50代と40代「おひとりさま」の平均貯蓄額を探る。厚生年金の平均受給額にも格差が
LIMO / 2022年5月14日 5時50分
50代と40代「おひとりさま」の平均貯蓄額を探る。厚生年金の平均受給額にも格差が
50代と40代の貯蓄額や年金受給額を探る
生涯未婚のまま過ごす、いわゆる「おひとりさま」が増えている昨今。ひとりで生活する気楽さがある一方で、老後の生活がふと心配になる方もいるのではないでしょうか。
ひとりの生活の支えとなる、老後資金。老後資金の不安は、将来への不安そのものになるので、しっかり対策をしておきたいところです。
そこで、今回は今の40~50代の方が、貯蓄をいくらもっているかを紹介していきます。
おひとりさまが預貯金のほかに持つ金融商品など、気になるお財布事情をチェックしていきましょう。
【注目記事】「厚生年金だけで月平均20万円の年金収入」という羨ましい人は日本に何パーセントいるか(https://limo.media/articles/-/28760)
50代と40代【おひとりさま】の貯蓄格差はどのくらいか
40~50代のおひとりさまの貯蓄事情をまずはながめていきます。
金融広報中央委員会の「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査](令和2年)」を参考にみていきましょう。
50代・単身世帯の貯蓄(金融資産を保有していない世帯を含む)
金融資産非保有:41.0%
200万円未満:15.2%
200~400万円未満:6.8%
400~700万円未満:8.1%
700~1000万円未満:5.6%
1000~1500万円未満:5.3%
1500~2000万円未満:3.0%
2000~3000万円未満:4.3%
3000万円以上:7.6%
無回答:3.0%
平均値:924万円 中央値:30万円
※平均値は一部の極端に大きい値に影響され、数値が大きくなりやすい傾向にあります。中央値のほうが、平均よりも実態を反映しやすいと言われています。
40代・単身世帯の貯蓄(金融資産を保有していない世帯を含む)
金融資産非保有:35.5%
200万円未満:21.1%
200~400万円未満:7.9%
400~700万円未満:8.2%
700~1000万円未満:4.3%
1000~1500万円未満:5.5%
1500~2000万円未満:3.6%
2000~3000万円未満:2.5%
3000万円以上:5.7%
無回答:5.7%
平均値:666万円 中央値:40万円
40~50代のどちらも、貯蓄200万円未満は半数以上となっています。
一方で1000万円以上保有している人は40代で17.3%、50代で20.2%となり、約2割。同じ年代のなかでも、貯蓄額には大きな格差があります。
50代と40代【おひとりさま】貯蓄の内訳を見る
ここからは、40~50代の貯蓄の中身を見てみましょう。
50歳代・金融商品保有額:924万円
預貯金:322万円
金銭信託:5万円
生命保険:97万円
損害保険:14万円
個人年金保険:89万円
債権:17万円
株式:259万円
投資信託:104万円
財形貯蓄:8万円
その他金融商品:8万円
40歳代・金融商品保有額:666万円
預貯金:263万円
金銭信託:8万円
生命保険:60万円
損害保険:5万円
個人年金保険:36万円
債権:14万円
株式:176万円
投資信託:55万円
財形貯蓄:29万円
その他金融商品:21万円
40~50代ともに、貯蓄のなかで預貯金の割合が最も大きくなっています。
次に多いのが株式です。40代で176万円、60代で259万円となり、年代を経るごとに増えています。自分で働いてお金を稼ぐのに加えて、お金にも働いてもらう資産運用を取り入れている人がいるのでしょう。
そのほかにも、投資信託や生命保険、個人年金保険もまとまった金額になっています。資産運用を上手に活用している人が一定数いることがわかります。
50代と40代の貯蓄よりも気になる?厚生年金の平均受給額はいくらか
ここまで、40~50代の貯蓄についてながめてきました。
ここまで解説してきた貯蓄を老後資金に回す人も多いでしょう。貯蓄とともに、老後資金の大きな柱のひとつとなるのが年金です。
そこで、ここからは年金の受給額の実態もみていきましょう。会社員の人が原則加入する厚生年金について解説していきます。
厚生年金の受給者は、男女合わせて全体で1610万133人います。次に、各受給者が月平均でいくら年金をもらっているのか、1万円単位で受給者数をチェックしていきます。
厚生年金の年金月額階級別の老齢年金受給者数のデータ
1万円未満:10万511人
1万円以上~2万円未満:1万8955人
2万円以上~3万円未満:6万6662人
3万円以上~4万円未満:11万9711人
4万円以上~5万円未満:12万5655人
5万円以上~6万円未満:17万627人
6万円以上~7万円未満:40万1175人
7万円以上~8万円未満:69万4015人
8万円以上~9万円未満:93万4792人
9万円以上~10万円未満:112万5260人
10万円以上~11万円未満:111万9158人
11万円以上~12万円未満:101万8423人
12万円以上~13万円未満:92万6094人
13万円以上~14万円未満:89万7027人
14万円以上~15万円未満:91万3347人
15万円以上~16万円未満:94万5950人
16万円以上~17万円未満:99万4107人
17万円以上~18万円未満:102万4472人
18万円以上~19万円未満:99万4193人
19万円以上~20万円未満:91万6505人
20万円以上~21万円未満:78万1979人
21万円以上~22万円未満:60万7141人
22万円以上~23万円未満:42万5171人
23万円以上~24万円未満:28万9599人
24万円以上~25万円未満:19万4014人
25万円以上~26万円未満:12万3614人
26万円以上~27万円未満:7万6292人
27万円以上~28万円未満:4万5063人
28万円以上~29万円未満:2万2949人
29万円以上~30万円未満:1万951人
30万円以上~:1万6721人
全体の平均値は14万4366円となりました。
9万円以上~10万円未満の受給者数が多いことがわかります。
平均値は一部の大きな数値に影響を受けやすいものの、9万円以上~10万円未満の受給額は全体平均に比べると少なく感じます。
50代と40代「おひとりさま」の貯蓄や年金受給額には差がある
40~50代のおひとりさまの貯蓄や、年金の受給額には大きな格差があることがわかりました。
ケガや病気などトラブルが起きたときのためにも、まとまった貯蓄を用意しておきたいものです。ただ、銀行預金のみでは貯蓄を大きく伸ばすのはなかなか難しいでしょう。
そこで次のステップとして、資産運用の導入も検討してみましょう。
資産運用というと難しいイメージを持っている人もいると思いますが、今はつみたてNISAやiDeCoなど、制度も整備されつつあります。
つみたてNISAやiDeCoといった投資信託は、長期で毎月コツコツと積み立て投資を行うことで、リスクを抑えながら資産運用ができます。
まずはこうした投資信託をじっくり調べてみるといいでしょう。
参考資料
金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査](令和2年)」(https://www.shiruporuto.jp/public/document/container/yoron/tanshin/2020/20bunruit001.html)
厚生労働省「令和2年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」(https://www.mhlw.go.jp/content/000925808.pdf)
外部リンク
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