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【実録】3人の「65歳以上のおひとりさま」のリアル。介護、病気、お金への不安とは

LIMO / 2022年7月28日 14時50分

【実録】3人の「65歳以上のおひとりさま」のリアル。介護、病気、お金への不安とは

【実録】3人の「65歳以上のおひとりさま」のリアル。介護、病気、お金への不安とは

おひとりさま老後の現実を見る

最近は「おひとりさま」と言う言葉が一般的になり、生涯結婚せずに一人で生きていく人も増えてきています。

金融広報中央委員会が公表する「家計の金融行動に関する世論調査2021年」 (単身世帯調査) によると、「老後の生活への心配」について「非常に心配である」と考える単身世帯は42.9%、「多少心配である」と考えるのは33.5%でした。

出典:金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査2021年」 (単身世帯調査)

老後の生活について不安を感じるおひとりさまは7割強いるとわかります。

そこで今回は、実際におひとりさまの老後について65歳以上の方3名に話を聞いてみました。

両親の介護と自分の介護不安の狭間で…

現在66歳で関東近郊に居住しているAさんは、介護のために両親の住む家に戻りました。

Aさんはもともと神戸で育ちましたが、Aさんの父親の転勤を機に便利な関東近郊に引っ越してきました。当時はAさんも都内に住んでおり、両親のいる家に帰りやすくなったと喜んでいましたが、介護する局面になって不便さを感じるようになったようです。

「自分にとっては住み慣れた街でもなく、土地勘もない。両親を病院に連れていくのも一苦労。両親はともに80代だが、介助や介護が必要な状態。施設に入ってもらうことも考えたが、かなり高額な費用がかかる施設しか空いておらず、自分も仕事をしているわけではなかったので自分での介護を選んだ」とのこと。

しかし、介護で忙しく過ごす生活の中でも、経済的な不安と住み慣れていない街での生活に孤独を感じることも多いのだと言います。

「今は自分が両親の介護をしているが、自分がこんなふうに介助や介護が必要になったときに誰が私の面倒を見てくれるんだろうと不安にもなる。

一応まとまった貯金はあるが、ここからは貯金が減っていくばかり。両親がいつ大きな病気をするかもわからない。自分もいつまで健康でいられるのかもわからない。不安要素が多すぎて、あまり先のことを考えないでおこうと心がけているくらい」と話してくれました。

介護を続けるにも体力、経済力がどこまで続くのか不安に感じているとのこと。これはおひとりさまに限らず、誰もが不安に思うことではありますが、この先もずっと自分ひとりで介護していくんだと思うと余計に不安になりますよね。老後生活への備えを十分にしたいものです。

病気になり、経済的な不安に駆られるときも

東海地方在住の69歳、Bさんは自分が病気になって経済的な不安を感じるようになったといいます。

「昨年、大きめの病気が見つかった。でも命に別状はないという状況で、医療費はかさむ。自分には家族がいないからとあまり保険をかけていなくて、貯蓄が医療費によってどんどん減っていくのがとても不安。

若い頃から仕事一筋で働いてきてそれなりに貯蓄はあるつもりだったけど、病院に行くタクシー代とか薬代、手術費用やベッドの差額など、少しずつ貯蓄が減少していく。この先自分がどこまで生きるのかわからないからできるだけ節約するようにしている」とのこと。

「若い頃は結婚に対してポジティブなイメージが持てなかった。今でも結婚しなかったことへの後悔はない。結婚して家族がいたとしても経済的な不安がつきまとうものだと思う。

ただ、一緒に闘病する人がいたり、自分の回復を待ってくれている人がいると少しは精神的に安らぐかもしれないというのは考えたことがある」と話していました。

年をとると誰でも病気をしやすくなるので、そのことも考慮して保険に入ったり、貯蓄に励んだりすることで老後の不安が少し和らぐかもしれません。

また「若い頃は不摂生ばかりしていた。それが今になって病気と言う形で出てきているように感じる。足腰が弱くなると医療費もかさむが、交通費や自宅の改修など必要なお金が桁違いになる。健康寿命を延ばすために若い頃から体を動かしたり、健康を気遣った食事をすることが大事だと思う」とBさん。

経済的な不安へのケアも大事ですが、自分の体を大事にすることも大事ですよね。

意外と身軽で、大きな不安がない人も

関東近郊の68歳、Cさんは「おひとりさまでも意外と不安がない。親の遺産があるうえに自分で駅近のマンションも購入しているので老後の住処には不安がないし、親の遺産もよっぽど贅沢をしなければ使い切ることもなさそう。

病気もなく、周囲に友人もいて趣味を楽しむ毎日。これも、兄と協力して親の介護をしたこともあって介護費用を抑えられたし、親の介護期間も短かったことが良かったと思う」と話します。

兄弟と協力して両親を介護したCさん。自身も健康に大きな問題なく生活できていると言います。

「35歳の誕生日を迎えたときに『自分はもう生涯、結婚しないで生きていこう』と決めたので、そこからはずっと老後のことを見据えて貯金に励んできた。そのおかげで、病院や駅が近く快適な住処も得られたし、この先、生きていくのに今のところは大きな不安もない」と話してくれました。

若い頃から「おひとりさま」で生きていくことを決めて、老後のために貯蓄したりマンションを購入したりして念入りに準備をしていると不安は少ないようです。一人で生きていくと決めたら、早めに老後の準備をしておくといいでしょう。

まとめにかえて

今回はおひとりさまの老後について3名の方にお話を聞きました。おひとりさまで迎える老後に不安を感じる人もいるようですが、結婚して家族がいても老後に不安を感じる人もいるでしょう。

いずれにしても、早めに老後プランを練って念入りに準備をするに越したことはありません。まずは自分の老後についてイメージを膨らませることが大事ですね。

参考資料

金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査2021年」 (単身世帯調査)(https://www.shiruporuto.jp/public/document/container/yoron/tanshin/2021/pdf/yoront21.pdf)

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