【資産運用】コア・サテライトの考え方を解説!見落としがちな投資と投機の違いとは
LIMO / 2022年5月25日 20時15分
【資産運用】コア・サテライトの考え方を解説!見落としがちな投資と投機の違いとは
資産運用で大事なポイントを解説
投資という言葉を聞いたとき、どのようなイメージを持たれるでしょうか。「大損をするリスクがあるから怖い」「自分で銘柄を選んで売買のタイミングを決めるのは、専門知識がないとむずかしい」、そのような印象を持っている方も多いかもしれません。
しかし、いま挙げたような特徴を持つのは、「投資」ではなく「投機」に近いといえます。投機とは、短期的な値動きを予測し、その予測に基づいて売買を繰り返すことで利益を得ようとする方法です。
長期の資産形成においては、短期的な相場の動きを気にせず、長く持ち続ける投資の方法を選ぶことがおすすめです。今回は、「コア」と「サテライト」という言葉を使って、長期投資を実践するための考え方をお伝えします。
【資産運用】コアとサテライトとは
コア(中核)とは、広く分散して投資し、10年以上の長い期間をかけて、じっくりと資産を増やす方法です。一方のサテライト(衛星)は、個別の銘柄に集中して、短期間のリターンを狙う方法です。それぞれの特徴を以下に示します。
コアの資産運用
運用期間は長期(10年以上)
持ち続ける(売却しない)
運用対象は幅広く分散する
サテライトの資産運用
運用期間は短期(1年未満)
タイミング重視で売買を行なう
運用対象は1か所に集中する
長期保有を前提とするコアは「投資」、タイミング重視で短期売買を行うサテライトは「投機」に当たります。どちらがよいということではなく、両者の違いを理解したうえで、資産運用に取り組んでいただきたいと思います。
資産運用、まずサテライトから始めてもよい?
コアとサテライトの違いを理解していただいたうえで、投資初心者はどちらから始めればよいのか、ご説明します。
私は年間約300回、資産運用のオンラインセミナーで講師を務めていますが、これから投資を始めたいという方から、「まずはサテライトの運用で資産を増やして、余裕ができたらコアの運用を始めたい」というご意見を頂くことがあります。
しかし、これはおすすめできません。私は、資産運用の土台となるのはコアであり、サテライトは時間とお金に余裕がある方だけが行なえばよいと考えています。老後の資産を築ける可能性が高いのは、コアの運用です。
なぜかというと、相場の動きを予測しながらリターンを狙い続けるサテライトで、長期的に資産を増やしていくのは非常にむずかしいからです。
相場の動きは気にせず、長期的に積み立てながら分散投資を行っていけば、世界経済全体の成長に応じてリターンを得られる可能性が高まります。
長期的に保有し続けることで、相場の上下を気にして売買のタイミングを常に探るような、時間的・精神的負担を避けることもできます。
【資産運用】コアとサテライトの最適な比率とは
コアの運用で着実に資産を形成しながら、自分で学び、サテライトの運用もしてみたいという方も多いと思います。
講師を務めているセミナーでは、「コアは運用する資産全体のうち、どのくらいの比率にするべきか」というご質問をよくいただきますが、コアは7割以上にすることをおすすめしています。
長期の資産形成を行ううえでは、残りの3割以内を、ご自身の好きな企業の株式などサテライトの運用に回すのが適切だと考えています(先ほどご説明したとおり、サテライトは余裕がある方だけが取り組めばよいと思っており、比率は0でも構いません)。
【資産運用】コアの要件の一つは「分散」、サテライト向けの商品を混同しないこと
コアは資産運用の土台、7割以上にする、ここまでご理解いただいた方がよく忘れがちなのは、「分散」することです。
幅広い対象にリスクを分散して投資を行うからこそ、長期的なリターンを最大化できる可能性が高まります。
「アメリカの大手優良企業の株を、コアとして保有したい」。セミナーでそのようなお話を伺うことがありますが、成長を続けると見込まれる優良株であっても、個別株はコアに適していません。
どのような企業であっても、絶対に利益を出せるという保証はありません。投資対象を分散させることによってリスクを抑えることが、コアの条件となります。
「長期・積立・分散」の資産運用をコアとして着実に行い、長期的なリターンを高めることを目指しましょう。
参考資料
金融庁「投資の基本」(https://www.fsa.go.jp/policy/nisa2/knowledge/basic/index.html)
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
ホリエモン「オルカンを買うよりもずっといい」…上場企業4000社から"優良銘柄"を見抜くシンプルな方法
プレジデントオンライン / 2024年11月25日 8時15分
-
今さら聞けない50・60代からの「新NISA」のキホン 投資で効率よくお金を増やすための心強い制度
東洋経済オンライン / 2024年11月22日 8時10分
-
もはや経済大国でない日本、資産形成も「国内債券・株式」のみの運用では限界…有効な分散投資を行う注意点【証券アナリスト資格を持つFPが助言】
THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年11月13日 11時15分
-
投資額の半値で損切りするハメに…痛手負った72歳現役FPが教える「素人が絶対手を出してはいけない金融商品」
プレジデントオンライン / 2024年10月31日 8時15分
-
日経平均株価の大暴落…ロボアドの運用実績はどうだった? 「ROBOPRO」で見る、メリットとデメリット
MONEYPLUS / 2024年10月30日 11時30分
ランキング
-
1円上昇、一時150円45銭 1カ月ぶり円高ドル安水準
共同通信 / 2024年11月28日 7時45分
-
2車載電池向け電解銅箔メーカー、日本電解(株)(茨城)が民事再生、今年初めての上場企業倒産
東京商工リサーチ / 2024年11月27日 20時40分
-
3お父さん、ちょっとアフリカに行ってくる…〈60歳定年で退職金2,500万円〉〈65歳で年金月19万円〉、堅実に生きてきた55歳父が突然の早期退職。仰天行動に家族が絶句「うっ、うそでしょ⁉」
THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年11月28日 5時15分
-
4大失速の日産「ゴーンの呪い」いまだ抜け出せず? V字回復に向けた急務とは
ITmedia ビジネスオンライン / 2024年11月28日 5時45分
-
5生クリーム9割の「スイーツ缶」、なぜ人気? がむしゃらに売らず30万缶突破の秘密
ITmedia ビジネスオンライン / 2024年11月28日 6時15分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください