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60代でも老後準備は必要?【60代】平均貯蓄額と年間手取り収入からの貯蓄割合は何パーセントか

LIMO / 2022年5月18日 14時50分

60代でも老後準備は必要?【60代】平均貯蓄額と年間手取り収入からの貯蓄割合は何パーセントか

60代でも老後準備は必要?【60代】平均貯蓄額と年間手取り収入からの貯蓄割合は何パーセントか

高齢者世帯「年金だけで生活」するのは約5割

各年代の中でも、60代は過ごし方に個人差が大きい年代でしょう。

退職してセカンドライフを楽しむ方もいる一方で、今は60代で働く方も多い時代です。やりがいを感じる仕事をずっと続けたいという方もいれば、生活のために働き続ける方もいるのではないでしょうか。

「人生100年時代」といわれるこんにち。

金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和3年)」によれば、60代・二人以上世帯の金融資産保有世帯のうち、約6割が貯蓄をしており、年間手取り収入からの貯蓄割合は平均10%です。

今回は60代の貯蓄について、平均や中央値もあわせて詳しく見ていきましょう。

60代、手取りからの貯蓄割合は平均10%。現役世代との違いは?

同調査より、まずは60代・二人以上世帯の金融資産保有世帯のうち、年間手取り収入から貯蓄する割合の分布を確認しましょう。

【60代】年間手取り収入(臨時収入を含む)からの貯蓄割合

平均10%

5%未満:5.0%

5~10%未満:11.9%

10~15%未満:18.6%

15~20%未満:3.6%

20~25%未満:9.2%

25~30%未満:1.1%

30~35%未満:5.4%

35%以上:6.2%

貯蓄しなかった:39.1%

60代の年間手取り収入からの貯蓄割合をみると、平均で10%貯蓄しています。

分布を見ると、最も多いのは「貯蓄しなかった」で約4割。つまり、約6割は60代でも貯蓄を続けているのです。

貯蓄している人で最も多いのは「10~15%未満(18.6%)」ほど。他の年代の貯蓄割合も確認しましょう。

各年代の年間手取り収入から貯蓄割合

30代:14%

40代:12%

50代:12%

30代は14%、教育費などの負担が大きいと考えられる40~50代では12%でした。

30~50代で「貯蓄しなかった」人の割合は20%台前半。貯蓄している人で最も多いのは、60代と同じように「10~15%未満」でした。

60代になって約2割弱は貯蓄しない人が増えるものの、現役時代と同じように貯蓄している人もいると分かります。

【最新データ】60代の平均貯蓄額はいくらか

では、60代ではみなさんどれくらい貯蓄しているのでしょうか。同調査より、平均や分布を確認します。

60代の貯蓄(金融資産非保有を含む)

平均:2427万円・中央値810万円

金融資産非保有:19.0%

100万円未満:6.4%

100万円~200万円未満:4.8%

200万円~300万円未満:3.4%

300万円~400万円未満:3.3%

400万円~500万円未満:2.6%

500万円~700万円未満:5.9%

700万円~1000万円未満:5.3%

1000万円~1500万円未満:8.4%

1500万円~2000万円未満:6.0%

2000万円~3000万円未満:9.6%

3000万円以上:22.8%

60代の貯蓄平均は2427万円と、2019年の「老後2000万円問題」を超えます。しかし平均は一部の富裕層に引っ張られるため、より実態に近い中央値をみると810万円でした。

分布を見ると、貯蓄3000万円以上とゼロ世帯がそれぞれ約2割ほど。貯蓄の世帯差が大きいことが分かります。

ちなみに金融資産保有世帯のみの貯蓄をみると、平均は3014万円、中央値は1400万円です。中央値は約600万円上がるものの、2000万円には届きません。

60代に入っても貯蓄を続ける理由の一つにこの中央値が影響しているでしょう。

「65歳以上の世帯の所得」その内訳とは

なぜ60代に入っても貯蓄に励むのか、その理由の一つにやはり「年金」が挙げられます。

日本年金機構によれば、高齢者世帯(65歳以上の人のみで構成するか、これに18歳未満の未婚の人が加わった世帯)で、「年金のみで生活」する世帯は約5割。

出典:日本年金機構「知っておきたい年金のはなし」

所得のうち年金が6割以上の世帯は27%、6割未満は24.6%です。

1世帯あたりの平均年間総所得では、312.6万円のうち年金が63.6%(199.0万円)を占め、残りは仕事や有価証券等の運用による所得、企業年金、個人年金などになります。

少子高齢化が進む現代においては、この年金が占めるが63.6%が徐々に減っていく可能性も高いでしょう。その分、「仕事や有価証券等の運用による所得、企業年金、個人年金など」の割合を増やすために、個々人が準備をすることが求められます。

今でも、約36%は年金以外で老後の生活費をまかなわなければなりません。今後は4割、5割と年金以外で老後生活を補う必要がある可能性があると考えると、早いうちから備えることが大切となるでしょう。

現役時代に準備するには早さと工夫が必要

60代の平均貯蓄額と手取りからの貯蓄割合を見てきましたが、今後、60代に入っても老後準備をおこなう可能性は高まります。

人生100年時代と考えれば、65歳から老後と仮定しても、35年間あります。

老後35年間分の生活費のおよそ半分を現役時代に準備をするとなると、並大抵のことでは準備しきれません。早いうちから徐々に準備をはじめることと、貯蓄だけでなく運用を取り入れるなどの工夫は必要になるでしょう。

今回のデータを元に、老後準備について考えてみてくださいね。

参考資料

金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和3年)」(https://www.shiruporuto.jp/public/document/container/yoron/futari2021-/2021/21bunruif001.html)

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