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年収1200万円以上の世帯で児童手当が廃止!影響は避けられないのか 

LIMO / 2022年5月21日 5時0分

年収1200万円以上の世帯で児童手当が廃止!影響は避けられないのか 

年収1200万円以上の世帯で児童手当が廃止!影響は避けられないのか 

教育費を確保するための現実的な対応策とは

2022年10月から年収1200万円以上の世帯で児童手当の特例給付が廃止になるのをご存知でしょうか。

現行の児童手当の原形となっているのが、民主党が2009年夏の衆議院選挙で公約の一つに掲げた「こども手当」です。

2010年6月から制度がスタートし、2012年度と2015年度に法改正が行われ金額や所得制限などが見直され、現在に至ります。

所得制限が設けられているため金額は変動しますが、中学生以下の子どものいる家庭では原則「現金が支給されている」状況が続いていました。

「児童手当」所得制限は扶養家族の人数によって変動

2022年5月現在、所得制限のない世帯への児童手当は以下の通りに支給されています。

出所:内閣府「児童手当制度のご案内」

 

3歳未満の子ども:月1万5000円

3歳以上から小学校修了まで:月1万円(第3子以降は1万5000円)

中学生:月1万円

毎年6月、10月、2月に、それぞれの前月分までの手当が原則支給されています。

所得制限は扶養家族と「世帯主の収入額の目安」によって変動します。

扶養家族0人(前年末に児童が生まれていない場合等)

 収入額の目安 833.3万円

扶養家族1人(児童1人等)

 収入額の目安 875.6万円

扶養家族2人(児童1人 + 年収103万円以下の配偶者の場合等) 

 収入額の目安 917.8万円

扶養家族3人(児童2人 + 年収103万円以下の配偶者の場合等) 

 収入額の目安 960万円

扶養家族4人(児童3人 + 年収103万円以下の配偶者の場合等)

 収入額の目安 1002万円

扶養家族5人(児童4人 + 年収103万円以下の配偶者の場合等)

 収入額の目安 1040万円

 

国が設ける所得制限を超えている世帯には、「児童手当の特例給付」として子ども1人に対し月5000円が支払われています。

しかし、2020年12月に「世帯主の年収が1200万円以上での特例給付金を廃止」が閣議決定され、2022年10月から特例給付の対象世帯から外れることになります。

教育費もかさむ高所得世帯

「子ども手当」「児童手当」は10年以上にわたり子育て世代への支援策として実施されています。これまでも所得による区切りをすべきという声は度々上がってきましたが、今回、長い議論に1つの終止符が打たれることになります。

一般的には1200万円というと高所得世帯として受け止められますが、その一方で子どもの教育に力を入れている家庭も少なくありません。子ども1人につき月5000円は高年収世帯からすると微々たるものかもしれませんが、幼児期や低学年での習い事のひとつを賄える金額です。

中学受験を考えている場合は乳幼児期から貯金をし、本格的な塾通いがスタートする小学4年生頃までには、単純計算で60万円貯まることになります。小学校高学年から膨れる教育費の足しにもなります。

「年収が高いのだから給付金の廃止は当然」という向きもありますが、教育熱心な分、児童手当の特例給付の廃止は痛いです。

また、世帯主の年収が960万円から1200万円未満の場合は今秋以降も継続するため、1200万円を少し超す世帯が一番割を食う形となっています。

夫婦合算は今後も検討が続く

今回、世帯主の年収のみで手当の廃止上限が決まりましたが、今後も議論が進められ児童手当の対象条件が夫婦合算へと方針転換する可能性もあります。

合算方式となるとより多くの世帯が「対象外」となるため、子どものいる共働き世帯は、制度改正に備えて児童手当の使い道を考える必要があります。

子育て世代への支援の一環として2019年10月から3歳以上を対象とした「幼児教育・保育無償化」もスタートし、保育料の負担は以前よりも軽減されています。

貯められる時は貯めることを徹底していくことが、教育費を確保するための現実的な対応策です。

中学受験をする場合、子どもの教育費は小学校高学年から中学入学が第一段階のピークになります。高校受験組でも、中学生になると通塾をして支出が増加し、受験学年ではまとまった金額が必要になることもあります。

児童手当に関して流動的な状況です。子どもが幼くて「受験なんてまだまだ先のこと」と気長に構えず、ある程度進学のシチュエーションを考えることが望ましいです。

受験をする場合、遅くとも受験学年の2年前から塾通いなど本番に備えて動き始めます。中学受験であれば、小学3年生までがお金を比較的貯めやすい年齢になります。

将来の進路希望を叶えられるよう、日頃から受験や進学に備えておきたいですね。

参考資料

内閣府「児童手当制度のご案内」(https://www8.cao.go.jp/shoushi/jidouteate/annai.html)

厚生労働省「全世代型社会保障改革のこれまでの成果と今後の方向」4,22ページ(http://www.jscpa.or.jp/cms/index.php/download/files/712/siryou79-1.pdf)

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