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屋内でも熱中症に要注意。エアコンの節電と両立する方法はあるのか

LIMO / 2022年7月18日 17時50分

屋内でも熱中症に要注意。エアコンの節電と両立する方法はあるのか

屋内でも熱中症に要注意。エアコンの節電と両立する方法はあるのか

今年は梅雨が早く明け、例年より暑い夏に感じている方も多いです。

一方で、電気の供給力の減少から電気需給がひっ迫していることを受け、たびたび「節電のお願い」が出されています。

さらに松野官房長官は2022年6月28日の記者会見で、電力会社が提供する節電プログラムに参加した家庭への2000円相当のポイントの付与について、「8月中」に開始する方針を明らかにしました。

節電ポイントも話題となっていますが、気になるのが屋内での熱中症です。エアコンを過度に節電してしまっては、熱中症のリスクも高まってしまいます。

こうしたジレンマを抱えながら、今年の夏を過ごしている方は多いのではないでしょうか。地球環境や節約のためにエアコンは控えたいものの、やはり熱中症は気になります。

エアコンとの上手な付き合い方について考えていきましょう。

節電ポイントが過熱化

今年の夏は「節電ポイント」に注目が集まっています。電力ひっ迫を回避すべく、政府が新たに導入した対策で、節電した家庭に節電ポイントを付与するというものです。

すでに東京電力や東京ガスなど、数社の電力会社ではポイント付与の事業を始めています。

ただし、節約のためにとむやみにエアコンを控えていては、我慢を続けることとなりモチベーションは保ちにくいもの。それどころか、屋内でも熱中症のリスクが高まってしまいます。

屋内でも熱中症は発生する

消防庁の「熱中症情報」によると、2022年7月4日~7月10日までの全国の熱中症による救急搬送人員は、5744人でした。このうち、約半数である48.1%は住居で発生しています。

出所:消防庁「熱中症情報」

高齢者が多いものの、成人は31.3%、少年は11.0%、乳幼児が1.0%を占めています。

こうした状況から、屋内でも熱中症リスクは高いことを認識し、日頃から対策することが重要だと言えます。

環境省によると、熱中症を引き起こす要因は「環境」「からだ」「行動」の3つです。このうち「環境」として、「気温が高い」「締め切った屋内」「エアコンのない部屋」などがあげられており、屋内でも熱中症になる環境があることが示されています。

こうした中、エアコンの温度をあげて我慢をするというのは、危険な側面もあるでしょう。では節電と熱中症対策は、どのように両立させればいいのでしょうか。

エアコンを賢く節電する方法

経済産業省資源エネルギー庁の「夏季の省エネ・ 節電メニュー」より、エアコンの節電方法とその節電効果をご紹介します(※「節電効果」は点灯帯(19時頃)の家庭の電力使用量に対する節電効果の概算値です。地域・時間帯により節電効果は変動します。)。

     室内の冷やしすぎに注意し、無理のない範囲で室内温度を上げる:5.4%※

     目詰まりしたフィルターを清掃する:1.9%

     日中はすだれ、よしず、カーテンなどで窓からの日差しを和らげる

※室内温度を26度から2度上げた場合の数値

室内温度を2度上げると、その効果は5.4%です。フィルターを清掃すると、1.9%の節電となります。

エアコン設定は1度でも体感に響くものなので、フィルター清掃と両方実施することで相乗効果が得られるでしょう。

また最近では遮熱カーテンなども売られています。エコ家電をはじめ、こうした「モノを買うことで微々たる節電をするのは節約にならない」という意見もありますが、節約ではなく節電に重きを置くことで、判断していきましょう。

エアコン以外を節電する方法も

夏の節電といえば、真っ先にエアコンを思い浮かべる方もいます。しかし家庭内にある家電には、エアコン以外にも電気を消費するものが多くあります。

出所:経済産業省資源エネルギー庁「夏季の省エネ・ 節電メニュー」

 

エアコン:38.3%

冷蔵庫:12.0%

照明:14.9%

給湯:3.1%

炊事:7.8%

洗濯機・乾燥機:1.8%

温水便座:0.3%

テレビ・DVD:8.2%

パソコン・ルーター:0.7%

待機電力:4.0%

真っ先にエアコンに取り組めば効果は出やすいものの、その他の節電にチャレンジするのも大切です。

例えば冷蔵庫であれば、設定を「強」から「中」に変え、扉を開ける時間を減らしたり食品の詰め込みを避けたりします。さらに壁との間隔を開けることで、1.2%の節電となります。

またテレビをつけっぱなしにしている人は、こまめに消したり画面の輝度を下げたりするだけで、2.0%の節電になります。

こうしたものの中から、できるものを組み合わせて無理なくチャレンジしてみましょう。

2022年7月1日(金)~9月30日(金)は無理なく節電しながら熱中症対策も

今夏の電力需給は、全国で瞬間的な需要変動に対応するために必要とされる予備率3%以上を確保しているものの、厳しい見通しとされています。

特に電力需給が厳しくなる傾向にある点灯帯(17:00-20:00頃)には節電が求められていますが、むやみに設定温度を上げることで対策していては、健康リスクにつながります。

屋内でも熱中症リスクがあることを認識し、適切な節電を行いましょう。

参考資料

消防庁「熱中症情報」(https://www.fdma.go.jp/disaster/heatstroke/items/r4/heatstroke_sokuhouti_20220704.pdf)

環境省「熱中症予防情報サイト」(https://www.wbgt.env.go.jp/sp/heatillness.php)

首相官邸「内閣官房長官記者会見」(2022年6月28日)(https://www.kantei.go.jp/jp/tyoukanpress/202206/28_a.html)

経済産業省資源エネルギー庁「夏季の省エネ・ 節電メニュー」(https://www.enecho.meti.go.jp/category/saving_and_new/saving/shoene_setsuden/pdf/setsudenmenu_katei02.pdf)

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