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定年後の貯蓄の実態。65歳以上無職世帯の貯蓄は「預貯金」が半分に

LIMO / 2022年5月31日 5時50分

定年後の貯蓄の実態。65歳以上無職世帯の貯蓄は「預貯金」が半分に

定年後の貯蓄の実態。65歳以上無職世帯の貯蓄は「預貯金」が半分に

定年後の貯蓄のリアルを知る

人生100年時代、老後の生活費を、年金だけですべてまかなうのは難しいでしょう。豊かな老後を過ごすためにも、現役時代のうちから貯蓄をしっかりしておくことが重要です。

2019年、金融庁のレポートに端を発した「老後資金2000万円問題」が話題になりました。

「2000万円」という決して小さくはない金額。これを貯蓄できた世帯はどのくらいあるのでしょうか。今回は「定年後の世帯」の貯蓄事情をチェックしていきましょう。

定年後の貯蓄の実態の前に。全体の平均はいくらか

まずは、二人以上の世帯における2021年平均の1世帯当たり貯蓄現在高(平均値)をみていきます。

総務省が2021年5月に公表した「家計調査報告(貯蓄・負債編)-2021年(令和3年)平均結果-(二人以上の世帯)」によると、世帯当たりの貯蓄額は下記の通り。

出典:「家計調査報告(貯蓄・負債編)-2021年(令和3年)平均結果-(二人以上の世帯)」

1世帯当たり貯蓄現在高・・・1880万円

貯蓄保有世帯の中央値・・・1104万円

いずれも1000万円を超えています。意外に貯蓄額が大きくて驚いた方もいるのではないでしょうか。

平均値は一部の「お金持ち」層によって引き上げられるため、「中央値」を参考にするといいでしょう。

貯蓄平均1880万円を下回る世帯が約3分の2を占める

では、貯蓄額の分布もみてみましょう。

「家計調査報告(貯蓄・負債編)-2021年(令和3年)平均結果-(二人以上の世帯)」

 

4000万円以上・・・12.8%

3000万~4000万円・・・6.7%

2500万~3000万円・・・4.8%

2000万~2500万円・・・6.4%

1800万~2000万円・・・2.7% ⇐平均貯蓄額(1880万円)

1600万~1800万円・・・3.6%

1400万~1600万円・・・4.0%

1200万~1400万円・・・4.9%

1000万~1200万円・・・5.3% ⇐貯蓄保有世帯の中央値(1104万円)

900万~1000万円・・・3.1%

800万~900万円・・・3.7%

700万~800万円・・・3.5%

600万~700万円・・・4.0%

500万~600万円・・・4.6%

400万~500万円・・・4.2%

300万~400万円・・・5.0%

200万~300万円・・・4.9%

100万~200万円・・・5.3%

100万円未満・・・10.5%

貯蓄平均1880万円を下回る世帯が約3分の2を占める結果となりました。

次では、「無職の高齢者世帯」の貯蓄事情にフォーカスしていきます。

世帯主「65歳以上の無職世帯」の貯蓄は


さらに、世帯主が65歳以上に絞ったデータをみていきましょう。

世帯の貯蓄現在高の推移は、以下の通りとなっています。

2016年・・・2350万円

2017年・・・2337万円

2018年・・・2233万円

2019年・・・2218万円

2020年・・・2292万円

2021年・・・2342万円

どの年度も2000万円以上となりました。退職後の生活に備えて、着実に貯蓄ができている世帯の多さがうかがえます。

それでは、2020年の同世帯の貯蓄の内訳も見ていきましょう。

【世帯主が65歳以上】無職世帯の種類別貯蓄現在高(二人以上の世帯)

通貨性預貯金・・・623万円(26.6%)

定期性預貯金・・・924万円(39.5%)

生命保険など・・・403万円(17.2%)

有価証券・・・388万円(16.6%)

金融機関外・・・4万円(0.2%)

通貨性預貯金…自由に入出金可能な普通預金など
定期性預貯金…金融機関に一定期間預ける定期預金など
生命保険など…生命保険会社の養老保険やこども保険などで、掛け捨ての保険を含まない

定年後に必要な貯蓄額は

今回は、65歳以上の無職世帯の貯蓄事情を中心に解説してきました。

「退職までに老後資金を準備しておこう」という意識が、貯蓄平均額として表れているともいえそうです。

ただ、生活水準や年金受取額などによっては、それ以上の貯蓄が必要になる可能性もあります。

介護が必要になった場合、高齢者施設への入所を検討したり、自宅をリフォームしたりする必要もあるでしょう。

老後にいくら必要か、その答えは、やはり「人それぞれ」です。まずは、ご自身のライフプランをじっくり考えてみてはいかがでしょうか。

参考資料

総務省統計局「家計調査報告(貯蓄・負債編)―2021年(令和3年)平均結果―(二人以上の世帯)」(https://www.stat.go.jp/data/sav/sokuhou/nen/index.html)

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