6月1日から犬と猫への「マイクロチップ装着」が義務化へ。世間の反応は
LIMO / 2022年6月1日 17時50分
6月1日から犬と猫への「マイクロチップ装着」が義務化へ。世間の反応は
マイクロチップ登録制度の概要を確認
2022年6月1日から改正動物愛護管理法が施行されることに伴い、犬と猫に対するマイクロチップの装着が義務化されます。
マイクロチップとはペットの個体識別に役立てる電子標識器具で、直径2mm、長さ12mm程度のチップを体内に埋め込みます。
これにより、ペットが迷子になったときなどに役立ちます。
改正動物愛護管理法や世間の認知度について見ていきましょう。
6月1日から開始するマイクロチップ登録制度とは
改正動物愛護管理法により、2022年6月1日から犬と猫への「マイクロチップ装着」が義務化されます。
義務化の対象
義務化の対象となるのはブリーダーやペットショップといった販売業者なので、すでに飼っているペットや里親から譲り受けるペットは対象外です。
ただし努力義務とされているので、マイクロチップの趣旨を理解した上で装着することが望まれるでしょう。
マイクロチップに登録される情報
マイクロチップには世界唯一の15桁の数字が記録され、ここに飼い主の情報が登録されることとなります。
犬や猫をペットショップなどで購入する場合、最初の登録情報は販売業者になっています。このため、譲り受けた際に登録情報の変更が必要です。変更の際には登録証明書が必要となるので、紛失に注意が必要です。
犬と猫への「マイクロチップ装着」、世間の認知度は?
ペットメディカルサポート株式会社が2461人に行った「犬と猫のマイクロチップ装着に関する意識・実態調査」によると、「ペットのマイクロチップ装着」に対して、犬の飼い主と猫の飼い主では認知度に若干の差があることがわかりました(2022年5月25日公表)。
マイクロチップ自体の認知度は、犬の飼い主が95%、猫の飼い主が94%です。
しかし装着義務化の認知度になると、犬の飼い主が78%、猫の飼い主が71%と大きく下がりました。
マイクロチップ自体は広く認知されているものの、義務化については認知度が下がるようです。
また個人にはマイクロチップの装着が努力義務になっていることに関しては、犬の飼い主で77%、猫の飼い主で70%という認知度でした。
すでにマイクロチップを装着している割合は
今回の法改正より前に、すでにマイクロチップを装着している人もいます。同調査では、犬の場合60%、猫の場合は30%がすでに装着していることがわかりました。
ただし自発的に装着したというよりは、すでに業者が装着していたケースが大半です。ペットショップなどで購入する時点で、すでに装着されていたというのが犬も猫も約8割を占めます。
「ペットのマイクロチップ装着」飼い主は賛成できる?
同調査では、ペットのマイクロチップ装着についての賛否も聞かれています。
犬の飼い主
賛成:42%
どちらかというと賛成:42%
どちらかというと反対:14%
反対:2%
猫の飼い主
賛成:34%
どちらかというと賛成:53%
どちらかというと反対:12%
反対:1%
どちらの飼い主も、8割以上がペットへのマイクロチップ装着に賛成していることがわかります。
マイクロチップ装着により「迷子になったペットを探すのに役に立つ」と自分のペットを守る声が多い一方、「ペットの遺棄を減らせる」のように、社会的意義にメリットを見出す声も見られました。
自らマイクロチップを装着するのは消極的
マイクロチップ装着には賛成派が多いものの、自らが行うことには消極的である様子です。
「マイクロチップを装着していない」という飼い主のうち、今後の予定を聞いた回答は次の通りでした。
犬の飼い主
予定なし:49%
悩んでいる:47%
予定あり:5%
猫の飼い主
予定なし:40%
悩んでいる:51%
予定あり:9%
犬と猫の飼い主とで多少の差はありますが、業者によらず自らマイクロチップ装着をすることには消極的という結果となりました。
環境省による「ペットへのマイクロチップ装着」Q&A
最後に環境省の「令和4年6月1日から開始するマイクロチップ登録制度に関する飼い主の方向けQ&A」から、マイクロチップに関する疑問と答えを一部ご紹介します。
マイクロチップは、どこで装着できますか。
動物病院などで獣医師が専用の注入器を使って皮下に埋め込みます。一度埋め込むと、首輪や名札のように外れ落ちる心配が少なく、半永久的に読み取りが可能な個体識別証になります。
飼い主の情報は、どのようにデータベースに登録すればよいですか。
御自身のパソコンやスマートフォンを使って、オンラインで登録の申請をすることができます。なお、登録申請の際には、獣医師が発行したマイクロチップ装着証明書を添付する必要があります。
登録の申請先は、どこの機関になりますか。
環境大臣が指定した指定登録機関に登録の申請を行っていただきます。指定登録機関には、公益社団法人日本獣医師会が指定されています。
※公益社団法人日本獣医師会が民間事業として実施しているマイクロチップ登録制度(AIPO)とは異なりますので、御注意ください。
登録手数料の額はいくらですか。
登録手数料は、登録・変更登録1回につきオンライン申請では300円、紙申請では1000円になります。
登録証明書の再交付の手数料は、オンライン申請では200円、紙申請では700円になります。
飼っている犬や猫が死亡した場合に、何か手続が必要ですか。
指定登録機関に死亡の届出をする必要があります。
まとめにかえて
2022年6月1日から犬と猫へのマイクロチップ装着が義務化されます。個人では努力義務となりますが、その趣旨を理解して装着を考えることも必要になるでしょう。
大切なペットを守るためにも、しっかり考えてあげたいですね。
参考資料
ペットメディカルサポート株式会社「犬と猫のマイクロチップ装着に関する意識・実態調査」(https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000064.000057917.html)
環境省「令和4年6月1日から開始するマイクロチップ登録制度に関する飼い主の方向けQ&A」(https://www.env.go.jp/nature/dobutsu/aigo/pickup/chip.html)
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