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「住民税非課税世帯」年収はいくらが目安?給付金・助成の種類も確認

LIMO / 2022年6月7日 6時50分

「住民税非課税世帯」年収はいくらが目安?給付金・助成の種類も確認

「住民税非課税世帯」年収はいくらが目安?給付金・助成の種類も確認

セーフティネットである公的支援とは

この記事の3つのポイント

2022年1月~3月にかけて、住民税非課税世帯等に対する臨時特別給付金が支給されました。

これは新型コロナウイルス感染症の影響により、様々な困難に直面した方々が、速やかに生活・暮らしの支援を受けられるよう10万円の現金を給付したものです。

他にも低所得の子育て世帯に対する子育て世帯生活支援特別給付金など、住民税非課税を条件とした給付金がいくつかあります。では「住民税非課税」とは具体的にどのような状態を指すのでしょうか。今回は住民税非課税となる年収の目安や給付金についてまとめていきます。

「住民税非課税世帯」とはどのような世帯なのか

「住民税非課税」とは、読んで字のごとく「住民税が課税されていない」世帯のことです。また生計を一にする家族全員が住民税非課税である場合に、「住民税非課税世帯」となります。

住民税とは地方税の1つで、給与所得者は給与天引きにて、それ以外は納付書や口座振替等で居住する自治体に納付します。

また住民税は、所得割と均等割から成ります。

所得割:前年中の所得に対して課税される

均等割:個人に均等に課税される

これら2つが0円の場合、住民税非課税となります。

所得割については、前年の所得がなければ0円になると予想できますよね。では均等割が0円になるのはどのような条件なのでしょうか。

条件は自治体によって異なるため、ここでは東京23区の「所得割」と「均等割」が非課税になる条件をピックアップしてみます。

(1)生活保護法による生活扶助を受けている方

(2) 障害者・未成年者・寡婦又は寡夫で、前年中の合計所得金額が135万円以下(給与所得者の場合は、年収204万4000円未満)の方

(3)前年中の合計所得金額が下記の方
<同一生計配偶者又は扶養親族がいる場合>
35万円×(本人・同一生計配偶者・扶養親族の合計人数)+31万円以下
<同一生計配偶者及び扶養親族がいない場合>
45万円以下

つまり前年の合計所得金額が45万円以下であれば、扶養家族の有無にかかわらず非課税となるということです。

「合計所得金額」とは、年収のことではありません。よりわかりやすくなるよう、次は目安となる年収も解説します。

「住民税非課税」になる目安の年収とは

あくまでも東京23区の場合ですが、前年の「合計所得金額」が45万円以下であれば非課税となることがわかりました。

「合計所得金額」とは、収入から必要経費を引いたものを表します。自営業者やフリーランスなどは、仕事にかかる経費を収入から引きますよね。

また会社員などの給与所得者の場合、必要経費にあたる「給与所得控除」を引きます。こうして求められたものが「合計所得金額」となります。

では合計所得金額が45万円以下というのは、年収に逆算するといくらなのでしょうか。今度は大阪市に居住していると仮定し、収入源や家族構成ごとに確認しましょう。

給与所得者の年収目安

出所:大阪市「個人市・府民税が課税されない方」

1人暮らし:100万円以下

夫婦:156万円以下

夫婦と子ども1人:205万9999円以下

夫婦と子ども2人:255万9999円以下

※給与所得者が配偶者を扶養する場合

年金受給者の年収目安(収入は年金のみと仮定)

出所:大阪市「個人市・府民税が課税されない方」

単身世帯(65歳以上):155万円以下

夫婦世帯(65歳以上):211万円以下

※公的年金受給者が配偶者を扶養する場合

このように、非課税になる年収は居住地や収入の種類、家族構成によっても変わるので、くわしくは自治体のホームページや窓口で確認することをおすすめします。

住民税非課税への給付金や助成一覧

住民税非課税世帯へは、冒頭でご紹介した臨時特別給付金などさまざまな給付金が話題になることもあります。

一部には「優遇されている」という意見もありますが、住民税が非課税ということは、所得が一定以下で生活が厳しいということです。

さまざまな助成制度を構築し、住民税非課税世帯を支えるのが各種給付金の趣旨です。ここではそんな給付金や助成制度について見ていきましょう。

住民税非課税世帯への給付金や助成1. 幼児教育・保育の無償化

幼児教育・保育の無償化により、3歳から5歳児の幼稚園、保育所、認定こども園などの利用料は現在無料となっています。

通常は0~2歳児が対象外ですが、住民税非課税世帯であれば全年齢で無料化となります。また副食費等を無料にする自治体もあります。

住民税非課税世帯への給付金や助成2. 大学無償化(高等教育の修学支援新制度)

大学などの授業料や入学金が、免除もしくは減額される制度もあります。さらに学生生活を送るための生活費として、日本学生支援機構(JASSO)から給付型奨学金を受け取ることもできます。

住民税非課税世帯への給付金や助成3. 低所得の子育て世帯に対する子育て世帯生活支援特別給付金

子育て世帯のうち、ひとり親や低所得などの家庭には「子育て世帯生活支援特別給付金」として児童1人あたり5万円が支給されました。

継続的な支援ではないものの、2021年度と2022年度に2年連続で給付されています。

住民税非課税世帯への給付金や助成4. 国民健康保険や後期高齢者医療制度の保険料の減免

国民健康保険や後期高齢者医療制度の保険料は、所得に応じて負担する所得割と、加入者全員が負担する均等割の合計で決まります。

このうち均等割は一律で同じ金額ですが、非課税世帯の場合は軽減されます。

住民税非課税世帯への給付金や助成5. 高額療養費の自己負担額の軽減

高額療養費制度とは、医療費の自己負担額が高額になったときに、自己負担限度額を超えた金額が払い戻されるという制度のことです。

自己負担限度額は年齢や所得で何段階かにわかれ、非課税世帯であれば医療費の負担が一般より少なくなります。

他にも国や自治体の制度には、「住民税が非課税であること」を基準とした制度がたくさんあります。

住民税非課税世帯を正しく知る

住民税非課税になる年収の目安や、非課税世帯への給付金・助成制度について見ていきました。

そもそも住民税が非課税であるということは、所得が一定以下の水準だということです。各種制度は生活に困窮した人が受けられる権利なので、優遇ではありません。

本来、ひとり親や失業者などで「働きたくても働けない」家庭を支援するための、セーフティネットである公的支援。こうした支援については、正しく理解しておきましょう。

参考資料

東京都主税局「個人住民税(税金の種類)」(https://www.tax.metro.tokyo.lg.jp/kazei/kojin_ju.html#gaiyo_06)

総務省「個人住民税」(https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/jichi_zeisei/czaisei/czaisei_seido/150790_06.html)

大阪市「個人市・府民税が課税されない方」(https://www.city.osaka.lg.jp/zaisei/page/0000384084.html)

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