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「損害賠償や本業クビにも発展?」会社員が副業を始める時に絶対見るべき、契約書の”本当の”注目点とは

LIMO / 2022年5月9日 6時15分

「損害賠償や本業クビにも発展?」会社員が副業を始める時に絶対見るべき、契約書の”本当の”注目点とは

「損害賠償や本業クビにも発展?」会社員が副業を始める時に絶対見るべき、契約書の”本当の”注目点とは

仕事にも慣れてくると、最近では「副業」を考える人も少なくないでしょう。

副業の形態には大きく分けて2種類あります。

1つは雇用契約を結んで働くもの。

もう1つは、フリーランスとして非雇用形態で請け負うものです。

場所や時間の制限を受けない非雇用形態は気軽に始められますが、労働法により守られないため、リスクも発生します。

この記事では拙著「リスクゼロでかしこく得する 地味なお金の増やし方」(クロスメディア・パブリッシング)でも紹介した「副業で損しないために知っておきたいこと」をお伝えします。

1. 仕事を始める前に契約書を交わそう

mapo_japan/shutterstock.com

雇用契約を結ばない場合も、仕事を請ける際は契約書を締結しましょう。

働いたぶんだけお金になる会社員とは異なり、非雇用形態の副業は時間をかけたからといって確実にお金をもらえる保証がありません。

あとで「話が違う」とならないよう、事前に契約書を結んでおくことが大切です。

国が策定を進めている「フリーランスとして安心して働ける環境を整備するためのガイドライン」でも、フリーランスに発注する際は書面の交付が義務づけられています。

今後は、業務委託時に書面で契約を交わすことは正当な権利となります。

契約を要求すると発注者から面倒がられるのではと躊躇する人もいるかと思いますが、契約書を要求して渋い顔をする発注先は敬遠しましょう。

契約書を渋るその裏には、フリーランスを都合よく使おうという魂胆があります。

要するに地雷である可能性が高いからです。

ただ契約書というと、難しい法律用語が並んでいてどこをチェックしてよいかわからない人も多いでしょう。

そこで、契約書を締結する際、チェックすべき3つのポイントを紹介します。

2. 「担当業務の範囲」を明確にしておこう

ひとつめのポイントは「担当業務の範囲」です。

諸外国と異なり、日本の会社ではフリーランスに限らず、担当する業務について明確に定められていない傾向があります。

いわゆるジョブディスクリプション(職務記述書)というものを設けていない職場が多いのが特徴です。

担当を明確にしないことで、なにかの案件が発生した場合に、気がついた人や居合わせた人がすぐに対処できるというメリットはあります。

高品質で迅速なサービスを提供する観点からすると、必ずしも悪いことではありません。

しかし非雇用形態で仕事を請ける場合は、どれだけ時間をかけても報酬は変わりません。

予想していたよりも複雑な仕事を依頼されて時間がかかったとしても、後からでは交渉しづらいでしょう。

たとえばWebライティングの仕事なら文章を書くだけよいのか、公開するための編集作業までも含んでいるのか、さらには図版の作成や写真の撮影まで行うかによって、かかる時間が大きく変わってきます。

事前に担当する業務の内容を明確にしておく必要があります。

3. 「委託業務の期間や時間」を把握しておこう

プログラミングなどの仕事では、納品後に不具合が見つかることがあります。

当然、不具合は直さなければなりませんが、納品の数年後に行われたOSのアップグレードなどにより、納品時には想定できなかった問題が発生するかもしれません。

そのため、電化製品やソフトウェア製品のサービス保障期間のように、いつまで対応するかも決めておくべきでしょう。

また、閉店までという条件で知人のお店を手伝ったりするようなケースでは、閉店時間まで働けばよいと考えるあなたと、閉店後の片づけまで手伝うのが常識と思っている店舗経営者の間に、認識のずれが発生するかもしれません。

こういった点も契約書で明確にし、合意しておくと安心です。

4. 「損害賠償」の項目は厳しくチェックを

意図的ではないにせよ、不幸にも問題が発生する恐れもあります。

たとえば、使用しているPCがハッキングされ、クライアントの機密情報が流出してしまったといったようにです。

こういったトラブルを想定して、契約書に損害賠償の項目がある場合もあります。

労働基準法では、「依頼した業務を途中で辞めた場合は、違約金を払わなくてはならない」「会社に損害を与え場合は、○○万円の損害賠償金を払わなくてはならない」といった契約の締結を禁止しています。

労働者の責任によって発生した損害について請求することは禁止されていないものの、故意や不正行為でない限り、発生した損害について請求されるケースは滅多にありません。

しかし、非雇用形態の副業の場合は、雇用先企業の「労働者」には当てはまらないため、労働基準法の保護から外れてしまいます。

そのため、契約書に「損害賠償」についての規定があれば、従うしかありません。

もちろん、下請法など非雇用形態の人を保護する法律はありますが、「損害賠償金を払え」などと言われたら動揺してしまう人は多いかと思います。

事前に契約書を確認し、そういった取り決めが含まれていないかどうかは確認しておきましょう。

5. 就業規則に副業についてどう書かれているか確認しよう

副業でつきあう企業との契約について見てきましたが、本業の会社の取り決めにも要注意です。

会社が副業を認めていたとしても、就業規則にどう書かれているかは必ず確認するようにしましょう。

たとえば、ゲーム会社で正社員として働きながら、別のゲーム会社から副業として仕事を請けるとします。

こういった場合、競合する同業他社の仕事を請けるのは非雇用型であっても禁止している会社が大半です。

自宅で作業すればわからないと思っていても、業界内の人間関係は意外と狭く繋がっていたりするため、人づてにばれてしまうこともあります。

実際に、私が顧問をしている企業から「競合先の会社でアルバイトしている社員を懲戒処分にしたい」という相談を受けたこともあります。

副業をする際は、自社の就業規則には目を通しておきましょう。

参考資料

労働基準監督署 東京労働局(https://jsite.mhlw.go.jp/tokyo-roudoukyoku/kantoku.html)

厚生労働省(https://www.mhlw.go.jp/index.html)

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