まさか5月病?新学期の緊張が解き放たれる時期、子どもの疲労はピークに
LIMO / 2022年5月29日 17時50分
まさか5月病?新学期の緊張が解き放たれる時期、子どもの疲労はピークに
学校生活の新年度を迎える4月は期待と不安が入り混じるものの、ゴールデンウイークがあるため一息つけます。
しかし、連休が明けるとまた日常が戻り、基本的に夏休みまで「週5日学校に行く」「土曜日に部活動がある」といった日々が続きます。
「早く新しい環境に慣れよう」という焦りや、通学や部活動の疲れが溜まり5月~6月に一気に疲れが出てしまうことも珍しくありません。
子どもは成長すると親に弱音を吐くことも減るため、「疲弊している」ことに気がつかないこともあります。
筆者の子どもも、中学進学後に疲れが溜まりダウンした経験があります。今回は、親はどういった点に注意すれば「子どもの変化」を見過ごさないで済むのかを考えていきます。
変化の月でもある4月
進級でのクラス替えや小学校から中学校、中学校から高校への進学は子どもにとって交友関係も含めて大きな環境の変化を伴います。多くの子ども達にとって毎年4月は「何かしら変わる日々」が待ち受けることになります。
「慣れが一番」という考えもありますが、進学やクラス替えは蓋を開けなければ分かりません。慣れるまでの時間は子どもによって異なります。また、年によりクラスに溶け込むスピードも違うため、これまでの経験値が通用しないという点も忘れてはいけないです。
大人でも4月は心機一転といった精神面で押し切ろうとしがちですが、これは子どもの世界でも同じようなことが起きます。「今年度の目標」を書かせられたり、自己紹介をしたりと新学年の行事が続きます。
こうした年中行事が終了し、ゴールデンウィーク明けからいよいよ新学年が本格始動します。連休がある意味、仕切り直しの時期になっているのですが、その時点までに慣れなかった子にとってはハードな日々が待ち受けることになります。
筆者の子どもは中学進学後、部活動や新しい環境に慣れようと努力していましたが、5月下旬にとうとう疲れが溜まり学校を休んだことがあります。やはり最初は「疲れた」とは口にせず、我慢した末にポツリと「一日休みたい」と告げてきたのです。
子どもの疲労困憊の予兆
とくに中学への進学は学校生活に部活動も加わることから、小学校生活と比べると帰宅時間が数時間遅くなることになります。劇的に変化した日常生活に必死になって慣れようとしていた無理がたたり、疲労のピークを迎えてしまったのです。
金曜日に休ませて金土日の三連休で疲れを取り、その後は学校生活にも慣れて元気に登校していきました。しかし、今振り返ると子どもの疲労困憊の予兆は確かにありました。
すんなり起きられないことが増える
小学生の頃より眠くなる時間が早い
帰宅時間の早い小学生を羨む
些細なことかもしれませんが、いつもとは違う言動が増えているのは確実に「疲れている」サインです。
実は当時のクラスでは筆者の子どもよりも早い段階で早退や休みの子が続出していました。今では「同級生と同じタイミングの流行に乗れなかった人間」と笑い話にしています。
また、疲れが溜まっているだけなら休息すれば済みますが、「クラスに馴染めない」や「入った部活動がきつかった」といった問題は休むだけでは解決が難しいです。
5月や6月に入り、子どもが「本当に疲れているだけなのか」を見定めることも必要になってきます。
メンタルの問題は見えにくく言いにくい
昭和の頃とは違い「学校を休ませるのは高熱が出た時だけ」という時代ではありません。子どものメンタルヘルスへの関心も高まっており、スクールカウンセラーや専門医の認知度も以前と比べて浸透しています。
我慢をすれば何とかなるという考えは過去のものとなっています。ただし、大人でも自分の心や体の変調に気がつかないことがあります。
子どもなら尚更です。気がついた時にはすでに何かしらの症状が発症していることもあります。
筆者も5月や6月ではないにしろ、中学3年生の受験シーズンが本格化する初冬に自律神経失調症を発症しました。それまで健康だけが取柄だった人間にとって、信じられないことが起きたのです。
外見上に大きな変化もなく、問題を抱えているように見えないため同級生は誰も筆者が苦しんでいるとは思いませんでした。
また、母親の自律神経失調症への理解が足らず単なる気力低下という扱いも症状を悪化させる一因になりました。心の変調はいくら親でもそのまま理解してもらうのは難しいということを痛感しました。
子どものSOSを見逃さない
新年度がスタートして1ヶ月2ヵ月経ち、子どもの様子がいつもと違うと感じたら「誰もが通る道」と軽くあしらうのは禁物です。とくに思春期を迎えると親に素直にSOSを言えなくなります。
単に疲れが溜まっているだけなのか、それとも悩みを抱えているのかという見極めも大切ですが、親も「学校を休むのは怠けたいから」という考えを改めることで、子どもの本音を引き出すきっかけにもなります。
固定観念を捨てて、普段から子どもの言動を気にしつつ、変わりがないか察知するようにしたいですね。
参考資料
文部科学省「スクールカウンセラーについて」(https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/shotou/066/gaiyou/attach/1369846.htm)
厚生労働省「ストレスとこころ」(https://www.mhlw.go.jp/kokoro/youth/stress/index.html)
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