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「中高生の就きたい職業ランキング」コロナ禍でどう変化した?ランキングで分かる世相

LIMO / 2022年5月27日 17時50分

「中高生の就きたい職業ランキング」コロナ禍でどう変化した?ランキングで分かる世相

「中高生の就きたい職業ランキング」コロナ禍でどう変化した?ランキングで分かる世相

コロナ禍前にはなかった最近の動向に注目

中高生の就きたい職業ランキングを紹介し、10代の若い子達の考えなどを探っていきます。

「将来の夢」という言葉は子ども達にとって身近なものです。しかし、中学生や高校生になると小学生の頃の憧れ優先から徐々に現実と向き合うようになります。

コロナ禍により、業種によっては明暗が分かれ、これまでとは働き方も大きく変化しました。また、幅広い年代に浸透している「ユーチューバー」も、子ども達のなりたい職業としてランクインする時代です。

今回はイマドキの中高生が将来なりたい職業をみていきましょう。

世相が反映される「なりたい職業」

ソニー生命株式会社では、2017年より隔年で全国の中学生と高校生1000名(中学生200名、高校生800名)を対象に「中高生が思い描く将来についての意識調査」を実施しています。

2021年で3回目を迎えることになりましたが、この間に多くの人の意識を変えることになったコロナ禍が起きました。中高生の将来の夢に何らかの影響を与えたのでしょうか。

まずは同調査から、「中学生男子」のランキングの変化を見ていきます。

【2017年】中学生男子版「将来なりたい職業」

1位 ITエンジニア・プログラマー

2位 ゲームクリエイター

3位 YouTuberなどの動画投稿者

4位 プロスポーツ選手

5位 ものづくりエンジニア(自動車の設計や開発など)

6位 公務員

7位 学者・研究者

8位 社長などの会社経営者・起業家

9位 教師・教員

10位  医師

【2021年】中学生男子版「将来なりたい職業」

1位 YouTuberなどの動画投稿者

2位 プロeスポーツプレイヤー

3位 社長などの会社経営者・起業家

4位 ITエンジニア・プログラマー

5位 ゲーム実況者

6位 公務員

6位 会社員

6位 プロスポーツ選手

9位 教師・教員

10位 ボカロP(音声合成ソフト楽曲のクリエイター)

10位 弁護士、裁判官など法律関係

2017年でも人気のあった「YouTuberなどの動画投稿者」が1位にランクイン。2位には「eスポーツプレイヤー」、5位に「ゲーム実況者」と、この4年間で憧れの対象が大きく変化したことを裏付ける結果となりました。

一方、中学生女子のランキングの変化は以下の通りになります。

【2017年】中学生女子版「将来なりたい職業」

1位 歌手・俳優・声優などの芸能人

2位 絵を描く職業(漫画家・イラストレーター・アニメーター)

3位 医師

4位 公務員

5位 文章を書く職業(作家・ライターなど)

6位 保育士・幼稚園教諭

7位 教師・教員

7位 ゲームクリエイター

9位 デザイナー(ファッション・インテリアなど)

10位  YouTuberなどの動画投稿者

10位  マスコミ関係(記者・TV局スタッフなど)

【2021年】中学生女子版「将来なりたい職業」

1位 歌手・俳優・声優などの芸能人

2位 YouTuberなどの動画投稿者

3位 絵を描く職業(漫画家・イラストレーター・アニメーター)

3位 美容師

5位 ボカロP(音声合成ソフト楽曲のクリエイター)

5位 デザイナー(ファッション・インテリアなど)

7位 看護師

7位 保育士・幼稚園教諭

9位 ショップ店員

10位  ゲーム実況者

10位  カウンセラーや臨床心理士

2017年では10位だった「YouTuberなどの動画投稿者」が2位にランクアップしており、若い世代でのYouTuber人気がうかがい知れます。

コロナ禍を反映し、奮闘ぶりがメディアでも取り上げられている「看護師」、心の悩みを抱える若者に寄り添う「カウンセラーや臨床心理士」に憧れを抱く女子生徒が増えている興味深い結果となりました。

ソニー生命保険株式会社「中高生が思い描く将来についての意識調査2017」

ソニー生命保険株式会社「中高生が思い描く将来についての意識調査2021」

 

「なりたい職業」女子高校生はより現実的

一般的に、より大人の世界が近づく高校生はコロナ禍により進路選択や将来の職種選びも具体的に考えるようになります。高校生男子でもコロナ禍以前と比べて変化がみられました。

【2017年】高校生男子版「将来なりたい職業」

1位 ITエンジニア・プログラマー

2位 ものづくりエンジニア(自動車の設計や開発など)

3位 ゲームクリエイター

4位 公務員

5位 学者・研究者

5位 運転手・パイロット

7位 教師・教員

7位 会社員

9位 プロスポーツ選手

10位  YouTuberなどの動画投稿者

【2021年】高校生男子版「将来なりたい職業」

1位 YouTuberなどの動画投稿者

2位 社長などの会社経営者・起業家

3位 ITエンジニア・プログラマー

4位 公務員

5位 教師・教員

6位 ゲームクリエイター

7位 ものづくりエンジニア(自動車の設計や開発など)

8位 ボカロP(音声合成ソフト楽曲のクリエイター)

8位 プロeスポーツプレイヤー

8位 ゲーム実況者

高校生男子でも「YouTuberなどの動画投稿者」が人気を集めました。

この他、「ボカロP」「ゲーム実況者」も動画投稿関連の仕事です。それだけ若者の中で「仕事として成り立つ分野」と認識されているといえます。

一方、高校生女子ではコロナ禍に関係なく現実的なものになっています。

【2017年】高校生女子版「将来なりたい職業」

1位 公務員

2位 看護師

3位 歌手・俳優・声優などの芸能人

4位 教師・教員

5位 絵を描く職業(漫画家・イラストレーター・アニメーター)

6位 保育士・幼稚園教諭

7位 カウンセラーや臨床心理士

8位 デザイナー(ファッション・インテリアなど)

9位  学者・研究者

9位  会社員

【2021年】高校生女子版「将来なりたい職業」

1位 公務員

1位 看護師

3位 教師・教員

3位 歌手・俳優・声優などの芸能人

5位 保育士・幼稚園教諭

6位 会社員

7位 ショップ店員

8位 YouTuberなどの動画投稿者

8位 マスコミ関係(記者・TV局スタッフなど)

10位  デザイナー(ファッション・インテリアなど)

高校生男子同様に「YouTuberなどの動画投稿者」がランクインしていますが、8位です。中学生女子と比べてみても、将来なりたい職業のラインナップが「堅実」「専門職」のものが増えています。

ソニー生命保険株式会社「中高生が思い描く将来についての意識調査2017」

ソニー生命保険株式会社「中高生が思い描く将来についての意識調査2021」

 

ユーチューバーの影響力は無視できない

コロナ禍前、コロナ禍後の将来なりたい職業の変化をみても、ユーチューバーを始めとした動画投稿サイトの影響力は大きいことが分かります。

「もっと堅実な職種を選んでほしい」と願う保護者も少なくないでしょう。

ただ、活気がある新しい分野では様々な職種が誕生していくのが世の常。子どもの「やりたい」という気持ちを全否定するのではなく、一緒にベストな進路選択や子どもの能力をいかせる分野を探していきたいですね。

参考資料

ソニー生命保険株式会社「中高生が思い描く将来についての意識調査2017」(https://www.sonylife.co.jp/company/news/29/nr_170425.html#sec6)

ソニー生命保険株式会社「中高生が思い描く将来についての意識調査2021」(https://www.sonylife.co.jp/company/news/2021/nr_210729.html#sec8)

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