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「保育園か、それとも幼稚園か」共働きが気になる学力と通う園や親の収入との関係とは

LIMO / 2022年5月30日 14時50分

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「保育園か、それとも幼稚園か」共働きが気になる学力と通う園や親の収入との関係とは

世帯年収と学力の驚くべき関係を確認

共働きのご家庭では、お子さんを保育園に預けるか、それとも幼稚園にするか悩まれる方もいるでしょう。

小さい子どもがいる夫婦共働きのご家庭にとって、どんな園に子どもを預けるのかというのは、大きな問題のひとつですね。

最近では認可保育園や認可外保育園、認定こども園、延長保育付き幼稚園などさまざまな形態の園がありますが、保育園と幼稚園で子どもの学力に違いがあるのでしょうか。

今回は、子どもの学力や子どもの通う園、また家庭の収入との関係についても確認していきます。

「保育園と幼稚園」と子どもの学力の関係は?

保育園は乳児や幼児を保育することが一番の目的とされており「厚生労働省」の管轄です。一方、幼稚園は幼児の発達を促す教育施設で「文部科学省」が管轄となっています。

そのため、保育園より、幼稚園の方が学習面でのカリキュラムが整っていると考えるのが一般的です。

少し古いデータですが、2010年に文部科学省が行った調査によると、幼稚園に通っていた子どもの方が、保育園に通っていた子どもに比べて、学力が高かったという調査結果もあります。

出典:国立教育政策研究所「平成22年度 全国学力・学習状況調査 報告書・集計結果」について

国立教育政策研究所「平成22年度 全国学力・学習状況調査 報告書・集計結果」をみると、小6で国語Aの正答率は幼稚園出身者で85.4%、保育所出身者82.1%。算数Bでも、約5.0ポイント幼稚園出身者のほうが高い結果となりました。

中3でも国語Bは4.4ポイント、数学Bは6.3ポイント幼稚園出身者のほうが高くなっています。

この結果だけ聞くと、子どもを保育園に通わせようとしている共働きの家庭は、保育園に預けることを躊躇ってしまうかもしれません。

しかし、子どもの学力差は保育園か幼稚園かだけではなく、その他の要素も大きな影響を受けます。

たとえば、両親が揃っているかシングルの家庭か、毎日寝る前に本を読んでいるか、習い事や塾に通っているかなど、子どもの通う園だけではなく、子どもが育つ環境自体の方が大切です。

保育園と幼稚園では、そのカリキュラムの違いから学力差が生まれる可能性はあるかもしれませんが、それ以上に、子どもの学力に影響を与える要素があることを覚えておきましょう。

学力差はどこから生まれる?世帯年収や本の数なども影響

子どもの学力に影響を与えるものとして、明らかに関係があるのは「親の経済力(年収)」です。

お茶の水大学の「平成30年3月30日 保護者に対する調査の結果と学力等との関係の専門的な分析に関する調査研究」では、小学6年生と中学3年生の国語と算数(数学)の成績と、世帯年収の関係について調査を行っています。

出典:国立大学法人お茶の水女子大学(平成30年3月30日)「保護者に対する調査の結果と学力等との関係の専門的な分析に関する調査研究」

小6、中3ともに、またすべての教科や問題においても、おおむね世帯収入が高いほど子どもの学力が高い傾向が見られました。

また、同調査で家庭の蔵書数と学力の関係を見てみると、家にたくさん本がある家庭の方が、子どもの学力が高いことが分かりました。

出典:国立大学法人お茶の水女子大学(平成30年3月30日)「保護者に対する調査の結果と学力等との関係の専門的な分析に関する調査研究」

経済的な余裕がなければ、多くの本を買うことはできないため、収入が多い家庭の方が、子どもの学力は上がると言えるでしょう。

世帯年収が上がると、学力が上がる傾向に

保育園に通わせるのか、幼稚園に通わせるのかというポイントも気になりますが、それよりも家庭の年収を上げて、子どもに習い事や塾に通わせたり、本をたくさん買ってあげたりすることで子どもの学力は上がると考えられます。

夫婦が共働きで、子どもを長時間保育園に預けなければならないことに不安を感じる方もいるでしょう。逆に、夫婦共働きで家の収入を増やすことは、子どもの学力アップにつながる可能性もあるのです。

また、母親が専業主婦の家庭では、子どもと過ごす時間が長いかもしれませんが、父親に万が一のことがあると、家計が経済的に苦しくなるでしょう。

一方、夫婦共働きの場合は、どちらかが働けない状況でも収入を確保することができ、リスクヘッジとなります。さらに、夫婦で収入を増やせば、将来子どもを希望の私立の学校に通わせてあげたり、留学させてあげたりと、学ぶ環境を整えることも可能です。

夫婦共働きであることや、家庭の収入を増やすことは、子どもにとってもプラスの影響があることを覚えておきましょう。

「保育園か幼稚園」子どもの園の選び方のポイント

そうは言っても、やはり子どもにはできるだけ飛躍的な成長を目指せる園に通わせたいと考える方は多いでしょう。そんな方は保育園だけではなく、幼稚園の学習カリキュラムも導入し、幼稚園と保育園の良いとこ取りをしている「認定こども園」への入園を検討するのも一つです。

また、幼稚園の延長保育を利用すれば、幼稚園であっても、保育園と同じ時間まで預かってもらうこともできるかもしれません。3歳までは保育園に通って、その後、延長保育が充実している幼稚園への転園を検討してみてはいかがでしょうか。

認可外保育園などでは、英語で保育する時間があったり、リトミックのクラスがあったりと、保育園でもさまざまなカリキュラムを行っている場合もあります。

ひらがなや足し算など、いわゆる「お勉強」をしていない保育園であっても、「本をたくさん読む」「みんなの前で意見を発表する時間がある」「植物や野菜を育てている」など、子どもの実体験を増やせるような保育園は、大きな学びの場となるでしょう。

共働きだからこそできることを考えよう

夫婦共働きの家庭は、家庭の収入を増やすことで将来的に子どもを希望の学校に入れてあげるなど、子どもの学力アップへ後押ししてあげることができます。

子どもと過ごす時間が少ないことに罪悪感などを覚えることなく、胸をはって子どもたちを預けて働きましょう。

ただし、やはり子どもの園選びはできるだけいろいろな園を見学して、子どもの成長を目指せる園を探してあげることが大切です。

新設の保育園なども随時チェックし、園の情報にアンテナを張るようにしましょう。

参考資料

国立教育政策研究所「平成22年度 全国学力・学習状況調査 報告書・集計結果」について(https://www.nier.go.jp/10chousakekkahoukoku/index.htm)

国立大学法人お茶の水女子大学 平成 30 年3月 30 日 保護者に対する調査の結果と学力等との関係の 専門的な分析に関する調査研究(https://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/micro_detail/__icsFiles/afieldfile/2018/07/10/1406896_1.pdf)

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