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60代「おひとりさま」平均的な年金・貯蓄額【定年後】生活費の赤字は月いくらか

LIMO / 2022年5月26日 5時50分

60代「おひとりさま」平均的な年金・貯蓄額【定年後】生活費の赤字は月いくらか

60代「おひとりさま」平均的な年金・貯蓄額【定年後】生活費の赤字は月いくらか

厚生年金と国民年金の平均月額とは

食料品や日用品の値上げが相次ぐこんにち。

6月1日から日清食品グループでカップ麺や袋麺5~12%の値上げ、6月20日からは日清製粉が小麦粉25kg当たり325円~385円の値上げなど、6月に入ってもさまざまな分野で値上げが続きます。

どの世代であっても値上げの影響は厳しいですが、特に年金生活の方は不安が強い方も多いのではないでしょうか。

ひとりで生活する「おひとりさま」の場合、生活費は1人分で済む一方で、収入も1人分になります。

今回は60代のおひとりさまの平均的な年金や貯蓄額を見ながら、65歳以上でリタイアしたおひとりさまの月の赤字についても確認します。

60代「おひとりさま」厚生年金と国民年金の平均月額とは

老後生活の基本となるのは「公的年金」です。

実際にみんなどれくらい受け取っているのか、厚生労働省「令和2年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」より確認しましょう。

国民年金の平均月額

〈全体〉平均年金月額:5万6252円

〈男性〉平均年金月額:5万9040円

〈女性〉平均年金月額:5万4112円

厚生年金(第1号)の平均月額

〈全体〉平均年金月額:14万4366円

〈男性〉平均年金月額:16万4742円

〈女性〉平均年金月額:10万3808円

※国民年金の金額を含む

おひとりさまは1人分の受給額となりますので、公的年金のみでは生活できないケースも多いでしょう。

また、年金の個人差も大きいもの。

加入しているのが国民年金か厚生年金かで受給額も違いますし、特に個人差が大きいのが厚生年金です。男女別で分布をみてみましょう。

出典:厚生労働省「令和2年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」をもとにLIMO編集部作成

 

厚生年金のボリュームゾーンは男性で15~20万円、女性で7~12万円でした。

ずっと正社員で働かれている方もいれば、非正規雇用の方、途中で離職した方など年金事情はさまざまです。

まずはねんきん定期便などで受給予定額を確認すると良いでしょう。

60代「おひとりさま」平均貯蓄額はいくら?

年金では不足する生活費や、万が一の時の支えとなるのが貯蓄です。

金融広報中央委員会の「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査](令和2年)」を参考に、60代単身世帯の貯蓄分布を確認します。

出典:金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査](令和2年)」を元にLIMO編集部作成

60代・単身世帯の金融資産保有額(金融資産を保有していない世帯を含む)

平均1305万円・中央値300万円

金融資産非保有:29.4%

100万円未満:9.1%

100~200万円未満:5.0%

200~300万円未満:3.3%

300~400万円未満:4.8%

400~500万円未満:2.9%

500~700万円未満:5.3%

700~1000万円未満:5.2%

1000~1500万円未満:7.2%

1500~2000万円未満:4.5%

2000~3000万円未満:6.7%

3000万円以上:13.8%

無回答:2.8%

60代のおひとりさまの貯蓄額の平均は1305万円ですが、平均は一部の大きな数字に引っ張られるもの。より実態に近い中央値は300万円です。

おひとりさまといっても生涯独身の方から離婚や死別された方もおり、こちらも個人差が多いでしょう。

詳しく分布を見ると多い順に「金融資産非保有」(29.4%)「3000万円以上」(13.8%)「100万円未満」(9.1%)「1000~1500万円未満」(7.2%)でした。

「おひとりさま」定年後の生活費の赤字はいくらか

老後の収入源となる「年金と貯蓄」の平均額を確認してきましたが、実際には個人差が大きいもの。まずはご自身のお金事情について、確認することをおすすめします。

一方で、老後の生活費はどれくらいになるのでしょうか。

総務省統計局「家計調査報告 家計収支編 2021年(令和3年)平均結果の概要」より、65歳以上の単身無職世帯の家計を確認します。

出典:総務省統計局「家計調査報告 家計収支編 2021年(令和3年)平均結果の概要」

 

実収入:13万5345円(うち社会保障給付12万470円)

消費支出:13万2476円

非消費支出(社会保険料や税金など):1万2271円

▲9402円

65歳以上・リタイアしたおひとりさまの月の収入は13.5万円。うち、年金と考えられる社会保障給付は12万470円ほどです。

消費支出は13.2万円ほどで、月の赤字は「9402円」となりました。

支出の内訳も確認しましょう。

出典:総務省統計局「家計調査報告 家計収支編 2021年(令和3年)平均結果の概要」

食料:3万6322円

住居:1万3090円

光熱・水道:1万2610円

交通・通信:1万2213円

保健医療:8429円など

上記の支出のうち、特に個人差が大きいのが「住居」と「交通・通信」でしょう。

賃貸であればさらに金額はかかりますし、車を保有していれば維持費や保険料の他に車検や税金といった負担も増えます。

食費についても個人差が大きいと考えられますが、今は値上げも相次いでいます。これまでよりも老後の生活費に工夫が求められる時代でしょう。

月の収支や貯蓄から工夫を考えよう

60代のおひとりさまに視点をあてて、年金や貯蓄、月の収支の平均額を見てきました。

平均額を参考に、自分の場合はいくらになるのか、これを機に確認してみてはいかがでしょうか。

さまざまな部分で値上げが相次いでいますが、だからこそ生活やお金に関する部分については工夫が必要になります。

家計に大きな影響を与えるのは家賃や車の維持費、光熱費やスマホ代といった固定費です。支出を減らすためには、まずこの部分で見直せるものについて考えるとよいでしょう。

収入や貯蓄を増やす方法としては、仕事を続けたり、私的年金を準備したり、貯蓄に運用を取り入れる方法もあります。

これまでとは違い、生活費や貯蓄、そして年金についても自分に合った方法で備える時代です。情報収集をしながら、今からできることを考えてみましょう。

参考資料

日清食品グループ「価格改定のお知らせ ~2022年6月1日(水)出荷分から~」(https://www.nissin.com/jp/news/10236)

日清製粉グループ「日清製粉 小麦粉価格改定のお知らせ」(https://www.nisshin.com/release/details/20220408130240.html)

金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査](令和2年)」(https://www.shiruporuto.jp/public/document/container/yoron/tanshin/2020/20bunruit001.html)

厚生労働省「令和2年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」(https://www.mhlw.go.jp/content/000925808.pdf)

総務省統計局「家計調査報告 家計収支編 2021年(令和3年)平均結果の概要」(https://www.stat.go.jp/data/kakei/2.html)

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