50代で貯蓄「1000万円」は当然?全体の平均貯蓄額は1880万円、その中身の半分は預貯金に
LIMO / 2022年5月18日 19時50分
50代で貯蓄「1000万円」は当然?全体の平均貯蓄額は1880万円、その中身の半分は預貯金に
50代の貯蓄の実態を探る
誰かに聞きたいけれども、なかなか話しづらい「お金」の話。「貯蓄」や「借金」がいくらか、話題にすることはなかなか難しいですよね。
さて、みなさんの中には、ひとまずの貯蓄目標額を「1000万円」に掲げている人もいるのではないでしょうか。
今回は、世代ごとの「貯蓄」と「負債」を見ながら、平均の貯蓄額が「1000万円」を超えるタイミングはいつかをチェックしていきます。
50代の貯蓄の前に!全体の平均貯蓄額はいくらか
まず、貯蓄の平均額を見ていきましょう。
総務省が2021年5月に公表した「家計調査報告(貯蓄・負債編)-2021年(令和3年)平均結果-(二人以上の世帯)」によると、世帯当たりの貯蓄額は下記の通り。
1世帯当たり貯蓄現在高・・・1880万円
貯蓄保有世帯の中央値・・・1104万円
いずれも1000万円を超えています。意外に貯蓄額が大きくて驚いた方もいるのではないでしょうか。
貯蓄現在高1880万円を下回る世帯が3分の2
次に、二人以上世帯の貯蓄の分布をみていきましょう。
4000万円以上・・・12.8%
3000万~4000万円・・・6.7%
2500万~3000万円・・・4.8%
2000万~2500万円・・・6.4%
1800万~2000万円・・・2.7% ⇐平均貯蓄額(1880万円)
1600万~1800万円・・・3.6%
1400万~1600万円・・・4.0%
1200万~1400万円・・・4.9%
1000万~1200万円・・・5.3% ⇐貯蓄保有世帯の中央値(1104万円)
900万~1000万円・・・3.1%
800万~900万円・・・3.7%
700万~800万円・・・3.5%
600万~700万円・・・4.0%
500万~600万円・・・4.6%
400万~500万円・・・4.2%
300万~400万円・・・5.0%
200万~300万円・・・4.9%
100万~200万円・・・5.3%
100万円未満・・・10.5%
貯蓄現在高の平均値(1880万円)を下回る世帯が67.6%(前年67.2%)と約3分の2を占め、貯蓄現在高の低い階級に偏った分布となっています。
貯蓄額1880万円の中身をみる
先の調査によると、貯蓄の平均金額は1880万円でした。以下、その内訳をみていきましょう。
通貨性預貯金・・・584万円
定期性預貯金・・・615万円
生命保険など・・・357万円
有価証券・・・295万円
金融機関外・・・29万円
では、この平均値は、年代でどれだけ違うのでしょうか。
【50代の貯蓄】年代別の平均貯蓄。1000万円を超えるのはいつか
では、年代ごとに貯蓄の額をチェックしていきましょう。
20代(~29歳)・・・414万円
30代(30~39歳)・・・774万円
40代(40~49歳)・・・1134万円
50代(50~59歳)・・・1846万円
60代(60~69歳)・・・2537万円
70代以上・・・2318万円
60代までは年齢が高くなるにつれて、貯蓄の額も増えていきます。そして、40代で平均1000万円を超えたのち、60代で2000万円を突破。貯蓄額は最も高くなります。
これは、財産の相続や退職金などで相当額のお金を手に入れる人が増える時期であることが影響しているかもしれませんね。
ここまで貯蓄をみてきましたが、次に「負債」の平均をチェックしていきましょう。
【50代】負債と住宅ローンの金額を年代別に確認
貯蓄とともにセットで見る必要があるのが負債です。年齢ゾーンごとの負債額の平均もみていきます。
年齢ゾーン別にみた「負債」
※【 】内は住宅ローン以外の負債も含めた全体に占める割合です。
20代(~29歳)
負債の平均額・・・802万円
うち住宅ローン・・・750万円【94%】
30代(30~39歳)
負債の平均額・・・1452万円
うち住宅ローン・・・1374万円【95%】
40代(40~49歳)
負債の平均額・・・1172万円
うち住宅ローン・・・1080万円【92%】
50代(50~59歳)
負債の平均額・・・692万円
うち住宅ローン・・・618万円【89%】
60代(60~69歳)
負債の平均額・・・214万円
うち住宅ローン・・・172万円【80%】
70代以上
負債の平均額・・・86万円
うち住宅ローン・・・62万円【72%】
負債額の大部分は「住宅・土地のための負債」、いわゆる住宅ローンが占めていることがわかります。
「住宅・土地のための負債」の全体の平均値は513万円。
30代、40代では、平均負債額は1000万円を超えています。住宅ローンや教育費など、目先の出費が多いためでしょう。50代以降は、住宅ローンが金額・割合ともに減っていきます。
【50代の貯蓄】老後に向けたマネープランを考える
今回ご紹介したデータからは、「50代で貯蓄1000万円がない場合は、平均値に達していない」という見方もできます。また、50代で「貯蓄の成果」を実感できる人が増えてくるとも言えます。
ただ、今回の調査結果はあくまでも「平均」です。一部の超富裕層や、贈与・相続があった人なども含めているので、一つの目安として考えてもらえるといいでしょう。
こうしたデータをもとに、「人生100年時代」を見据えた長期的なマネープランを検討してみてはいかがでしょうか。
参考資料
総務省「家計調査報告(貯蓄・負債編)-2021年(令和3年)平均結果-」(https://www.stat.go.jp/data/sav/sokuhou/nen/index.html)
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