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子ども向け英語スクールに通っても、ペラペラになるとは限らない?!子どもの英語力アップに必要なのはコレ

LIMO / 2022年7月4日 18時45分

子ども向け英語スクールに通っても、ペラペラになるとは限らない?!子どもの英語力アップに必要なのはコレ

子ども向け英語スクールに通っても、ペラペラになるとは限らない?!子どもの英語力アップに必要なのはコレ

高校入試、大学入試でリスニングやスピーキングなど総合的な英語力が重視されるようになり、お父さん、お母さんのなかには、子どもが小さいうちに英語を習わせておきたいと考えている人も多いようです。

早いお子さんなら、就学前の幼児期から英語に触れる機会を得て、英語スクールなどに通っています。なかにはバイリンガルの幼稚園などに通うお子さんも。

果たしてその効果はどのようなものなのでしょうか。今回は、子どもの将来の英語力につながる、本当に必要な幼児教育についてお伝えします。

幼児英語への過信は禁物 ~フレンチ・イマージョンの問題~

結論からいうと、幼児期に英語に触れても、将来の英語力に直接影響が出る可能性は低いと思います。幼児英語に興味のある保護者の方なら、「フレンチ・イマージョン」という言葉にも聞き覚えがあるのではないでしょうか。

「フレンチ・イマージョン」とは、カナダで行われている「家庭で英語を使い、幼稚園から高校までの授業をすべてフランス語で行う」という教育法です。

日本の保護者の方のなかにも、子どもに「フレンチ・イマージョン」を受けさせて、3か国語を話せるトリリンガルに育てたいという人もいらっしゃるようです。

しかし実際は、カナダでも、フレンチ・イマージョンを受けた子どもたちの中で、英仏バイリンガルになれたのは半数ほどだといわれています。大人になった後は、大半の子どもがフランス語を忘れてしまったという話もあります。

英語イマージョンの問題とは?

私が大学院時代、日本で英語イマージョン教育を実施している幼稚園で言語調査をさせていただいた時期がありました。

その調査の一環として園児の日本語の語い力を調査したのですが、イマージョン教育を受けている幼稚園児の日本語の語い力は、日本語のみの教育を受けている園児に比べて、1年ほど遅れがみられました。

また、調査中に園内で園児が話している英語を聞いていた印象として、確認できたのは「Let’s go!」「Here!」というような単語レベルの発話だけで、園児たちが英語の「文」を話している様子はありませんでした。

日本語の遅れについては、日本で成長していくにつれて解消されると思われるので、問題視する必要はないかと考えます。

しかし、肝心の英語力に関しては、一見英語を話しているように見えても、文法レベルでの英語習得には至っていないという結論に至りました。

イマージョン教育は「究極の幼児英語教育」といえますが、イマージョン教育をもってしても、幼児が十分な英語を習得できているとは言えないのではないでしょうか。

幼児英語教育が子どもの将来の英語力に直接の影響を与えることは、おそらくほとんどないといえるでしょう。

将来の英語力を育てる!子どもに必要な学習とは?

一方、私自身は日本生まれ日本育ちで、幼い頃英語に触れた経験もありませんが、いつの間にか英語を習得していました。私が英語を苦労なく習得できたのには、2つの要因が関わっていると考えています。

フォニックスのトレーニング

私が最初に英語に触れたのは、小学4年生の時です。隣の家のおばさんが私塾を開いていたので、紅茶とお菓子目当てに「英語のレッスン」を受けに行っていました。

「レッスン」の内容は、英語を使ったカルタ遊びやすごろく遊びがメインでしたが、受講当初に「フォニックス」を徹底的に叩き込まれたのを覚えています。

フォニックスとは、発音と文字の関係性を学ぶ音声学習法で、もともと英語圏の子どもたちに読み書きを教えるために開発されたものです。フォニックスをマスターすれば、英単語の7割の発音が理解できるともいわれています。

私には、LとRの音の違いが聞き取れなくて困ったという経験がありません。おそらくそれは小学生の時にフォニックスを徹底的に学習した経歴が関係していると思われます。

フォニックスの学習は大人が英語の発音やリスニング力を鍛える際にも非常に有効ですが、言語音への感受性が強い幼少期に学ぶと特に効果的だという話もあります。

豊富な読書量で向上する国語力・言語力

もう1つ大きな要因と挙げられるのは、豊富な読書量によって向上する国語力・言語力を伸ばすことです。

私の両親は私を寝かしつける時に、毎晩日本語の絵本の読み聞かせをしてくれました。本を読むことの楽しさを覚えた私は、自分で文字が読めるようになると小説を毎日何冊も読むようになりました。

図書館の記録によると、小学校から高校にかけて、平均で年間500冊ほどの活字本を読んでいたようです。そのおかげかはわかりませんが、特段勉強をしていないにもかかわらず、現代文だけは偏差値が70を下回ったことがありません。

英語の文法を習得するためには、主語・目的語・動詞など、日本語の専門用語を使った「座学」が不可欠です。そのため、小さいうちに「国語力」を育ててあげると、英文法への理解が進みやすく、将来の英語習得に役立ちます。

私はフランス語やイタリア語なども、割とスムーズに理解を深めることができたのですが、幼年期から大学に至るまでの豊富な読書量が総合的な言語力の育成につながり、外国語の習得を助けたのではないかと考えています。

幼児英語教育は「ムダ」ではない

それでは幼児英語教育が「ムダ」だとか「悪いもの」なのかというと、そういうことではありません。むしろ、幼い頃に英語に触れる経験は必要だと考えています。

ただし、幼児英語教育を受けさせる「目的」を親自身が見失わないことが必要です。

日本人の英語学習において大きな課題となっているのは、「外国人を見ると委縮してしまう」「英語=苦手」といった「精神的な障壁(メンタル・ブロック)」です。

小さい頃英会話スクールの先生と楽しい時間を過ごせば、そういったイヤなイメージも払しょくできるでしょう。

しかし、子ども自身が「もう行きたくない」と言っているのに無理やり英会話スクールに通わせたりするのは逆効果です。あくまで「将来の英語学習のために、メンタル・ブロックを外しておく」ことを目的とするとよいでしょう。

まとめにかえて

幼児への言葉の教育としてオススメしたいのが「読書」です。

特に、子どもが本好きに育つきっかけになる「絵本の読み聞かせ」は、コミュニケーション能力・語い力・記憶力など、子どもの国語力・言語力を総合的に育ててくれます。

子どもにとっても「親と過ごした幸せな時間」として印象に残りやすく、親自身のストレス軽減につながるという話もあります。

実践で役立つ英語力は大人になっても習得できるものですが、子どものうちに相応のスキルを身につけておけば、習得がスムーズになります。他の学習にもよい影響を与えるスキルですので、ぜひ参考にしてみてください。

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