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【失われた30年】日本は平均年収が30年以上変わらない!「年収400万円」何パーセントいるのか

LIMO / 2022年5月20日 5時20分

【失われた30年】日本は平均年収が30年以上変わらない!「年収400万円」何パーセントいるのか

【失われた30年】日本は平均年収が30年以上変わらない!「年収400万円」何パーセントいるのか

平均賃金のトップ3はアメリカ・アイルランド・ルクセンブルク

今年は3年ぶりに緊急事態宣言が出ていないゴールデンウィークでした。帰省や旅行など、移動された方も多いと思います。

明治安田生命が実施した「家計」に関するアンケート調査でも、連休中の予算は昨年と比べ1.4倍想定されており、3年ぶりに賑わいを見せました(2022年4月25日公表) 。

しかし、出費が増える一方で、日本では年収が増えていないことをご存知でしょうか。

そこで今回は、30年以上にわたって低迷する日本の年収事情について考察したいと思います。

日本の平均年収は「400万円台」世界と比較

経済協力開発機構(OECD)が公表する世界の平均賃金データを見ると、日本の平均年収は35カ国中22位となっています。

出典:OECD主要統計「平均賃金」

日本はGDPでは世界3位に位置づけられていますが、平均賃金に注目するとG7(日本・アメリカ・イギリス・ドイツ・フランス・イタリア・カナダ)の中でも下から2番目に位置しています。

経済大国と呼ばれる一方で、平均年収は低いという奇妙な現状が続いていることがわかります。

日本の平均年収はいくらか

では、日本の平均年収について詳しく見ていきましょう。

国税庁の民間給与実態調査統計によると、令和2年の日本人の平均年収は433万円です。

続いて、年収400万円台に該当する方がどの程度いるのか確認してみます。

出典: 国税庁「令和2年分 民間給与実態調査統計」

給与所得者の合計が5245万人。そのうち、「年収400万円超500万円以下」に該当するのは764万3000人ですから、全体の14.6%となります。

もっとも割合が多いのは「年収300万円超400万円以下」の913万人(17.4%)となり、このボリュームゾーンを含む年収400万円以下の割合は55.1%と半数以上にのぼります。

日本の平均年収は433万円、半数以上が400万円以下という結果ですが、こちらも世界と比べるとどのような結果になるかを見てみましょう。

【平均年収】日本とトップ3カ国を比較

先ほどと同様にOECDが調査する平均賃金によると、2020年の平均賃金トップはアメリカで6万9392ドルです。1ドル110円として、日本円に換算すると約760万円です。

2位以降はアイルランド・ルクセンブルグ・スイスと続き、この3カ国も平均賃金が6万ドル(約660万円)を超えます。

アメリカと比較しても300万円以上少ないですが、3位のルクセンブルクと比較しても約200万円少ないことがわかります。200万というとひと月に換算すると約17万円ほどでしょう。

世界第3位の経済大国と位置づけられていますが、平均賃金で見ると第3位の経済大国という実感は持てないかもしれません。

さらに問題なのは、30年前と比べても平均年収にほとんど変化が見られないことです。

国税庁によると、平成2年度の平均年収は425万円です。

出典:国税庁「平成12年分 民間給与統計調査の概要」

国が発展していくためには経済成長が必要であり、物価や賃金も上昇していくことは自然の成り行きです。物価は上がっても30年間平均年収が上がっていないと、実際の生活は30年前と比べると苦しくなっていると言えるでしょう。

失われた30年を教訓として、今できることを考えよう

ここまで日本の平均年収が世界とくらべても低いこと、30年前と比べて増えていないことを確認してきました。

高度経済成長を経て1990年のバブル崩壊後から現在までを「失われた30年」と呼びます。

経済の指標ともいえる日経平均株価も、1989年に最高値3万8915円をつけた後、現在まで一度も高値を更新していません。

「失われた30年」で終われば良かったのですが、このままでは失われた40年、50年と続いていく可能性もあります。

平均年収が増えずに生活水準、物価が上がり続けると将来の生活に大きな影響が考えられます。特に「人生100年時代」といわれる老後に関しては、これまで通りの準備では間に合わない可能性が高いです。

年収が増えずに生活費が上がれば、貯蓄できる金額が減少していきます。老後の収入の柱は「年金と貯蓄」ですから、長い老後を乗り越えるためには退職までにどれだけ貯蓄ができるかが重要でしょう。

年収が増えないのであれば、貯蓄を増やすための対策が必要です。例えば資産運用を取り入れても良いでしょう。iDeCoやつみたてNISAなど毎月コツコツと積立ていく積立投資などが話題です。

もちろん運用のリスクもありますが、安心して将来を迎えるためにお金の使い道や、資産を守る方法について考えておいたほうが良いでしょう。

それぞれのライフスタイルによって対策は変わりますので、まずはご自身の年収や将来のお金事情など現状把握をしっかり行っていただき、準備を行ってみてはいかがでしょうか。

参考資料

明治安田生命 「家計」に関するアンケート調査(https://www.meijiyasuda.co.jp/profile/news/release/2022/pdf/20220425_01.pdf)

日本貿易振興機構 「世界経済フォーラム」(https://www.jetro.go.jp/invest/investment_environment/whyjapan/ch1.html)

OECD主要統計「平均賃金」(https://www.oecd.org/tokyo/statistics/)

国税庁「令和2年分 民間給与実態調査統計」(https://www.nta.go.jp/publication/statistics/kokuzeicho/minkan2020/minkan.htm)

日本銀行「主要時系列統計データ表」(https://www.stat-search.boj.or.jp/ssi/mtshtml/fm08_m_1.html)

国税庁「平成12年分 民間給与統計調査の概要」(https://www.nta.go.jp/publication/statistics/kokuzeicho/minkan2000/menu/03.htm)

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