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60代の貯蓄の平均値「2747万円」も中央値は「810万円」定年後に増える4つの支出・減る7つ支出とは

LIMO / 2022年6月3日 5時50分

60代の貯蓄の平均値「2747万円」も中央値は「810万円」定年後に増える4つの支出・減る7つ支出とは

60代の貯蓄の平均値「2747万円」も中央値は「810万円」定年後に増える4つの支出・減る7つ支出とは

60代の貯蓄格差を探る

さまざまな食料品の値上げが公表されています。普段より出費が増え、やりくりに苦労する方も多いでしょう。

特に年金生活になると、毎月決まった収入で生活することになります。相次ぐ値上げは家計に響き、老後資金への不安も高まります。

実際に今の60代の方は、どれくらいの貯蓄を保有しているのでしょうか。セカンドライフについては具体的に想像できない部分も大きいですよね。定年後の生活費で「減る出費・増える出費」についてもみていきます。

60代の貯蓄の平均は2500万円以上に

まずは金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和3年)」から、今の60代の二人以上世帯の貯蓄額をながめていきます。

60代世帯の金融資産保有額(金融資産を保有していない世帯含む)

平均値:2747万円

中央値:810万円

一部の大きな金額に引っ張られやすい平均は2747万円。より実態に近い貯蓄額は中央値の810万円です。

2019年には年金以外に2000万円が必要という「老後2000万円問題」が話題となりましたが、中央値は1000万円以上も差がある結果となりました。

具体的な分布を確認すると、貯蓄2000万円以上を保有しているのは32.4%とおよそ3割です。

ただ、金融資産非保有世帯も19%で約2割弱を占め、貯蓄額が二極化している様子が伺えます。

次に、リタイア後は具体的にどれくらいの生活費がかかるのかを見ていきましょう。

定年後65歳以上のリタイア世帯の収支はわずかに黒字

総務省統計局の「家計調査年報(家計収支編)2021年(令和3年)家計の概要」から、「65歳以上・無職世帯」(夫婦世帯)の収支を確認しましょう。

65歳以上・無職「夫婦世帯」のひと月の収入

収入合計:26万3576円(うち社会保障給付(公的年金など):21万6519円)

65歳以上・無職「夫婦世帯」のひと月の支出

支出合計:25万5100円

【内訳】

非消費支出計(税金や社会保険料):3万664円

消費支出:22万4436円

65歳以上・無職の夫婦世帯の収入は約26.3万円。支出もほぼ同じ金額で、毎月わずかですが黒字となります。

ただ、こちらはあくまで一例ですので、実際の収支はご家庭によって異なるでしょう。

たとえば収入のうち「社会保障給付(公的年金など)」が約22万円となっています。

夫婦それぞれ国民年金なのか厚生年金なのか

年金の加入期間やどれぐらいか

以上のような条件によって、収入は変わってくるでしょう。

支出についても、食費や住居費などはご家庭によって違ってくるでしょう。一般的な金額を参考にしながら、「わが家の収支はどうだろうか」とイメージしてみる必要がありそうです。

定年後60代に増える4つの支出とは

「退職すればそこまでお金はかからなくなるだろう」と考える方もいますが、増える支出にはどんなものがあるのでしょうか。

公益財団法人 生命保険文化センター「セカンドライフの生活費は現役時代とどう違う?」よりみていきます。

【定年後60代】退職によって発生する支出の例

趣味や生きがいのための費用

近所づきあいの交際費

妻の国民年金保険料(妻が60歳になるまで)

国民健康保険料※

※健康保険から国民健康保険へ移るほか、定年退職前の健康保険に引き続き加入する、要件を満たす人が会社勤めの家族の被扶養者になる選択肢もある

旅行を楽しんだり、新たな趣味をはじめたりとなると出費は増えるでしょう。お孫さんが生まれれば、お年玉やお祝いといった出費もあります。

また、日々の生活費とは別に、もしもの時の貯金も必要でしょう。病気やケガ、介護が必要になった場合の費用についても準備しておきたいものです。

定年後60代に減る7つの支出とは

一方で、退職することでいらなくなる支出の例も、同資料よりみていきましょう。

退職によって不要となる支出の例

会社員としての交際費・食費

スーツ、ワイシャツ、ネクタイなどビジネス被服代

子供の教育・扶養費用(成人・独立の場合)

住宅ローン(完済する場合)

厚生年金保険料

雇用保険料

健康保険料※

※健康保険から国民健康保険へ移るほか、定年退職前の健康保険に引き続き加入する、要件を満たす人が会社勤めの家族の被扶養者になる選択肢もある

住宅ローンの返済状況やお子さんの年齢など個人差はあるものの、上記の支出は必要なくなってくるでしょう。

【定年後60代】年金受給額の目安を知る2つの方法

定年後の収入の柱となるのは年金です。ここで年金がいくらもらえそうかを知る方法を解説していきます。

年金の受給額を調べる方法1. ねんきん定期便

年金額は、毎月誕生月に送られてくる「ねんきん定期便」でチェックできます。

出所:日本年金機構

50歳未満の方は「これまでの加入実績に応じた年金額」が、50歳以上になると「年額の見込額」が記載されています。

年金の受給額を調べる方法2. ねんきんネット

「ねんきんネット」に登録すれば、24時間いつでも年金額などを確認できます。

出所:日本年金機構

マイナンバーカードを利用した「マイナポータルへの連携」か、基礎年金番号やメールアドレスを利用した「ユーザIDの取得」で登録ができます。

こうした方法で年金の受給額を知っておけば、老後のマネープランをより具体的に考えることができるでしょう。

60代の貯蓄データから老後の生活をイメージする

一般的な60代の貯蓄や65歳以上の収支、定年後の出費項目についてみてきました。

お住まいの地域や居住形態、などによっても収支は異なるものの、平均的な金額を知ることができました。

この数値を参考にしつつ考えたいのが、わが家のマネープランです。

いますぐ節約できそうなものはあるか。定年後の出費は何が増えて、何が減りそうか。

また、ねんきん定期便などで将来の年金受給額の目安を知ることで、老後の生活を具体的にイメージするヒントになるでしょう。まずはご自身のお財布事情を見直す時間を設けてみてはいかがでしょうか。

参考資料

金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和3年)」(https://www.shiruporuto.jp/public/document/container/yoron/futari2021-/2021/)

総務省統計局「家計調査年報(家計収支編)2020年(令和2年)家計の概要」(https://www.stat.go.jp/data/kakei/2020np/gaikyo/pdf/gk02.pdf)

公益財団法人 生命保険文化センター「セカンドライフの生活費は現役時代とどう違う?」(https://www.jili.or.jp/lifeplan/lifesecurity/1156.html)

日本年金機構「「ねんきんネット」による電子版『ねんきん定期便』」(https://www.nenkin.go.jp/n_net/introduction/nenkinteikibin.html)

日本年金機構「ねんきんネット」(https://www.nenkin.go.jp/n_net/)

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