「出産育児一時金」来年度にも増額へ。これまでの推移や「出産費用」の平均はいくらか【都道府県別】
LIMO / 2022年6月19日 11時50分
「出産育児一時金」来年度にも増額へ。これまでの推移や「出産費用」の平均はいくらか【都道府県別】
【2022年6月17日最新】病院・都道府県別の出産費用を確認
松野官房長官は2022年6月17日の記者会見で、出産時に原則42万円が支給される出産育児一時金について、来年度から増額を実施したいと述べたと各種メディアで報じられました。
金額については、出産費用の実態調査の結果も踏まえながら議論される予定とのことです。
今回はこの出産育児一時金について、これまでの推移を確認しながら、公的病院の都道府県別の出産費用も確認しましょう。
「出産育児一時金」とは
出産育児一時金とは、健康保険や国民健康保険などの被保険者、またはその被扶養者が出産したときに一定の金額が支給される制度です。
2006(平成18)年に30万円から35万円へ、2009(平成21)年1月より原則38万円(本来分35万円+産科医療補償制度掛金分3万円)へ変更。
2009(平成21)年10月から原則42万円(本来分39万円+掛金分3万円)へ変更されました。
2009(平成21)年10月には出産育児一時金の直接支払制度も導入され、医療機関に直接支払われるように。
そのため、被保険者がまとまった出産費用を事前に用意する必要がなくなりました。
出産費用が出産育児一時金を上回る場合には、その差額を支払えば良くなったのです。
出産費用の平均値はどれくらいか
出産費用は病院や入院する部屋の種類、分娩方法などによっても金額が異なります。厚生労働省の資料より、平均と中央値を見てみましょう。
出産費用(2019年)平均値・中央値
全体:46万217円・45万1120円
公的病院:44万3776円・44万530円
私的病院:48万1766円・46万7805円
診療所:45万7349円・44万9300円
※公的病院とは、国公立病院、国公立大学病院、国立病院機構など
※私的病院とは、私立大学病院、医療法人病院、個人病院など
※診療所とは、官公立診療所、医療法人診療所、個人診療所、助産所など
全体の中央値でみると約45万円と、出産育児一時金では足りない金額となりました。
出産時は何が起こるかわからないもの。母子ともに何かあれば特別な処置が必要になったり、入院日数が伸びたりする場合もあります。
それらを考えると、現状でも不足する出産育児一時金が上がることで、安心して出産できる方も増えるでしょう。
同資料より、公的病院の出産費用の推移も2012~2019年まで確認します。
2012年には中央値で40万1590円でしたが、2019年には44万530円へと増えています。こうした背景も影響しているのでしょう。
出産費用の平均値はどれくらいか【都道府県別】
出産費用は都道府県によっても異なるものです。公的病院の都道府県別の出産費用についても確認しましょう。
全国の中央値は44万530円ですが、東京都は53万6196円と10万円近く高くなっています。
神奈川県では48万7616円、茨城県は49万2615円、宮城県は47万8740円と東日本では高い傾向にあります。
一方で西日本では沖縄県で35万6104円、佐賀県で37万3998円と30万円台の県もあり、大阪府は43万4000円、福岡県は42万5980円でした。
出産以外にも育児にかかるお金は多い
出産費用の平均や中央値をみると、出産育児一時金が増額されることで出産時のお金の不安は減ると考えられるでしょう。
一方で、育児がはじまるとオムツ代や離乳食、洋服代にはじまり、習い事や塾代、教育費用、学用品、食費や通信費などさまざまなお金がかかります。
子ども1人の教育費は一般的に1000万円かかるといわれる一方で、日本の平均年収は30年間400万円台前半で推移しているという現実もあります。
出産育児一時金の増額は良いニュースである一方で、その他の面でも子育てがしやすい環境が整えられることは、今後も求められるでしょう。
参考資料
厚生労働省「出産育児一時金について」(https://www.mhlw.go.jp/content/12401000/000700493.pdf)
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