現役英語教師が指摘「英語力のある子は増加」でも「つまずくポイントは昔と同じ」苦手を克服する勉強とは?
LIMO / 2022年7月5日 16時45分
現役英語教師が指摘「英語力のある子は増加」でも「つまずくポイントは昔と同じ」苦手を克服する勉強とは?
小学校で英語が教科化されて以降、中学入学時点ですでに英語に慣れ親しんでいる生徒が格段に増えているようです。外国人教員にも臆せず話しかける姿は、まさに早期教育の効果と言えるでしょう。
しかしながら、小学校と中学校での英語教育には大きな隔たりがあるのも事実です。
そこで今回は、現役の英語教師に聞いた中学英語でつまずきやすいポイント、苦手を克服する勉強法について解説します。
現役英語教師に聞いた!「つまずきポイントは4つ」
中学・高校で教鞭をとるE先生は10年以上の英語指導歴を持つベテラン教師。英語教育の高まりは肌でヒシヒシと感じながらも「今も昔も生徒がつまずいてしまうポイントは変わっていない」とおっしゃいます。
つまずきやすいポイントはだいたい4つに絞られるそう。さっそくみていきましょう。
英単語・スペルが覚えられない
中学に入って最初の関門は、英単語のスペルを覚えなくてはいけないこと。
小学校英語では書き写すだけですが、中学に入るといきなり、正しいスペルを正確に覚えて自力で書けることが求められます。
catやdogなど短い単語ならまだしも、teacherなど少し長い単語、daughterのように発音しない文字がある単語になると覚え方に苦労する子も多いようです。
何度も書いて練習するのも悪くありませんが、おすすめの学習法は文字と音を対応させて覚えること。
teacherならteach / er、daughterならdaugh/ ter というように、区切って発音を確認すると、単語への理解が深まり覚えやすくなります。
be動詞と一般動詞がごちゃまぜになってしまう
基本中の基本ですが、英語は【主語+動詞】で文が成り立ちます。
しかしこれが意外にも難しく、*I am takeのようにbe動詞(is, am, are, was, were)と一般動詞(take, go, eatなど)を並べて使ってしまう生徒がたくさんいます。
I amやI likeのように、音で慣れ親しんでいる表現ではこのような間違いは見かけないのですが、疑問文を作るときやoftenのような副詞が入る文になると混乱してしまうようです。
原因はインプットが足りないこと。一度書いただけでは覚えられないので何度も音読し、リズムで覚えるのが効果的です。
英語の勉強をしていると言って部屋にとじこもり、声が聞こえて来なかったら音読不足の可能性があります。
思春期真っ只中ということもあり、人前で読むのが恥ずかしい時期なので難しいところですが、小さい声でもよいので何度も発音しながら覚えるのが大切です。
不定詞や関係代名詞の語順がわからない
英語と日本語では語順が違います。これが最も顕著に現れるのが、不定詞や関係代名詞。不定詞とは、to+動詞の原形のこと。特に次のような『形容詞的用法』でつまずく生徒が多くいます。
例えばI have a lot of homework to do.という文。これは「私にはするべき宿題がたくさんあります。」という意味で、to doがa lot of homeworkを修飾しています。
日本語では「宿題」よりも「するべき」が先に来ることから、to doを先に持ってきてしまう解答が散見されます。
同じ意味の文を関係代名詞を使って表すと、I have a lot of homework that I have to do.となります。この文のthat(またはwhich)が関係代名詞です。不定詞と同じく、まず「宿題」がきて、その後ろに「しなくてはならない」という情報がきます。
ここでのポイントは、英語という言語の特性を理解すること。それは、「大事なことは先に言う」ということです。上記の文で大事なことは「宿題がある」ということ。その後ろに「どんな宿題なのか」を付け足しているイメージです。
まずは日本語の文から大事な部分を見つけ出せるようになることを目指しましょう。日本語の理解力も求められることから、英語の勉強をすると日本語力が伸びることはよくあります。
英語力向上の鍵は意外にも日本語力だったというケースもよくあります。
長文が読めない
リーディングの文章の長さは昔と比べて格段に長くなっています。長文をいかに速く正確に読むかは、高校受験、大学受験においても大事なポイントになっていることは間違いないでしょう。
ところが、長文が読めないと悩む中学生はたくさんいます。特によく聞かれるのが「内容が入ってこない」「読むペースが遅くて時間が足りなくなってしまう」という切実な声。
原因は英語を英語のまま捉えられず、全文を日本語に訳しながら読んでしまっているケース。これでは確実に時間が足りません。
実はここでも音読が効果を発揮します。特におすすめなのは、意味をしっかり理解した文章を音源に合わせて音読すること。音源のペースで文字を追うことができるようになり、読むスピードがアップします。
単に発音するのではなく、意味を理解しながら音読することが大切です。音読をすることで、英語を英語のまま理解することができるようになり、リスニング力も向上します。
最近はQRコードがついている教科書も多く、スマホやタブレットを活用することで手軽に音読練習ができますよ。
まとめにかえて
いかがでしたでしょうか。E先生によると、スペルを覚え、動詞を使い分け、語順を理解し、長文を速く正確に読むことが英語学習には大切とのことでした。これらをひとつずつ達成すると、中学英語はなんとかついていけそうですね。
言語なので覚えなくてはいけないことはたくさんあります。しかし普段から覚えるトレーニングをしていれば、覚えられる量も速さも徐々に向上します。
特に国語力の強化が英語の成績アップにつながるのは、先生方も感じているところのようです。
英語に悩む中学生はもちろんのこと、小学校高学年のお子さんを持つ親御さんは、このあたりも見据えて日々の勉強に活かしていくとよいかもしれません。
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