老後破綻を防ぐために、今日から始めたい4つのこと【2018年上半期セレクション】
LIMO / 2022年6月21日 19時5分
老後破綻を防ぐために、今日から始めたい4つのこと【2018年上半期セレクション】
2018年にLIMOで配信した人気記事から、もう一度読み直したい!「編集部セレクション」をお届けします。
(初公開日:2018年2月18日)
老後破綻という恐ろしい言葉、最近よく耳にしませんか。
年金だけでは生活が成り立たず、老後に生活していけるだけの貯蓄もなく、援助してくれる家族もいない。そして収入以上の支出が積もり積もって、老後の生活が破綻してしまうことを老後破綻と言います。
老後破産という言葉もあり、定年退職後、収入が年金だけになってしまったときにどう生きていくかが問われる時代になってきました。
そこで今回は、老後破綻もしくは老後破産を防ぐために今日からでも始めておきたいことをご紹介します。
1. ライフプランを立てる
まずは基本的なことから。老後の生活をどうしたいのか、そのためにはいくら必要なのか、そこを具体的な数字で見つめなおすことが大事です。ゴールがわからなければ、どの道を行けばいいかわからないですよね。まずはゴールを探すことから始めましょう。
老後はできるだけ子どもに迷惑を掛けたくないと思っている人も多いと思います。それならそれで構いません。子どもに迷惑を掛けないように、今から老後の資金を準備すればいいだけです。逆に、子どもに頼ればいいやと思っている人は注意が必要です。
というのも、いつ何時、子どもが病気やけが、事故などに見舞われるかもわかりません。また、OECDの調査結果では、日本の15~29歳の若者のうち、仕事や就学をせず職業訓練も受けていない、いわゆる「ニート」と呼ばれる人が2015年には10.1%(約170万人)もいるとされています(注1)。
我が家に限って、と思う方もいるかもしれませんが、子どもに頼って老後の生活を成り立たせようとするのにも一種のリスクが伴うといえます。万が一の共倒れを避けるためにも、自分たちだけで生活していけるだけの資金を用意しておかなければなりません。
ライフプランを立てるうえで重要なのが、仕事から引退する年齢と住宅ローンやマイカーローンなどの借入金についてです。今は65歳以降になっても元気に働ける人も多く、厚生労働省が発表している平成25年時点のデータによると、男性の場合は71.19歳、女性の場合は74.21歳が健康寿命となっています(注2)。
65歳で仕事を完全にやめてしまうよりも、少しでもいいので働いて収入を増やしておいたほうが後のためです。65歳以降も働いた収入だけで生活できるのならば、年金も「繰り下げ受給」ができます。繰り下げ受給すると、最大で42.0%の増額(請求時の年齢が70歳0カ月~の場合)となります。逆に、65歳よりも早く年金をもらうと通常もらえるはずの年金の額よりも減額されてしまい、その金額が一生続くのです。それであれば、働けるうちは働いて、年金は少しでも多く受け取れるように検討してみるのもひとつです。
また、住宅ローンやマイカーローンなどの借入金は65歳以降に持ち越さないように注意してください。65歳以降も仕事を続けられた場合でも、契約社員になったり収入が現役時代より下がることも多いです。収入が減るタイミングでローンを抱えていると、それまで以上に生活の負担が大きくなるため、ローンを組むときには65歳までに完済するように返済プランを組むようにしましょう。
(注1)OECDプレスリリース「日本は、若者が労働市場に参加できるよう支援を強化すべき」(2017年5月29日)(http://www.oecd.org/tokyo/newsroom/japan-should-do-more-to-help-young-people-take-part-in-the-labour-market-says-the-oecd-japanese-version.htm)
(注2)厚生労働省ホームページ「健康寿命の延伸と健康格差の縮小の実現に関する目標」(http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kenkounippon21/kenkounippon21/data01.html)
2. 自動積立定期を始める
まず老後の蓄えとしてはじめたいのが、自動積立定期です。あらかじめ設定しておけば自動で定期預金口座に振り替えてくれるので、貯蓄用口座にお金を入れ忘れて貯金ができなかったということもありません。確実にお金が貯められるひとつの方法です。ボーナス月はいつもより多めのお金を入金するようにして、「1年で〇〇万円」という目標に向かって確実にお金を貯めるということを意識してください。
会社に制度があれば財形貯蓄を利用するのが一番いいですね。給与から天引きになるので確実にお金が貯められますし、財形年金貯蓄や財形住宅貯蓄なら非課税の恩恵も受けられます。いずれも貯蓄残高550万円まで、利子等が非課税となります。あらかじめ指定された用途以外の払い出しには課税されるという点にだけ、注意してください。
3. iDeCoもしくはつみたてNISAで投資をはじめる
同じように非課税の恩恵を受けられるものとして、iDeCoやつみたてNISAがあります。iDeCoは個人型確定拠出年金のことを指し、「自分で作る年金」という意味合いがあります。積立するときも、毎月の掛金が全額所得控除の対象となりますし、運用時にも運用益が非課税となります。さらに受け取るときにも、公的年金等控除もしくは退職所得控除が受けられるというメリットがあります。元本確保型の商品も運用できるので、投資が怖いという人も比較的はじめやすいのではないでしょうか。
つみたてNISAも、非課税の恩恵を受けながらお金を殖やすことができる制度です。ただし、運用対象の商品は金融庁が求める一定要件を満たした 投資信託やETFとなるので、元本割れの恐れもあります。非課税枠の持ち越しができないことや非課税期間が20年間という期限付きであるという不便さはあるものの、貯蓄だけで老後の資金を蓄えるのもちょっと現実的ではない、と感じた場合に投資で利回りをアップさせるという手もあります。預金とのバランスを見て投資にチャレンジしてみてもいいかもしれません。
4. 生活習慣を改める
老後破綻の原因のひとつとして、病気やケガが挙げられます。自分だけでなく配偶者や家族が大病を患ったとき、なんとかしたいと思って老後資金に貯めていたお金を使い切ってしまう、という切ない事情が原因になることもあるようです。
また、自分や配偶者が介護施設に入らざるを得なくなるという場合もあります。この高齢社会ですから老人ホームなどの施設は非常に人気があり、特に介護付有料老人ホームは月額20万円以上かかるところも少なくありません。
そう考えれば、長生きするなら健康に長生きする、ということも非常に重要になってくるといえるでしょう。生活習慣を改めると言われると、いまいちピンと来ない人も多いかもしれませんが、生活習慣を改め、病気やケガがないようにすることが一番の節約になることも多いのです。
5. まとめ
いかがでしたか。老後破綻と聞くとどうしても暗い気持ちになってしまうと思います。しかし、若いうちから具体的な目標を立てて、老後の生活をイメージしながら貯金や投資に励むことで十分な備えはできるのです。まずは目標を立ててみて、自分ができることから着実に始めていきましょう。
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