優待株のオリックス、株価が反転してTOPIXを上回った「3つのワケ」とは
LIMO / 2022年5月1日 6時15分
優待株のオリックス、株価が反転してTOPIXを上回った「3つのワケ」とは
イチローのCMや街中のカーシェアなどで親しみのあるオリックス。
事業内容はリースや生命保険、航空機リースなど多岐にわたりますが、今、長期スパンで見て株価が好調なのはなぜでしょうか。
今回はそのオリックスの株価動向やその背景を紹介します。
1. オリックスの株価パフォーマンスは2021年5月にTOPIXをアウトパフォーム!
まずは3年前(2019年4月)を起点として、オリックスの株価とTOPIXのパフォーマンスを比べてみましょう。(株価チャートは画像参照)
こうして見ると、オリックスの株価パフォーマンスはコロナ禍においてTOPIXを長らく下回っていました。
移動の自粛が世界的に促される中、カーシェア・レンタカーや航空機リース、空港運営などを手掛けるオリックスに対して業績悪化の懸念が強まるのは自然で、株価が軟調だったのもうなずけます。
しかし、コロナ禍中ずっと軟調だったわけではありません。
2020年11月頃からのオリックス株の持ち直しの勢いは相対的に強く、2021年5月にはついにTOPIXを上回りました。
そして、その後もTOPIXに対してパフォーマンスの差を広げています。
2. オリックス株を押し上げている3大要素とは
コロナに収束の兆しが見えつつあるとはいえ、世界経済は完全には回復しておらず、オリックスにとって事業環境が厳しいままであることに変わりありません。
それなのに、株価のパフォーマンスが良好なのはなぜなのでしょう。
2.1 ROE10%の回復期待
まずひとつ目は、ROEの回復に向けた期待です。
オリックスは2014年3月期から2020年3月期にかけて、ROE10%以上という高い資本効率性を維持してきました。
2021年3月期はコロナの影響を受けて6%台に落ち込み、厳しい事業環境も相まって、さらなる悪化の恐れもありました。
しかし、オリックスは2021年終盤に業績予想の上方修正を発表し、2022年3月期の通期純利益予想は従来の2500億円から3100億円へと引き上げられました。
こうした流れの中、ROEに対して、持ち前の10%台という高水準の回復が期待されているのではないでしょうか。
業績回復の背景には、株式や不動産の売却益といった一時的な要素も含まれているものの、法人営業やリースなど本業の持ち直しも着実に見て取れ、業績悪化の懸念が薄らいでいる状況と考えられます。
2.2 再生可能エネルギー事業の拡大
オリックスは従来太陽光発電を中心に再生可能エネルギー事業にも注力してきましたが、近年ではインドやスペインの再エネ企業の株式を取得するなど、国内外で積極的な展開を見せています。
再生可能エネルギーは欧米を中心に急速に普及しつつあり、日本でも洋上風力発電のプロジェクトが政府主導で進むなど、市場は拡大を続けています。
こうした背景により、オリックスの成長性への期待が高まっているのでしょう。
また、株式市場では「ESG投資」の一環で再エネ関連株を高評価する潮流もあり、こちらも買いにつながっていそうです。
2.3 カジノへの夢
オリックスはカジノ関連株でもあります。
2022年4月27日には、日本MGMリゾーツとの共同投資により、大阪IRの事業実施を目的として設立した法人が、大阪府・大阪市とともに大阪・夢洲地区特定複合観光施設区域整備計画について国への認定を申請したと発表しました。
日本でのカジノについては市場規模や収益性といった経済面のほか、法律面でも不透明な部分は多いですが、世間での注目度が高いのは事実です。
いずれにせよ、今後国内でカジノ関連の大市場が生まれる見通しの中、オリックスがビッグプレーヤーとして先行者利益を得ていくことの期待感は高そうです。
3. 続報がさらにオリックスの株価を押し上げるか
このように様々な注目材料のあるオリックス。
株価の値上がりについて、「もう売って利益を確定してしまおうか?」と考えている投資家もいらっしゃるのではないでしょうか。
確かに上昇トレンドが続くと利益確定売りは出やすくなり、短~中期的に値下がりすることはあります。
しかし、上記の通り、オリックスには再エネ事業やカジノ事業に対する長期的な期待感があります。
今後のオリックスの動向に注目です。
参考資料
オリックス株式会社 投資家情報(https://www.orix.co.jp/grp/company/ir/)
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