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危険な子乗せ自転車、3人乗りするなら事故を避けるために知るべきルール

LIMO / 2022年5月22日 18時50分

危険な子乗せ自転車、3人乗りするなら事故を避けるために知るべきルール

危険な子乗せ自転車、3人乗りするなら事故を避けるために知るべきルール

もはや子育て世帯の必需品とも言える、子乗せ自転車。前や後ろに子どもを乗せるスタイルは、自動車が使いにくいエリアや家族にとって心強い存在です。

一方で、子どもを乗せた自転車は危険と隣合わせで、特に前後に子どもを乗せた3人乗りでは事故のリスクも高まります。

消費者安全調査委員会が2020年12月25日に公表した「消費者安全法第23条第1項の規定に基づく事故等原因調査報告書」によると、2009 年から 2018 年までの 10 年間で、幼児同乗中の自転車と車両との交通事故等によって死傷した同乗幼児の人数は合計1万235 人でした。

乗っている本人、歩行者、自動車にとっても「危ない!」と感じることの多い子乗せ自転車。安全に乗るために、守るためのルールやマナーをしっかり押さえておきましょう。

危険な反面「生活必需品」となった子乗せ自転車

子育て世帯にとって、子乗せ自転車がもはや生活必需品となった家庭もあるでしょう。都市部では自動車がない家庭も多く、また普段は自動車で移動する地域でも「保育園や幼稚園の送迎に自動車は禁止」とする園も少なくありません。

朝の慌ただしい時間に歩いて送迎するのは難しく、自転車に頼らざるをえない面も多いでしょう。

保育園や幼稚園の送迎では子どもだけでなく荷物も運ぶ必要があります。お昼寝用の布団やおむつ用のバケツを、月曜と金曜に自転車に乗せる親子を見かけることもありますね。

徒歩での送迎で、ぐずる子どもの手を引きながら荷物を抱える毎日は、想像以上のハードさがあります。自転車に乗ってしまえば時間的にも体力的にも助かるので、生活には欠かせない存在ともいえるのです。

子乗せ自転車は危険と隣り合わせ

子乗せ自転車とは、一般的に幼児同乗用の電動アシスト自転車を指すことが多いです。電動アシスト自転車は本体も重く、さらに子どもを乗せることでその重量は100kgに及ぶこともあります。

一旦バランスを崩すと立て直すのは難しく、そのまま転倒するしかありません。

筆者も子どもが小さい時は3人乗り自転車を利用しましたが、バランスを取るだけでも一苦労でした。転倒も経験しましたが、倒れた自転車は重く、とても1人では起こすことができません。

実際、幼児同乗中の交通事故は2009 年から 2018 年までの 10 年間で多く発生し、合計で1万235 人死傷しました。

出所:消費者安全調査委員会「消費者安全法第23条第1項の規定に基づく事故等原因調査報告書」

死亡者7人のうち、3人は一般自転車、4人は電動アシスト自転車です。

また負傷者を重傷者と軽傷者に分けてみても、年を追うほどに一般自転車が減り、電動アシスト自転車の割合が高まっています。 

出所:消費者安全調査委員会「消費者安全法第23条第1項の規定に基づく事故等原因調査報告書」

危ない子乗せ自転車。守るべきルールとは

便利である一方で危険でもある子乗せ自転車。安全に乗るためには、ルールの遵守が不可欠です。

子乗せ自転車に限らず、自転車ではあまり知られていないルールもあるのでしっかり押さえておきましょう。

自転車(軽車両)は自動車道を通行する

出所:消費者安全調査委員会「消費者安全法第23条第1項の規定に基づく事故等原因調査報告書」

自転車は軽車両に分類されます。つまり道路を走行するには、車道を通行しないといけないのです。

この時、道路の左側(歩道側)に寄る必要があります。ただし自転車道があるところではそちらを通行しましょう。

出所:消費者安全調査委員会「消費者安全法第23条第1項の規定に基づく事故等原因調査報告書」

また「自転車通行可」として道路標識等で示されている場合は、自転車で歩道を走行することも可能です。

やむを得ないと認められるときにも、歩道での通行が可能とされています。ただし普通自転車の進行が歩行者の通行を妨げることとなるときは、一時停止しなければなりません。

自転車に乗れる人数や年齢

自転車に乗れる人数や重量については、各都道府県が「道路交通規則」「道路交通法施行規則」「道路交通法施行細則」の形で規定しています。

例えば東京都の場合、下記のように定めています。

a 「16 歳以上の運転者が幼児座席に幼児(6歳未満の者をいう。以下同じ。)1人を乗車させるとき」

b 「16 歳以上の運転者が幼児2人同乗用自転車(運転者のための乗車装置及び2の幼児座席を設けるために必要な特別の構造又は装置を有する自転車をいう。)の幼児座席に幼児2人を乗車させるとき。」 

あまり知られていない点としては、「6歳未満」ということと「おんぶは可能で抱っこは不可」という点です。

6歳といえば、保育園や幼稚園の年長で迎えます。誕生日を迎えた子から乗れなくなりますが、実際には卒園まで乗り続ける方も多いのではないでしょうか。

最近では「小学校就学まで」と延長する自治体も増えてきたので、この機会にぜひ調べてみましょう。

また「抱っこ」で乗るのも不可です。最大で3人まで乗れる自転車でも、「おんぶ+自転車の前後どちらか」か「自転車の前後」に乗せるようにしましょう。

荷物やヘルメット

安全に乗るためには、荷物の積載についてもルールを守ります。乗車のための場所(リヤシートやフロントシートに)は乗せず、またハンドルにかけることも避けましょう。

車両が不安定になるだけでなく、他の車輌から制動灯や後部反射器などが確認できない点が指摘されています。

また乗せる子どもには、必ずヘルメットを着用させなければなりません。自治体によっては努力義務とはなっているところもありますが、子どもの安全を考えると徹底しておきたいポイントですね。

シートベルトは「子どもが嫌がる」という意見もありますし、朝や帰りの忙しい時間に「少しだけなら」という気持ちが起こるかもしれません。

しかし自転車は転倒リスクをゼロにすることができません。ヘルメットやシートベルトで助かる命があると考え、徹底して装着するようにしましょう。

これからも安全に自転車に乗るためには

近年では自転車保険への加入を義務付ける自治体が増えてきました。万が一に備え、保険の加入はしておきたいです。

ただし自動車保険などに付帯しているケースもあるので、重複しないよう必ず見直すことが肝心です。

その他、自転車で走行する道を事前に確認し、あらかじめ危険ポイントを知っておきたいですね。自動車と同様の標識に従う必要があるので、もし自動車免許がなくてもこれらの知識を入れなければなりません。

走行中だけでなく、乗車時にもバランスを崩すことの多い子乗せ自転車。そのリスクやルールを知ることが、子どもの安全を守るために何よりも重要です。

事故が増えることで「子乗せ自転車」そのものが疎まれる存在にならないよう、親として子どもを守るルールをしっかり知っておきましょう。

参考資料

消費者安全調査委員会「消費者安全法第23条第1項の規定に基づく事故等原因調査報告書」(https://www.caa.go.jp/policies/council/csic/member/assets/csic_member_201225_02.pdf)

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