【投資信託】30代と60代の保有が特に増加!みんな何に投資しているのか、元証券会社社員が解説
LIMO / 2022年5月11日 14時50分
【投資信託】30代と60代の保有が特に増加!みんな何に投資しているのか、元証券会社社員が解説
「国内株式投資信託」より「外国株式投資信託」が上回る時代へ
つみたてNISAやiDeCoなどではじめる方も多い「投資信託」の積み立て。
2019年には、年金以外に2000万円必要という「老後2000万円問題」が話題となりました。
老後を考えると運用も取り入れなければと思うものの、はじめるとなると怖いという方は多いでしょう。
実際にどれくらいの人が投資信託を保有していて、どのようなタイプの投資信託で運用しているのでしょうか。
今回は一般社団法人投資信託協会が全国の20~79歳の男女2万人に行った「2021年度投資信託に関するアンケート調査報告書(投資信託協会)」を参考に、投資信託へ投資する割合やどのタイプの投資信託を保有する人が多いかなどを見ていきます。
【投資信託】30代と60代の保有が前年比で約2ポイント増加
同調査によると、投資信託を現在保有している人は27.9%。
2019年から2020年は1.1ポイントの増加ですが、2020年から2021年は4.5ポイントと大きく増加しています。
コロナ禍によるお家時間の増加や将来への不安が影響したのでしょうか。
保有層の年代構成をみると、以下の通り。
投資信託現在保有層の年代構成:2021年(2020年)
20代:11.4%(11.1%)
30代:18.1%(15.8%)
40代:21.0%(20.2%)
50代:16.4%(16.5%)
60代:16.8%(19.4%)
70代:16.2%(16.9%)
前年比に比べると30代が2.3ポイント、60代が2.6ポイントと他の年代に比べて増加しています。
60代は退職金が入る年代でもあり、一部で運用をはじめる方も多いでしょう。セカンドライフがはじまる年代なので、資金寿命を伸ばすことに関心が高い方も多い世代です。
一方の30代はまだ若く、老後までに時間があります。ただ住宅ローンや教育費を抱える方も多く、あわせて老後資金を貯めるとなると不安を覚える方も多いでしょう。
実際に住宅ローンを払いながら教育費を貯める中で、資産運用を取り入れる必要性も感じる方が多いのではないでしょうか。
最も多い種類は「外国株式投資信託」国内株式投資信託を追い越す結果に
投資信託といっても、さまざまな種類があります。
現在保有層が保有している投信の種類を見ていきましょう。
2021年の投資信託の保有種類
外国株式投資信託:53.9%
国内株式投資信託:50.2%
分散型投資信託:22.8%
国内債権投資信託:15.1%
外国債券投資信託:14.9%
ETF:11.6%
国内不動産投信(Jリート)に投資する投資信託:9.8%
外国の不動産投信に投資する投資信託:7.8%
国内不動産投信(Jリート):5.4%
その他:0.6%
2020年は国内株式投資信託が54.4%でしたが2021年には約4ポイント下がり、逆に外国株式投資信託は前年比で約10ポイントも増加しています。
年々、国内株式投資信託が減り、外国株式投資信託が増えているようです。
特に若い世代の方ではつみたてNISAをはじめる方が増えていますが、つみたてNISAの非課税期間は最長20年間です。20年間と長期間投資するとなると、どのような社会情勢でも成長できる先に投資したいと考える方は多いでしょう。
コロナ禍では「いつ何が起こるかわからない」という危機感を感じた方が多いのではないでしょうか。
そういった状況では日本といった一国ではなく、幅広く成長できる世界に分散された投資信託を選ぶ方が増えているでしょう。
【投資信託】つみたてNISAは30代が最も多い
30代や60代で投資信託の保有割合が増えているようすや、外国株式投資信託の人気の高さを見てきました。
実際に投資信託で運用をはじめる人は増えているのか、特にわかりやすいのがNISA制度の利用者数でしょう。
金融庁の資料によると、NISA(一般・つみたて)における商品別買付額は以下の通り。
商品別比率では、「投資信託(57.2%)」と最も多く、次いで「上場株式(40.0%)」です。
特につみたてNISAの買付額の年代別比率を見ると、「30代(27.8%)」「40代(26.9%)」と、30~40代が最も多くなっています。
現代の20~40代は老後資金への不安が大きいという結果があらわれているともいえるでしょう。
運用にはリスクがありますが、一定額を積み立てる投資信託であれば長期間運用するほどリスクが減り、利息に利息がつく複利の効果も期待できます。つみたてNISA制度を利用すれば、毎年40万円まで、最長20年間運用益が非課税になるので、将来の資産形成のために利用するのはいいでしょう。
投資信託で運用する人が増えている現代。平均年収が約30年上がらない状態や、将来年金が減る可能性を考えると、運用は一つの有効な手段になります。
まずは情報収集からはじめて、自分のリスク許容度に合った運用を取り入れてみてはいかがでしょうか。
参考資料
金融庁「『NISA・ジュニアNISA口座の利用状況に関する調査結果(令和3年6月末時点)』の訂正について」(https://www.fsa.go.jp/policy/nisa/20211012.html)
一般社団法人投資信託協会「2021年度投資信託に関するアンケート調査報告書(投資信託協会)」(https://www.toushin.or.jp/statistics/report/research2021/)
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