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【iDeCo】転職した人が知らないとまずい「企業年金」のポイントとは

LIMO / 2022年4月28日 11時10分

【iDeCo】転職した人が知らないとまずい「企業年金」のポイントとは

【iDeCo】転職した人が知らないとまずい「企業年金」のポイントとは

「年金制度は崩壊する」。

疑問視されることが多い年金制度ですが、老後の収入の柱となるのは間違いありません。
引退までに何千万円という資産を持てる人は年金を当てにする必要はありませんが、そんな人は少数でしょう。

年金を増やす方法について紹介した書籍や記事は多数ありますが、あまり触れられていない話題があります。

それが、企業年金です。

制度が複雑なため、転職や独立によってもらい忘れてしまう人が多いのです。

ここでは拙著『リスクゼロでかしこく得する 地味なお金の増やし方』(クロスメディア・パブリッシング)でも紹介した「企業年金を損しない方法」についてお伝えします。

1. 企業年金連合会に連絡すれば年金をもらえることも

画像出典:kazuma seki/istockphoto.com

国民年金が年金の1階部分なら、厚生年金が2階部分、そして3階部分に相当するのが企業年金です。

以前は厚生年金基金という許認可法人がその役割を担ってきましたが、バブル崩壊後、資金運用で損失をだし、積立金不足に陥る基金が続出。大半の基金が解散してしまいました。

近年、代わりに3階部分を担当するのは、確定給付企業年金と確定拠出企業年金(企業型確定拠出年金とも呼びます)です。

確定給付企業年金は、会社が社員に掛金を支払い、その積立金を運用します。

確定拠出企業年金は、会社が社員に掛金を支払い、社員が自分で運用先を選んで運用します。

確定給付企業年金と確定拠出企業年金制度を設けているのは大企業が中心で、中小企業では制度がない会社が多いです。

しかし日本経済に余裕があった平成の前半までは、中小企業でも多数の会社が厚生年金基金に加入していました。

ところが先ほど述べたように、厚生年金基金の大半は資金不足などで解散してしまい、連絡をしても繋がらない状況です。

ですが、もらえないとあきらめてしまうのは早計です。

基金が解散したからといって、そのときの掛け金が無駄になるわけではありません。

解散した厚生年金基金の加入履歴は、企業年金連合会に移管されています。

年金手帳を用意して、「企業年金連合会」に連絡してみましょう。

2. 転職時は「iDeCo」への移行を忘れないように

画像出典:maroke/istockphoto.com

最近では、福利厚生の一環や退職金の代わりとして、企業型確定拠出年金制度を導入する会社が増えました(2020年3月現在で、36,449事業所)。

企業型確定拠出年金を利用している人が転職する際は、転職先の会社も同様に企業型確定拠出年金に加入しているかどうかを確認しましょう。

なぜなら、転職先が企業型確定拠出年金を導入していない場合は、iDeCo(個人型確定拠出年金)に移行する必要があるからです。

会社員を辞めて独立した場合も同様に、iDeCoに移行する手続きをしなければなりません。

企業型確定拠出年金の資格喪失後、6ヶ月以内に移換手続きを取らなかった場合は、それまでに拠出してきた年金資産はすべて国民年金基金連合会に自動移換されます。

そうなると、次のようなデメリットが生じます。

年金資産が現金化されて運用できない状態になるため、資産がそれ以上増えなくなる

国民年金基金連合会への自動移換時(手数料4,348円)と、そこから企業型確定拠出年金またはiDeCoへの移換時(企業型確定拠出年金の場合は1,100円、iDeCoの場合は3,929円)の2回にわたって手数料が発生する

4ヶ月が経過すると毎月52円の手数料が発生する

実際、年間30万人もの人が、企業型確定拠出年金からiDeCoへの移行をしていないという事実があります。

給料や勤務時間、福利厚生などについては入社時に説明を受けると思いますが、企業型確定拠出年金については確認や説明が抜け落ちてしまうときがあるからです。

iDeCoの移行手続きは煩雑です。

転職直後は、余裕がないので忘れがちになりますが、大切な金融資産なので、かならず自分で確認しましょう。

3. 引越しした際は「住所変更」の連絡を忘れずに

老齢基礎年金と老齢厚生年金については、65歳になる3ヶ月前に日本年金機構から年金請求書が送られてくるので、請求書に必要事項を記入して提出します。

企業年金は、それとは別に「企業年金連合会」から請求書が送られてきます。これに記入して提出しないと、もらえません。退職後、引っ越しなどにより住所が変わった場合、企業年金連合会に住所変更届を忘れると請求書が届かかなくなるので注意しましょう。

国からの連絡は、依然として郵送による書面が中心です。住所の移転届を出していないと、年金に限らず様々な通知が届かず、もらえるお金ももらえなくなってしまいます。

4. わからなければ専門家に頼ろう

年金の本などではおまけのように語られることが多い企業年金ですが、個人的には年金を増やす上で重要な知識だと考えています。

なぜなら企業年金は、会社を定年前に退職するとサポートしてくれる人がいません。

定年まで勤めあげた人には請求についての説明が会社からあると思いますが、途中で退職した人にまで教えてくれる親切な会社は少数だからです。

その結果、厚生年金基金や確定給付企業年金、確定拠出企業年金を途中で脱会して処理がなされず、宙ぶらりんとなっているケースが多いのです。

毎年、みなさんの手元に届く年金定期便にも、一部しか記録が載っていないということも起こり得ます。

不明点があれば、お近くの年金事務所などに足を運び、確認することおすすめします。

参考資料

iDeCo公式サイト(https://www.ideco-koushiki.jp/)

日本年金機構(https://www.nenkin.go.jp/)

全国国民年金基金(https://www.zenkoku-kikin.or.jp/)

企業年金連合会(https://www.pfa.or.jp/)

 

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