元銀行員が語る、「お金が貯まらない人」に共通のNG行動3選。貯金・財産を増やすコツも紹介!
LIMO / 2022年5月16日 19時50分
元銀行員が語る、「お金が貯まらない人」に共通のNG行動3選。貯金・財産を増やすコツも紹介!
コロナ禍で企業の財政状況が悪化して、仕事を失ったりお給料が減ったりする人が増えています。
これまで以上に貯金の必要性を痛感している人も多いことでしょう。
一方、元銀行員の筆者は「同じ額の給料をもらっていてもお金が貯まる人と貯まらない人がいる」という現実を見てきました。
そして、多くのお客様と取引しているうちに、お金が貯まらない人には共通の特徴があることにも気づきました。
そこで今回は、お金が貯まらない人に共通の特徴や、貯蓄の基本についてご紹介します。
1. 日本人の貯蓄額の平均はどれくらいか
総務省統計局の「家計調査報告(貯蓄・負債編)-2020年(令和2年)平均結果-(二人以上の世帯)」より、まずは二人以上世帯の貯蓄を確認しましょう。
二人以上世帯の貯蓄現在高は1791万円。ちなみに年間収入は634万円です。
貯蓄保有世帯の中央値をみると1061万円となっています。
みんな1000万円以上の貯蓄を保有しているのでしょうか。
20~70代の年代別でも確認します。
同調査より、20~70代の働く世代に視点をあてて、平均的な貯蓄額を確認します。
1.1 働く世帯の「年齢別貯蓄現在高」
~29歳:377万円
30~39歳:750万円
40~49歳:1071万円
50~59歳:1681万円
60~69歳:2094万円
70歳~:1962万円
最も貯蓄額が高いのは60代で2000万円を超えています。老後2000万円問題をクリアしているご家庭もいるようです。
貯蓄が1000万円を超えるのは40代からとなっています。
働き盛りな一方で、住宅ローンや教育費がかかる年代です。
その中でも工夫して貯蓄されているのでしょう。
2. 元銀行員が明かす「お金が貯まらない人にありがちな特徴3選」
では、お金が貯まらない人にはどんな特徴があるのでしょうか。
「なかなかお金が貯まらない」と思っている人は、自分に当てはまるところがないかどうかチェックしてみてください。
2.1 いつも頭に「節約」の二文字がある
貯金の方法は、突き詰めると「収入を増やす」「出費を減らす」「資産運用する」の3通りしかありません。
家計が赤字では貯金はできませんが、節約生活で我慢を続けていると知らず知らずのうちにストレスがたまってしまいます。
「今日はがんばったから自分にご褒美」「たまにはムダ遣いしてもいいか」といった口実で浪費してしまう人もいるのではないでしょうか。
それが積み重なると、「がんばっているのに貯金が増えない」といった事態になりかねません。
がむしゃらに節約するのではなく、まずは収入や固定費を洗い出して「自由に使えるお金はどのくらいなのか」を知るところから始めましょう。
2.2 自分が何にお金を使っているかわからない
財布や銀行に、今お金がどのくらいあるか言えますか?
「見当もつかない」という人は、お金の使い方を見直しましょう。
大きな出費だけでも目につきやすい場所に記録しておくと、ムダ遣いを防ぎやすくなります。
自宅にいながらスマホひとつで買い物ができるようになったことで、一時的な欲求のままに購入ボタンを押してしまう人が増えています。
特に、お酒に酔っているときは要注意です。
欲しい物が出てきたら、次の日まで購入を待ってみましょう。
考え方が変わるかもしれません。
2.3 利用している銀行は1つだけ
使っている銀行が1つしかないと貯金と生活費を区別できないため、貯めていたつもりのお金をいつのまにか使ってしまうおそれがあります。
基本的に1つの銀行にはプライベート用の普通預金口座を複数開設できません。
自分名義の口座が1つしかない人は定期預金を上手に活用しましょう。
ただし、預貯金が保護されるのは1銀行あたり元本1000万円と利息のみです。
複数の銀行に口座を開設して生活費用と貯金用に分ける方法も効果的です。
口座開設の手続きを面倒だと思う人もいるかもしれませんが、ネット口座なら比較的簡単に口座が作れます。
高金利の定期預金を扱っているケースも多く、賢く利用すれば普通の銀行にお金を預けるよりもお得です。
3. 貯蓄の基本とは
ではここで、貯蓄の基本を振り返りましょう。
3.1 貯め時・支出時を見極める
どんな人でもライフステージごとに「今は貯められるとき」「今は出費がかさむ時期」と分かれます。
避けたいのは、「あのときに貯めておけばよかった!」と後悔すること。
一般的に、子どもが小学校低学年までは教育費もかさばらず、お金を貯める黄金期と言われます。
ここを逃すとまとまったお金が出ていく時期にさしかかるため、それまでに準備をしておきたいです。
反対に、「住宅購入時」「子どもの大学入学時」などはお金がかかる時期です。
数百万円単位で出費するため、年収を超える可能性もあります。
事前にわかっておけば「今は仕方ない」と思えますが、想定していないときには不安がかさむでしょう。
このように、ライフステージにおける「貯め時・支出時」を事前に見極めることで、計画的に貯蓄することが大切です。
3.2 固定費を見直す
支出を削るときに大事なのが、固定費の見直し。
スマホや電気のプラン・会社をしっかり見直しましょう。
また意外に見落としがちなのが保険です。
保障が重なっていたり、不必要に高い保険金をかけていることはありませんか。
生命保険の場合、年齢があがるほどに保険料は高くなります。
そのため「今解約して入り直すのはもったいない」と思って放置してしまうこともありますが、新しい保険が販売されることにより安い保険料で済む可能性もゼロではありません。
保障が足りているかも含め、一度見直す時間を作りましょう。
3.3 貯まる仕組みをつくる
なんとなく口座にお金を貯めているままという方は、この春に「貯まる仕組み作り」をしてみましょう。
口座を「生活費用」「子どもの教育費用」「老後資金用」「資産運用」など複数にわけることで、お金に色をつけることができます。
自動積立定期預金などを使えば、簡単にお金がたまる仕組みを作ることができます。
年度当初は1年を見通した家計管理もしやすいので、ぜひ始めてみましょう。
口座に紐付いたクレジットカードも、「生活費用」「食費用」「子ども用」などとわけてしまえば、面倒な家計簿からも解放されるのでおすすめです。
3.4 お金にも働いてもらう
預貯金以外にも検討したいのが、資産運用でお金に働いてもらうという視点です。
資産運用をしていない方にとって、その印象はさまざまでしょう。
「最近やたらとおすすめされていて怪しい」「博打と一緒で、得することもあれば損することもあるのでは」など。
当然資産運用には「資産が減る」というリスクが存在するため、「貯蓄したい人は必ずしましょう!」とは言えません。
しかし安全に思える預貯金であっても、インフレというリスクはあります。
人によって「利息がつかない」ことをデメリットに感じることもあるでしょう。
貯蓄の方法については、どちらが「良い・悪い」ではなく、できれば両方を備えることでリスクを分散させるのが理想です。
資産運用に興味がありつつ踏み出せていない方は、まずは情報収集することから始めてみてはいかがでしょうか。
ご紹介した貯蓄術をもとに、「貯蓄1000万円」を目指していきたいです。
4. 自分ができるところから貯蓄を始めよう
いかがだったでしょうか。
いきなり生活をガラリと変えるのは難しいかもしれませんが、まずはできることから実践していきましょう。
参考になれば幸いです。
4.1 【ご参考】貯蓄とは
総務省の「家計調査報告」[貯蓄・負債編]によると、貯蓄とは、ゆうちょ銀行、郵便貯金・簡易生命保険管理機構(旧郵政公社)、銀行及びその他の金融機関(普通銀行等)への預貯金、生命保険及び積立型損害保険の掛金(加入してからの掛金の払込総額)並びに株式、債券、投資信託、金銭信託などの有価証券(株式及び投資信託については調査時点の時価、債券及び貸付信託・金銭信託については額面)といった金融機関への貯蓄と、社内預金、勤め先の共済組合などの金融機関外への貯蓄の合計をいいます。
参考資料
総務省統計局「家計調査報告(貯蓄・負債編)―2020年(令和2年)平均結果―(二人以上の世帯)」(https://www.stat.go.jp/data/sav/sokuhou/nen/index.html)
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