ゼッチ)」住宅とは?2つの補助金・住宅ローン減税も解説!【2022年度最新】
LIMO / 2022年5月5日 12時0分
【補助金・節税】「ZEH(ゼッチ)」住宅とは?2つの補助金・住宅ローン減税も解説!【2022年度最新】
一般住宅と比べて年間最大控除額が136.5万円大きくなる可能性も
「脱炭素」が叫ばれる今、住宅業界では「ZEH(ゼッチ)」が急速に広まっています。
ZEHとは「ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス」の略称。「使用エネルギー≦創出エネルギー」を目指した住宅です。
政府は、昨年、閣議決定されたエネルギー基本計画において「2030年以降新築される住宅について、ZEH基準の水準の省エネルギー性能の確保を目指す」としており、ZEHへの補助金や減税制度を充実させています。
ZEHとはエネルギー排出量ゼロを目指した住宅
ZEHとは、断熱性能の大幅な向上と高効率な設備の導入により省エネ基準比20%以上の省エネ性能を実現し、さらにエネルギー創出によってエネルギー排出量ゼロを目指した住宅です。
「エネルギー排出量ゼロ」と言い切るのではなく、これを「目指した住宅」としているのは、太陽光発電等による十分なエネルギー創出が見込めない寒冷地や都市部の狭小地においては、エネルギー排出量±0を実現することが難しいから。エリアによっては、エネルギー排出量ゼロとはならないながらも一定の省エネ性能が実現できる「Nearly ZEH(ニアリーゼッチ)」や「ZEH Oriented(ゼッチオリエンテッド)」も、ZEHの1つとされています。
ZEHの補助金は充実している
高性能住宅というと、気になるのは建設費や購入費。実は、2020年にも「ハウスメーカー等が新築する注文戸建ての半数以上でZEHの実現を目指す」という目標があったものの、これは未達に終わっています。
その要因の1つは、顧客の予算によるもの。ZEH化に伴って顧客が負担する予算は、これまでもZEH住宅を普及させるうえでの大きな課題の1つだったのです。
ZEH補助金【2022年度】
2022年度は、ZEH住宅を建築・購入する方への補助金制度が充実しています。
ZEH補助金1. ZEH支援事業
ZEH支援事業は、新築住宅の建築・購入する個人や販売する法人への補助金制度です。対象となる住宅は、ZEHおよびNearly ZEH、ZEH Orientedです。
補助額は「55万円/戸」ですが、蓄電システムを導入する場合は「2万円/kWh」が、補助対象経費の1/3または20万円を上限に加算されます。
またZEHの上をいく性能を有する「ZEH+」への補助額は「100万/戸」です。さらにZEH+は、補助額100万円/戸の「次世代ZEH実証事業」と補助額112万円/戸の「次世代HEMS実証事業」の対象となっています。
ZEH補助金2. こどもみらい住宅支援事業
子育て支援とカーボンニュートラル実現に向けて新設された「こどもみらい住宅支援事業」。同事業は、こどもみらい住宅事業者に登録済みの事業者と不動産売買契約、あるいは工事請負契約した場合でしか適用されませんのでご注意ください。こどもみらい住宅事業者は、公式サイトより確認できます。
補助額は、ZEH住宅の新築および新築住宅の購入で最大100万円。対象は、申請時点において2003年4月2日以降に出生した子を有する子育て世帯、または夫婦いずれかが1981年4月2日以降に生まれた若者夫婦世帯です。
また、最大補助額は下がりますが、認定長期優良住宅や認定炭素住宅、省エネ基準適合住宅も対象となっています。
ZEHは住宅ローン減税でも優遇
ZEH住宅は、住宅ローン減税においても優遇されています。2022年度税制改正により、住宅ローン減税は、住宅性能に応じて細かく限度額が設けられることとなりました。
住宅性能問わず、控除率は一律0.7%ですが、2022年、2023年の新築住宅の借入限度額は、省エネ基準に適合していない住宅が「3000万円」なのに対し、ZEH水準適合住宅は「4500万円」です。
これは、ZEH水準適合住宅の年間最大控除額が、一般住宅と比較して10.5万円高いということを意味しています。控除期間は13年ですから、総額最大136.5万円もの差になります。
さらに、2024年以降は、省エネ基準に適合していない住宅は住宅ローン減税の適用外に。2024年以降も、ZEH水準適合住宅の借入限度額は「3500万円」であるため、13年間で最大318.5万円の控除を受けられます。
中古住宅においても、省エネ基準に適合していない住宅とZEH水準省エネ住宅の借入限度額の差は1000万円、10年間の最大控除額の差は70万円です。
ZEH住宅のメリットは補助金や税制優遇だけじゃない!
ZEH住宅は断熱性能に優れているため、夏は涼しく、冬は暖か。快適な生活が送れるとともに、光熱費の削減も見込めます。さらに、住まいの温度を一定に保ちやすいことから、心筋梗塞や高血圧症、ヒートショックの予防効果にも期待できるとされています。
住まいの省エネ性能に対する消費者の意識も、今後ますます向上していくでしょう。資産価値維持の観点からも、省エネ性能の高いZEH住宅を取得するメリットは大きいと考えられます。
お住まい選びに際して、費用やデザイン、メーカーなどは皆さん気にされるところだと思いますが「省エネ性能」についてもぜひチェックしてみてください。
参考資料
国土交通省「令和4年度3省連携事業 ネット・ゼロ・エネルギー・ハウスの推進に向けた取り組み(https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/content/001474252.pdf)」
ZEHロードマップフォローアップ委員会「更なるZEHの普及促進に向けた今後の検討の方向性等について(https://www.enecho.meti.go.jp/category/saving_and_new/saving/general/pdf/20210331.pdf)」
経済産業省資源エネルギー庁「ZEHの定義(改定版)(https://www.enecho.meti.go.jp/category/saving_and_new/saving/assets/pdf/general/housing/zeh_definition_kodate.pdf)」
一般社団法人環境共創イニシアチブ「2022年の経済産業省と環境省のZEH補助金について(https://sii.or.jp/moe_zeh04/uploads/zeh04_pamphlet1.pdf)」
国土交通省「こどもみらい住宅支援事業(https://kodomo-mirai.mlit.go.jp/)」
国土交通省「令和4年度国土交通省税制改正概要(https://www.mlit.go.jp/page/content/001445195.pdf)」
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